釣りざんまいのアングラーが選んだ、どんなフィールドにもたどり着くタフな三菱 パジェロ
2023/09/12
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんな車と、どんな時間を?
愛車は釣りのギアのひとつ
幼少の頃、新潟の海辺の町に住んでいたという田沢さんは、よくお父さんに釣りに連れて行ってもらったという。高校の教員をしていた父親が早く帰って来られると、夕方だけでも連れ立って海に行った。
父に釣りの楽しさを教えてもらい、釣りが好きになった田沢少年は、途切れることなく釣りを続け、大学を卒業すると釣り雑誌の編集者になった。今や趣味も仕事も釣りという日々だ。
子供の頃から大学時代までエサ釣りに親しんできた田沢さんだが、就職してバス釣り雑誌に配属されたことを機に、釣り方の幅が広がった。
「ルアーは前にもやったことはありましたけど、どちらかというとエサ釣りが中心でした。最近では、ワカサギはエサで、それ以外は毛バリもたまにはやりますけど、ほとんどルアーですね」
砂浜で出会った釣りだがフィールドも広がり、今は海も湖も渓流にも赴く。
5年前にカローラフィールダーから乗り替えたという三菱 パジェロは釣行の欠かせない相棒で、自宅のある横浜から長野や西伊豆を中心に、淡路島や山形まで10万km以上走った。
荷室にはタックルの他、愛用の長靴が2足(普通の長靴とスパイク付き)に、「必ずしも釣果を持ち帰るわけではないけれど、ブリやカンパチなど思わぬいい魚が釣れたときのために」クーラーボックスが用意され、駐車場所から離れたポイントまで移動するためのフォールディングバイクまで積み込まれている。
運転席も助手席もバックレストを倒すだけでほぼフラットになるから、魚の活性が上がる朝マズメを釣り終えてから夕マズメまでの間に仮眠を取るのにもいい。そしてパジェロの一番の利点として、荒れた林道もぐいぐい踏み越える高い悪路走破性を挙げた。
憧れるのは「普通のキャンプ」
先月は長野県の木曽へと走り、20kg弱の荷物を背負って山の中を片道8時間歩いて、源流に生息するヤマトイワナの原種を求めた。
テント泊しながらの2泊3日の釣行だったが、「一緒に行った方が料理上手で、手際もいいし、道具も調味料も要領よく用意されていた」と感心しきり。
「自分1人で行くと毎食ラーメンとかで、ひたすら釣りって感じなんです。野外でこだわって料理をしたりしてみたいと思いましたね。でも、慣れないといらんものまで持って行った挙げ句にあれがないとかなりそうですけど」
そう言って笑う田沢さんに、これからパジェロでやってみたいことを聞くと、これまで過酷な釣行もこなしてきたアウトドアの達人にもかかわらず、「アウトドアっぽいことがしてみたい」と大真面目に答えるのだった。
「釣りのためのキャンプじゃなくて、もっとちゃんと普通の、遊びのキャンプがしてみたいです」
じつはこのパジェロ、「乗りづらい」と奥さまの評判は芳しくなく、スライドドアの車がいいと言われたりもするそうだ。
まだ管理釣り場にしか連れて行ったことがないという7歳のお子さんも楽しめるような、「アウトドアっぽいこと」ができるようになれば、パジェロと一緒にお父さんの評判も爆釣……なんてことになりそうな気もする。
▼検索条件
三菱 パジェロ(4代目) × 全国田沢さんのマイカーレビュー
パジェロ
●年式/2007年
●年間走行距離/約2万km
●マイカーの好きなところ/荒れた道でもOK、荷物が載る、車中泊もできる
●マイカーの愛すべきダメなところ/加速がよくない。燃費がよくない(街乗り5~6km/L、よくても10km/L)
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/外で遊ぶのが好きな人
ライター
竹井あきら
自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してからしばらく車を所有していなかったが、2021年春にプジョー 208 スタイルのMTを購入。近年は1馬力(乗馬)にも夢中。