デリカ釣り場への移動やタックルを積み込む車は、もはや釣具だ。釣りを極める者はいかにして車を選び、どのように使っているのか? トップアングラーに釣車へのこだわりを聞いてきた

釣り好き父から受け継いだ“最強の釣車”

ほぼオールジャンルで釣りにいそしんでいる、人気アングラーの「おかまり」こと岡田万里奈さん。

彼女が“相棒”として使っている釣車は、三菱 デリカD:5の4WD車。いわゆる3列シートのミニバンでありながら、やたらと悪路走破性が高いことで知られるモデルだ。

デリカ

ちなみにこのデリカD:5は、おかまりさんがお父さまから譲り受けたもの。大の釣り好きであるお父さまが、そもそもはご自身用に購入した個体である。

というかお父さまのお父さま、つまりおかまりさんのお祖父さまも大の釣り好きだったそうで、おかまりさんの少女時代は「しょっちゅう家族3代連れ立って釣りに行ってました(笑)」という。

デリカ▲コレクションしているフライとルアーの一部。幼い頃から親しんだフライは自身で制作することも多いそう

「この車で釣りに行くようになってから10年ぐらいたちましたが、この10年間、釣りの現場で『困った』という経験が一度もないんですよ。デリカD:5という車がなんでも積めて、どこにでも行けちゃう1台だから……なんでしょうね。デリカD:5が“最強の釣車”かどうかはわかりませんが、最強に近い1台であることは間違いないのかも? とは思ってます」

釣り場で発揮されるデリカの万能性

おかまりさんが語る三菱 デリカD:5の「釣車としての美点」は以下のとおりだ。

まずは前述のとおり悪路走破性能に優れる車であるため、かなりのガタガタ道であっても、安心して川岸近くまで乗っていくことができる。

デリカ▲フロントリップのセンターを上げ、未舗装路のわだちをかわせるようにチューニング済み

そして程よく大柄なサイズであるため、オールジャンルの釣りに必要なタックルを――例えばそこそこ大きな「Jackery」のポータブルバッテリーなども含めて――心置きなく積み込むことができる。

で、オールジャンルの釣りに必要なタックルを積んでもまだ車内のスペースには余裕があるため、これまた心置きなくゆったりと1~2名で車中泊ができる。

デリカ▲ラゲージスペースには折りたたみベンチを活用して2段にし、積載性をアップ
デリカ▲車中泊時は荷室をそのままに、助手席と2列目シートを使用して寝床にしている

だが、それでいて「程よく大柄」程度のサイズ感でしかないため、渓流近くのタイトな道でもまったく邪魔にならない――という、オールジャンル系アングラーであるおかまりさんにとっては「まさにいいことずくめ」な1台なのだ。

「小さな車と違って『車中泊をするスペースを捻出するためにタックルの量と種類を減らす』みたいな必要がありませんし、それでいて車の前側は短いから、狭い場所へもラクに入っていけます。父の代から使っている車なので、走行距離はもう10万kmを超えました。でもぜんぜん壊れないし、乗れば乗るほど愛着も湧いてくる車なので――たぶん本当に朽ち果てるまでは、この車で釣りに行き続けるんじゃないかと思いますね」

デリカ

いろいろ考えて音楽活動を辞めた後は、IT系企業に営業職として就職し、その世界でも活躍していたおかまりさんではあった。だが「やっぱり“釣り”を自分の人生の中心軸にしたい!」との思いが募り、専業アングラーへと“転職”した。

その転職が成功した理由は、もちろん岡田万里奈さんの釣りに対する飽くなき探究心と鍛錬、そして愛ゆえではある。だが、三菱 デリカD:5という稀有な万能車の存在も、転職成功のひとつの要因であったような気がしてならない。

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文/伊達軍曹、編集部 写真/柳田由人
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。