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【スーパーカーにまつわる不思議を考える】ブームは2回あった!? 日本のスーパーカー市場の不思議さ
【スーパーカーにまつわる不思議を考える】ブームは2回あった!? 日本のスーパーカー市場の不思議さ
2022/05/14
▲2022年4月12日に世界初公開されたランボルギーニ ウラカン テクニカ。そのわずか10日後の4月22日には、アジアプレミアとして日本でもお披露目された。このことからも、ランボルギーニが日本市場をどれだけ重要視しているかがうかがえる
車好きであれば、スーパーカーブームという言葉や、かつてそんな現象が日本で起きていたことを知っている人は多いだろう。では起きた理由は? そして世界はそれをどう見ている? それを突きつめて考えていくと、日本がいかに変わったマーケットであったのかが、浮き彫りになってくる。
世界から見た不思議の国、スーパーカーが売れる日本
日本がスーパーカー・ワールドにおいて重要な位置にあることは間違いない。例えば、フェラーリ。昨年の日本における販売台数は1237台を記録した。あまりの爆買い模様に、モンテゼーモロ氏(フェラーリ会長)が「急激に販売数量を増やすのはいかがなものか?(欲しがるからって、誰にでも売るワケじゃないぞ!)」という驚きのコメントを公開した。あの中国ですら899台である。
これだけ景気低迷が深刻化しているにも関わらず立派なものだ。また、ランボルギーニのニューモデルとなるウラカン テクニカもアジア地区のお披露目は日本が最初であった。各スーパーカーメーカーは、日本のマーケットを戦略的にも重視し、大きなプライオリティを置いているのだ。
日本は小さな島国であるにも関わらず、かなりの販売台数が見込めるマーケットとみなされているが、ただ台数だけで評価されているわけではない。ご存じの人も多いと思うが、現在はSUVブーム真っ只中で、ポルシェをはじめ、ランボルギーニやマセラティなど多くのブランドでは、SUVの販売比率が極端に高くなっている。しかし、日本はそんな中でも、ポルシェで言えば911、ランボルギーニならアヴェンタドールなど、ブランドの顔ともいうべきモデルが良く売れている。
日本の顧客は、ブランドに対するロイヤリティが高いし、何より車のディテールをよく理解している。メーカーにとっては涙が出るほどうれしいマーケットなのだ。
こんな現状があるため、日本のスーパーカー市場は海外からはずっと謎とされている。
筆者も彼らからよく質問を受ける。80年代終わりのバブル経済で、高額なスーパーカーや世界中の希少なクラシックカーが軒並み日本国内に吸い込まれていったが、それらの車はどんな使われ方をしたのか? 買ったのは誰か? それらの車たちは、バブル崩壊とともにまた海外へ戻っていったのだが、なぜ日本にあった車は程度の良いものが多いのか? そしてそんな紆余曲折を経ながらも、日本はなぜ重要なマーケットとして現在も位置付けられているのか? 確かにそれは不思議そのもの。そう思われても致し方ない。
▲ランボルギーニ カウンタックやフェラーリ BBと並び、スーパーカーブームの中心となった911ターボ(930型)。ポルシェブランドにおいても、日本は911やボクスターなどのスポーツモデルの販売比率が高い、珍しい市場となっている
▲ランボルギーニは2021年に、過去最高の販売台数、売上高、利益率を記録した。販売台数は13%、売り上げは19%、営業利益は20.2%がそれぞれ増加。アジア太平洋も14%増と世界全体でお祭り状態になっている。そりゃ日本でやたらとウラカンを見かけるわけだ……
忘れられがちな事実、ブームを支えたのは子供である
そもそも1970年代後半まで、日本のスーパーカー市場は極めて小さかった。フェラーリの日本における存在感アップに大きく寄与したコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドが、その代理店となったのもそれほど昔のことではなく、1976年のことだ。そして、まさにその頃、日本において不思議なスーパーカーブームがその頂点を迎えようとしていた。
とにかく、このスーパーカーブームのパワーはすごかった。1975年あたりから1979年頃までの間に週刊少年ジャンプに連載された池沢さとしの漫画『サーキットの狼(集英社)』がきっかけとなり、大ブレークしたことは皆さんもご存じであろう。
スーパーカー消しゴムやミニカーなどのアイテムが爆発的に売れ、各地でスーパーカーが展示され、走行シーンを眺めたり、助手席に同乗できたりというイベントが大人気であった。商才ある自動車関係者は、これまでまったく日本では売れていなかったスーパーカーを急遽輸入した。そしてアイドルを発掘した芸能プロダクションのように、イベントのために車を時間単位で貸し出しさせて大儲けをしたのだ。
一方で、その当時はまさに自動車業界にとっては悪夢の時代であった。排気ガス規制や各種安全規制の施行が実施され、極めつけにオイルショックが襲った。モデナのスーパーカー業界は壊滅状態であったのだ。そんな時期に、今まで全く存在感のなかった日本からいきなり注文が入り出したわけで、当地ではこの急な展開にどう対応してよいものか、大いに困惑したと、セールスマネージャーたちは証言している。
メーカーやブローカーたちは、ここぞとばかりに日本へスーパーカーを売り込んだわけだが、程なくしてこのブームは消滅した。それとともにステージで輝いていたスーパーカーというアイドルたちは見向きもされなくなり、捨て値で販売された。そもそもこれらスーパーカー自体、注目したのは子供たちだった。だから日本でそれを手に入れようとする顧客層は極めて少なかった。街中を走るには乗り心地も悪いし、ステアリングも重い。エンジンはすぐカブるし、そもそもエンジンをかけるのですら一仕事だったりした。当時、多くの顧客が欲しがったのはスーパーカーよりも、どちらかといえばアメ車であったのだ。
▲スーパーカーといえばこちら、フェラーリ 365GT4/BB。ランボルギーニ カウンタックLP400との「最高速合戦」は、日本の「子供たち」を熱狂させた。その熱は数十年後に別のカタチで再燃することとなる
バブル期に世界を脅かせた日本マーケット
しかし、そのスーパーカーという存在は、間違いなく多感な子供時代に彼らの心に刷り込まれていた。ヨーロッパにも北米にもスーパーカーマニアの子供たちはもちろん存在した。ベッドの天井にプレイボーイ誌のピンナップガールたちと一緒に、カウンタックやデイトナのポスターを貼り付けて憧れたのだ。
しかし、日本のスーパーカーブームのようにカウンタックのホイールベースの長さまで暗記する勉強家は彼らのごく一部であったし、誰もがスーパーカーに関心を持ったわけではなかった。特にヨーロッパではいくら趣味のものであろうと、自分の生活のレベルの中に釣り合うかどうかを考えるのがスマートと当時は考えられていた。その車が経済的に入手できたとしても、その車の格に自分が合うかどうかを冷静に考えるところがあった。ところが、日本のスーパーカーブームによって、スペックからスーパーカーを刷り込まれた元子供たちにとってそんなことは関係ない。
1980年代後半から90年代初頭にかけては、日本の経済活動を狂わせたバブル景気の時代となった。強い経済力の後押しもあり、20代の青年が、何十回ものローンを使い、収入のすべてを車に投入し、スーパーカーを手に入れようとした者も少なからず存在した。それは、日本におけるもうひとつのスーパーカーブームでもあった。
バブル景気スーパーカーブームは、実際の購買力を持った「オトナ」のブームであったからその狂乱ぶりもすさまじかった。この第2次スーパーカーブームも、第1次ブームの洗礼を受けた世代という仕込みがあったために起こりえた日本独自のブームだった。つくづく日本は変な国だと思われているはずである。突然、スーパーカーを大挙して買いに来たかと思えば、急に彼らは姿を消し、またしばらくすると、以前にも増して物すごい勢いで再び買い漁ったのだから。さらに、そのDNAは現在にも受け継がれ、多くのスーパーカーが売れている。海外の関係者が理解に苦しむのも、もっともなのである。
▲バブル期に日本を沸かせたのはやっぱりフェラーリ勢。有名人やスポーツ選手がフェラーリを買い求め、プレミア価格に。億を超える個体も珍しくなかった。代表的な存在はテスタロッサ、そして写真のF40などとなる
文/越湖信一、写真/岡村昌宏、Ferrari NV、Lamborghini SpA、Porsche AG
新型コロナがまん延する前は、年間の大半をイタリアで過ごしていた自動車ジャーナリスト。モデナ、トリノの多くの自動車関係者と深いつながりを持つ。マセラティ・クラブ・オブ・ジャパンの代表を務め、現在は会長職に。著書に「フェラーリ・ランボルギーニ・マセラティ 伝説を生み出すブランディング」「Maserati Complete Guide Ⅱ」などがある。
【関連リンク】
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[description] => 半導体不足などで新車のデリバリーが大幅に遅れているメーカーが多い中、イタリアの高級ブランドは軒並み絶好調である。フェラーリ、ランボルギーニ、マセラティといった高級車、スーパーカービジネスを展開する各社の今、そしてビジネス成功の鍵を探る。
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<p>車好きであれば、スーパーカーブームという言葉や、かつてそんな現象が日本で起きていたことを知っている人は多いだろう。では起きた理由は? そして世界はそれをどう見ている? それを突きつめて考えていくと、日本がいかに変わったマーケットであったのかが、浮き彫りになってくる。<br />
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<h3>世界から見た不思議の国、スーパーカーが売れる日本</h3>
<p>日本がスーパーカー・ワールドにおいて重要な位置にあることは間違いない。例えば、フェラーリ。昨年の日本における販売台数は1237台を記録した。あまりの爆買い模様に、モンテゼーモロ氏(フェラーリ会長)が「急激に販売数量を増やすのはいかがなものか?(欲しがるからって、誰にでも売るワケじゃないぞ!)」という驚きのコメントを公開した。あの中国ですら899台である。<br />
<br />
これだけ景気低迷が深刻化しているにも関わらず立派なものだ。また、ランボルギーニのニューモデルとなるウラカン テクニカもアジア地区のお披露目は日本が最初であった。各スーパーカーメーカーは、日本のマーケットを戦略的にも重視し、大きなプライオリティを置いているのだ。<br />
<br />
日本は小さな島国であるにも関わらず、かなりの販売台数が見込めるマーケットとみなされているが、ただ台数だけで評価されているわけではない。ご存じの人も多いと思うが、現在はSUVブーム真っ只中で、ポルシェをはじめ、ランボルギーニやマセラティなど多くのブランドでは、SUVの販売比率が極端に高くなっている。しかし、日本はそんな中でも、ポルシェで言えば911、ランボルギーニならアヴェンタドールなど、ブランドの顔ともいうべきモデルが良く売れている。<br />
<br />
日本の顧客は、ブランドに対するロイヤリティが高いし、何より車のディテールをよく理解している。メーカーにとっては涙が出るほどうれしいマーケットなのだ。<br />
<br />
こんな現状があるため、日本のスーパーカー市場は海外からはずっと謎とされている。<br />
<br />
筆者も彼らからよく質問を受ける。80年代終わりのバブル経済で、高額なスーパーカーや世界中の希少なクラシックカーが軒並み日本国内に吸い込まれていったが、それらの車はどんな使われ方をしたのか? 買ったのは誰か? それらの車たちは、バブル崩壊とともにまた海外へ戻っていったのだが、なぜ日本にあった車は程度の良いものが多いのか? そしてそんな紆余曲折を経ながらも、日本はなぜ重要なマーケットとして現在も位置付けられているのか? 確かにそれは不思議そのもの。そう思われても致し方ない。<br />
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<div class="taC w600_img mB10"><img alt="ランボルギーニ" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66611/002.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲ランボルギーニは2021年に、過去最高の販売台数、売上高、利益率を記録した。販売台数は13%、売り上げは19%、営業利益は20.2%がそれぞれ増加。アジア太平洋も14%増と世界全体でお祭り状態になっている。そりゃ日本でやたらとウラカンを見かけるわけだ……</span></div>
<h3>忘れられがちな事実、ブームを支えたのは子供である</h3>
<p>そもそも1970年代後半まで、日本のスーパーカー市場は極めて小さかった。フェラーリの日本における存在感アップに大きく寄与したコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドが、その代理店となったのもそれほど昔のことではなく、1976年のことだ。そして、まさにその頃、日本において不思議なスーパーカーブームがその頂点を迎えようとしていた。<br />
<br />
とにかく、このスーパーカーブームのパワーはすごかった。1975年あたりから1979年頃までの間に週刊少年ジャンプに連載された池沢さとしの漫画『サーキットの狼(集英社)』がきっかけとなり、大ブレークしたことは皆さんもご存じであろう。<br />
<br />
スーパーカー消しゴムやミニカーなどのアイテムが爆発的に売れ、各地でスーパーカーが展示され、走行シーンを眺めたり、助手席に同乗できたりというイベントが大人気であった。商才ある自動車関係者は、これまでまったく日本では売れていなかったスーパーカーを急遽輸入した。そしてアイドルを発掘した芸能プロダクションのように、イベントのために車を時間単位で貸し出しさせて大儲けをしたのだ。<br />
<br />
一方で、その当時はまさに自動車業界にとっては悪夢の時代であった。排気ガス規制や各種安全規制の施行が実施され、極めつけにオイルショックが襲った。モデナのスーパーカー業界は壊滅状態であったのだ。そんな時期に、今まで全く存在感のなかった日本からいきなり注文が入り出したわけで、当地ではこの急な展開にどう対応してよいものか、大いに困惑したと、セールスマネージャーたちは証言している。<br />
<br />
メーカーやブローカーたちは、ここぞとばかりに日本へスーパーカーを売り込んだわけだが、程なくしてこのブームは消滅した。それとともにステージで輝いていたスーパーカーというアイドルたちは見向きもされなくなり、捨て値で販売された。そもそもこれらスーパーカー自体、注目したのは子供たちだった。だから日本でそれを手に入れようとする顧客層は極めて少なかった。街中を走るには乗り心地も悪いし、ステアリングも重い。エンジンはすぐカブるし、そもそもエンジンをかけるのですら一仕事だったりした。当時、多くの顧客が欲しがったのはスーパーカーよりも、どちらかといえばアメ車であったのだ。<br />
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<h3>バブル期に世界を脅かせた日本マーケット</h3>
<p>しかし、そのスーパーカーという存在は、間違いなく多感な子供時代に彼らの心に刷り込まれていた。ヨーロッパにも北米にもスーパーカーマニアの子供たちはもちろん存在した。ベッドの天井にプレイボーイ誌のピンナップガールたちと一緒に、カウンタックやデイトナのポスターを貼り付けて憧れたのだ。<br />
<br />
しかし、日本のスーパーカーブームのようにカウンタックのホイールベースの長さまで暗記する勉強家は彼らのごく一部であったし、誰もがスーパーカーに関心を持ったわけではなかった。特にヨーロッパではいくら趣味のものであろうと、自分の生活のレベルの中に釣り合うかどうかを考えるのがスマートと当時は考えられていた。その車が経済的に入手できたとしても、その車の格に自分が合うかどうかを冷静に考えるところがあった。ところが、日本のスーパーカーブームによって、スペックからスーパーカーを刷り込まれた元子供たちにとってそんなことは関係ない。<br />
<br />
1980年代後半から90年代初頭にかけては、日本の経済活動を狂わせたバブル景気の時代となった。強い経済力の後押しもあり、20代の青年が、何十回ものローンを使い、収入のすべてを車に投入し、スーパーカーを手に入れようとした者も少なからず存在した。それは、日本におけるもうひとつのスーパーカーブームでもあった。<br />
<br />
バブル景気スーパーカーブームは、実際の購買力を持った「オトナ」のブームであったからその狂乱ぶりもすさまじかった。この第2次スーパーカーブームも、第1次ブームの洗礼を受けた世代という仕込みがあったために起こりえた日本独自のブームだった。つくづく日本は変な国だと思われているはずである。突然、スーパーカーを大挙して買いに来たかと思えば、急に彼らは姿を消し、またしばらくすると、以前にも増して物すごい勢いで再び買い漁ったのだから。さらに、そのDNAは現在にも受け継がれ、多くのスーパーカーが売れている。海外の関係者が理解に苦しむのも、もっともなのである。<br />
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<p>新型コロナがまん延する前は、年間の大半をイタリアで過ごしていた自動車ジャーナリスト。モデナ、トリノの多くの自動車関係者と深いつながりを持つ。マセラティ・クラブ・オブ・ジャパンの代表を務め、現在は会長職に。著書に「フェラーリ・ランボルギーニ・マセラティ 伝説を生み出すブランディング」「Maserati Complete Guide Ⅱ」などがある。</p>
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[title] => 【スーパーカーにまつわる不思議を考える】ブームは2回あった!? 日本のスーパーカー市場の不思議さ
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[description] => 半導体不足などで新車のデリバリーが大幅に遅れているメーカーが多い中、イタリアの高級ブランドは軒並み絶好調である。フェラーリ、ランボルギーニ、マセラティといった高級車、スーパーカービジネスを展開する各社の今、そしてビジネス成功の鍵を探る。
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<div class="taC w600_img"><img alt="ランボルギーニ ウラカン テクニカ" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66611/000.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲2022年4月12日に世界初公開されたランボルギーニ ウラカン テクニカ。そのわずか10日後の4月22日には、アジアプレミアとして日本でもお披露目された。このことからも、ランボルギーニが日本市場をどれだけ重要視しているかがうかがえる</span></div>
<p>車好きであれば、スーパーカーブームという言葉や、かつてそんな現象が日本で起きていたことを知っている人は多いだろう。では起きた理由は? そして世界はそれをどう見ている? それを突きつめて考えていくと、日本がいかに変わったマーケットであったのかが、浮き彫りになってくる。<br />
</p>
<h3>世界から見た不思議の国、スーパーカーが売れる日本</h3>
<p>日本がスーパーカー・ワールドにおいて重要な位置にあることは間違いない。例えば、フェラーリ。昨年の日本における販売台数は1237台を記録した。あまりの爆買い模様に、モンテゼーモロ氏(フェラーリ会長)が「急激に販売数量を増やすのはいかがなものか?(欲しがるからって、誰にでも売るワケじゃないぞ!)」という驚きのコメントを公開した。あの中国ですら899台である。<br />
<br />
これだけ景気低迷が深刻化しているにも関わらず立派なものだ。また、ランボルギーニのニューモデルとなるウラカン テクニカもアジア地区のお披露目は日本が最初であった。各スーパーカーメーカーは、日本のマーケットを戦略的にも重視し、大きなプライオリティを置いているのだ。<br />
<br />
日本は小さな島国であるにも関わらず、かなりの販売台数が見込めるマーケットとみなされているが、ただ台数だけで評価されているわけではない。ご存じの人も多いと思うが、現在はSUVブーム真っ只中で、ポルシェをはじめ、ランボルギーニやマセラティなど多くのブランドでは、SUVの販売比率が極端に高くなっている。しかし、日本はそんな中でも、ポルシェで言えば911、ランボルギーニならアヴェンタドールなど、ブランドの顔ともいうべきモデルが良く売れている。<br />
<br />
日本の顧客は、ブランドに対するロイヤリティが高いし、何より車のディテールをよく理解している。メーカーにとっては涙が出るほどうれしいマーケットなのだ。<br />
<br />
こんな現状があるため、日本のスーパーカー市場は海外からはずっと謎とされている。<br />
<br />
筆者も彼らからよく質問を受ける。80年代終わりのバブル経済で、高額なスーパーカーや世界中の希少なクラシックカーが軒並み日本国内に吸い込まれていったが、それらの車はどんな使われ方をしたのか? 買ったのは誰か? それらの車たちは、バブル崩壊とともにまた海外へ戻っていったのだが、なぜ日本にあった車は程度の良いものが多いのか? そしてそんな紆余曲折を経ながらも、日本はなぜ重要なマーケットとして現在も位置付けられているのか? 確かにそれは不思議そのもの。そう思われても致し方ない。<br />
</p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="ポルシェ 911ターボ(930型)" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66611/001.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲ランボルギーニ カウンタックやフェラーリ BBと並び、スーパーカーブームの中心となった911ターボ(930型)。ポルシェブランドにおいても、日本は911やボクスターなどのスポーツモデルの販売比率が高い、珍しい市場となっている</span></div>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="ランボルギーニ" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66611/002.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲ランボルギーニは2021年に、過去最高の販売台数、売上高、利益率を記録した。販売台数は13%、売り上げは19%、営業利益は20.2%がそれぞれ増加。アジア太平洋も14%増と世界全体でお祭り状態になっている。そりゃ日本でやたらとウラカンを見かけるわけだ……</span></div>
<h3>忘れられがちな事実、ブームを支えたのは子供である</h3>
<p>そもそも1970年代後半まで、日本のスーパーカー市場は極めて小さかった。フェラーリの日本における存在感アップに大きく寄与したコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドが、その代理店となったのもそれほど昔のことではなく、1976年のことだ。そして、まさにその頃、日本において不思議なスーパーカーブームがその頂点を迎えようとしていた。<br />
<br />
とにかく、このスーパーカーブームのパワーはすごかった。1975年あたりから1979年頃までの間に週刊少年ジャンプに連載された池沢さとしの漫画『サーキットの狼(集英社)』がきっかけとなり、大ブレークしたことは皆さんもご存じであろう。<br />
<br />
スーパーカー消しゴムやミニカーなどのアイテムが爆発的に売れ、各地でスーパーカーが展示され、走行シーンを眺めたり、助手席に同乗できたりというイベントが大人気であった。商才ある自動車関係者は、これまでまったく日本では売れていなかったスーパーカーを急遽輸入した。そしてアイドルを発掘した芸能プロダクションのように、イベントのために車を時間単位で貸し出しさせて大儲けをしたのだ。<br />
<br />
一方で、その当時はまさに自動車業界にとっては悪夢の時代であった。排気ガス規制や各種安全規制の施行が実施され、極めつけにオイルショックが襲った。モデナのスーパーカー業界は壊滅状態であったのだ。そんな時期に、今まで全く存在感のなかった日本からいきなり注文が入り出したわけで、当地ではこの急な展開にどう対応してよいものか、大いに困惑したと、セールスマネージャーたちは証言している。<br />
<br />
メーカーやブローカーたちは、ここぞとばかりに日本へスーパーカーを売り込んだわけだが、程なくしてこのブームは消滅した。それとともにステージで輝いていたスーパーカーというアイドルたちは見向きもされなくなり、捨て値で販売された。そもそもこれらスーパーカー自体、注目したのは子供たちだった。だから日本でそれを手に入れようとする顧客層は極めて少なかった。街中を走るには乗り心地も悪いし、ステアリングも重い。エンジンはすぐカブるし、そもそもエンジンをかけるのですら一仕事だったりした。当時、多くの顧客が欲しがったのはスーパーカーよりも、どちらかといえばアメ車であったのだ。<br />
</p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="フェラーリ 365GT4/BB" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66611/003.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲スーパーカーといえばこちら、フェラーリ 365GT4/BB。ランボルギーニ カウンタックLP400との「最高速合戦」は、日本の「子供たち」を熱狂させた。その熱は数十年後に別のカタチで再燃することとなる</span></div>
<h3>バブル期に世界を脅かせた日本マーケット</h3>
<p>しかし、そのスーパーカーという存在は、間違いなく多感な子供時代に彼らの心に刷り込まれていた。ヨーロッパにも北米にもスーパーカーマニアの子供たちはもちろん存在した。ベッドの天井にプレイボーイ誌のピンナップガールたちと一緒に、カウンタックやデイトナのポスターを貼り付けて憧れたのだ。<br />
<br />
しかし、日本のスーパーカーブームのようにカウンタックのホイールベースの長さまで暗記する勉強家は彼らのごく一部であったし、誰もがスーパーカーに関心を持ったわけではなかった。特にヨーロッパではいくら趣味のものであろうと、自分の生活のレベルの中に釣り合うかどうかを考えるのがスマートと当時は考えられていた。その車が経済的に入手できたとしても、その車の格に自分が合うかどうかを冷静に考えるところがあった。ところが、日本のスーパーカーブームによって、スペックからスーパーカーを刷り込まれた元子供たちにとってそんなことは関係ない。<br />
<br />
1980年代後半から90年代初頭にかけては、日本の経済活動を狂わせたバブル景気の時代となった。強い経済力の後押しもあり、20代の青年が、何十回ものローンを使い、収入のすべてを車に投入し、スーパーカーを手に入れようとした者も少なからず存在した。それは、日本におけるもうひとつのスーパーカーブームでもあった。<br />
<br />
バブル景気スーパーカーブームは、実際の購買力を持った「オトナ」のブームであったからその狂乱ぶりもすさまじかった。この第2次スーパーカーブームも、第1次ブームの洗礼を受けた世代という仕込みがあったために起こりえた日本独自のブームだった。つくづく日本は変な国だと思われているはずである。突然、スーパーカーを大挙して買いに来たかと思えば、急に彼らは姿を消し、またしばらくすると、以前にも増して物すごい勢いで再び買い漁ったのだから。さらに、そのDNAは現在にも受け継がれ、多くのスーパーカーが売れている。海外の関係者が理解に苦しむのも、もっともなのである。<br />
</p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="フェラーリ F40" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66611/004.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲バブル期に日本を沸かせたのはやっぱりフェラーリ勢。有名人やスポーツ選手がフェラーリを買い求め、プレミア価格に。億を超える個体も珍しくなかった。代表的な存在はテスタロッサ、そして写真のF40などとなる</span></div>
<div class="author2019">文/越湖信一、写真/岡村昌宏、Ferrari NV、Lamborghini SpA、Porsche AG</div>
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<div class="konokiji_box">
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<figure class="konokiji_face"><img alt="越湖信一" height="200" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66441/ekko.jpg" width="200" /></figure>
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<div class="konokiji_box_right">
<p class="katagaki">自動車ジャーナリスト</p>
<p class="writername">越湖信一</p>
</div>
</div>
<div class="konokiji_box_text">
<p>新型コロナがまん延する前は、年間の大半をイタリアで過ごしていた自動車ジャーナリスト。モデナ、トリノの多くの自動車関係者と深いつながりを持つ。マセラティ・クラブ・オブ・ジャパンの代表を務め、現在は会長職に。著書に「フェラーリ・ランボルギーニ・マセラティ 伝説を生み出すブランディング」「Maserati Complete Guide Ⅱ」などがある。</p>
</div>
<div class="kijiyomu">
<p><a class="iconLink arrowRight" href="https://www.carsensor.net/contents/tag/tag_3210//">この人の記事を読む</a></p>
</div>
</div>
</div>
<!--ライター紹介パーツ終了-->
<h3 class="link_tit">【関連リンク】</h3>
<ul class="Base_Templete_Link3">
<li><a href="https://www.carsensor.net/contents/editor/category_1471/_66556.html" target="_blank">前回の記事はこちら</a></li>
<li><a href="https://www.carsensor-edge.net/?fed=contnikkan_edgec20201106001ie" target="_blank">カーセンサーEDGE.netはこちら</a></li>
</ul>
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[title] => BMWの直列6気筒エンジンが高く評価される理由は、その歴史と哲学にあり!
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[description] => シルキーシックスという呼び名でも知られるBMWの直列6気筒エンジン。3シリーズや5シリーズ、もっと小さい1シリーズなどの一般的な市販グレードはもちろん、多くのMモデルにも搭載されてきた
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<div class="taC w600_img"><img alt="BMW M3(E46型)" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66580/000.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲シルキーシックスという呼び名でも知られるBMWの直列6気筒エンジン。3シリーズや5シリーズ、もっと小さい1シリーズなどの一般的な市販グレードはもちろん、多くのMモデルにも搭載されてきた。写真はE46型のM3が搭載していたM54型ユニット</span></div>
<h3>元航空機エンジンメーカーの伝統が色濃く残る直6</h3>
<p>どんなに良いエンジンであっても、環境やレギュレーションの変更がある以上、そのままの状態で生産し続けることはできない。<br />
<br />
エンジンフードとエンジンのクリアランス確保のためにV型構造にボンネットを低くしたり、クラッシャブルゾーンを稼ぐためにエンジンを短くしなければいけないこともある。エンジン単体を短くすることが目的でV型に変更することだってある。<br />
<br />
自動車メーカーは、時と場合によっては内燃機関の歴史や哲学を覆してでも、随時レギュレーションに対応しているのだ。 しかし、それらの理由で長年培われたブランドのアイデンティティであるフロントマスクやボディのデザインに変化が生じてしまうこともある。ただひとつの自動車メーカーを除いては……。バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケことBMWである。<br />
<br />
ここまで内燃機関に対する自分たちの哲学を貫き通している会社はない。「ポルシェは?」と思う方もいるだろうが、あちらは特別なスポーツモデルに特化したブランドだ。BMWのような、普通乗用車用として直列6気筒を作り続けているメーカーとはちょっと異なる。<br />
<br />
そして、BMWの象徴ともいえるのが、その直列6気筒エンジンである。直列6気筒というのは、複雑な機構を伴わずして最高のパフォーマンスを発揮できる構造となっている。この最高のパフォーマンスとは、スムーズで振動を打ち消す高いパッケージングの基本が備わっているということだ。そして、振動は車両の様々な部分にも少なからず負荷を与えてしまう。また、ドライバーや乗員の身体にも振動が絶えず伝わっていては快適ではない。振動によって苦しむのは、機械も人も同様なのである。高級モデルが6気筒以上の多気筒化をしている理由のひとつが、まさにこの振動問題なのである。<br />
</p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="BMW" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66580/001.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲BMWは、元々航空機のエンジンを作っていた会社。その後に二輪、四輪車を生産していったというエピソードはあまりにも有名。シンプルで壊れない、信頼性の高い高性能エンジンを作る伝統はこの頃から育まれている</span></div>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="BMW 328ロードスター" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66580/002.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲BMW初の直列6気筒であるM328を積んでいたのが、数々のレースで好成績を収めた328ロードスター。1936年から1940年まで生産された、BMW史に残る名ロードスターモデルである</span></div>
<p>ではなぜBMWは、この直列6気筒エンジンを作るのが上手いのだろうか。<br />
<br />
BMWは理論的に素性の良い部分を磨き、技術の信頼性を向上させてきた歴史がある。それは故障が許されない航空機用の直列6気筒を作ってきた頃から変わらない。BMW=6気筒のイメージが強いゆえんのひとつであろう。<br />
<br />
そして、BMWは1916年から現在まで直列6気筒を作り続けている。つまり、100年以上前から内燃機関と向き合い、世界のレギュレーション、環境の変化に対応しながら直列6気筒の進化に磨きをかけてきたということだ。<br />
<br />
直列6気筒エンジンには弱手もある。まずエンジン全長が長く、しかもシリンダーが垂直なためにエンジンフードを低くすることが難しい。これが理由でエンジン方式を方向転換する自動車メーカーもあったのだ。ところが、安易に直列式を捨てずに基礎を変えないのがBMWだ。エンジンフードのデザインを工夫し、エンジンの位置を後ろに持っていくプラットフォームの採用により、運動性能とスタイリングに寄与させたのだ。こうした独自の設計理念によってBMWらしいスタイリングが完成したといえるのである。<br />
<br />
自動車用として高性能直列6気筒を作ったのが1936年。そのユニットをM328という。このエンジンは航空機技術を導入し、シリンダーヘッドとブロックはともにオールアルミで作られていた。<br />
<br />
BMWがエンジン屋として高く評価され続ける理由は、かつての名エンジンを源流とし、それを現代まで強い意志で継承し続けている点にあるのだ。<br />
</p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="BMW 635CSi" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66580/003.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲シルキーシックスという言葉や「BMW=直列6気筒」のイメージを世界に広めたのが、1976年に発売された6シリーズの上位グレードである635CSi。搭載された3.5Lエンジンはビッグシックスまたはビッグシルキーと呼ばれ、今も高い評価を得ている</span></div>
<div class="sarch_col">
<div class="FAIR_btn3"><a href="https://www.carsensor.net/usedcar/bBM/s020/index.html?ROUTEID=edge&SORT=4" target="_blank">BMW 6シリーズの中古車を探す</a></div>
<h4>▼検索条件</h4>
BMW 6シリーズ × 古い順 × 全国</div>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="BMW 3シリーズ(E90型)" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66580/004.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲現在もカーセンサーEDGE.netで多数の直列6気筒搭載モデルを検索できるが、2000年代のモデルなら比較的リーズナブルに手に入れることも可能。写真は最後の自然吸気直列6気筒を搭載していたE90型3シリーズで、車両本体価格50万円台から探すことができる</span></div>
<div class="sarch_col">
<div class="FAIR_btn3"><a href="https://www.carsensor.net/usedcar/search.php?STID=CS210610&ROUTEID=edge&CARC=BM_S011&FMCC=BM_S011_F003" target="_blank">BMW 3シリーズ(E90型)の中古車を探す</a></div>
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<div class="taC w600_img mB10"><img alt="現行BMW M4クーペ" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66580/005.jpg" width="600" /><span class="CP_txt">▲最新のM3やM4に搭載される直列6気筒はターボ化され、最高出力は510psにまで高められている。世界が効率化を求める中、愚直に直列6気筒に磨きをかけ続ける。それが、BMWというブランドのアイデンティティなのである</span></div>
<div class="sarch_col">
<div class="FAIR_btn3"><a href="https://www.carsensor.net/usedcar/search.php?STID=CS210610&ROUTEID=edge&CARC=BM_S047&FMCC=BM_S047_F002" target="_blank">現行BMW M4クーペの中古車を探す</a></div>
<h4>▼検索条件</h4>
現行BMW M4クーペ × 全国</div>
<div class="author2019">文/松本英雄、写真/デレック槇島、BMW AG</div>
<h3 class="link_tit">【関連リンク】</h3>
<ul class="Base_Templete_Link3">
<li><a href="https://www.carsensor-edge.net/?fed=contnikkan_edgec20201106001ie" target="_blank">カーセンサーEDGE.netはこちら</a></li>
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[title] => シトロエン XMを溺愛するカメラマンが選んだ、1日でも長く乗るための“2台持ち”という作戦
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[description] => 車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。シトロエン XMを普段使いするカメラマン|
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<div class="taC w600_img"><img alt="シトロエン XM" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66601/Z72_8788.jpg" width="600" /></div>
<p><spam class="text-bold-backorange">【連載:どんなクルマと、どんな時間を。】</spam><br />
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?<br /><br /></p>
<ul class="Base_Templete_Link3">
<li><a href="//www.carsensor.net/contents/tag/tag_2870/?fed=contnikkancs_20170608_ic20170608001ie" target="_blank">過去の記事はこちら</a></li>
</ul>
<h3>見た瞬間に電気が走った</h3>
<p>何らかのデータに基づく事実ではなく、あくまで都市伝説レベルの話ではある。だが、「宇宙で一番壊れやすい」とされる車の東横綱がイタリアのランチア デルタ インテグラーレだとするならば、西横綱はフランスのシトロエン XMということになるだろうか。<br />
<br />
1989年から2000年にかけてのシトロエン社のフラッグシップである。<br />
<br />
そんなシトロエン XMに、なんと都合4台も乗り継いでいるのが、宇宙で一番遅刻が許されない職業とされている(?)フリーカメラマンの岡村智明さんだ。<br />
<br />
駆け出しカメラマンだった26歳のとき、初めての愛車としてデーウのマティスという超小型車を買い、その後シトロエンのエグザンティアブレークというステーションワゴンに乗り替えた。<br />
<br />
そして、エグザンティアブレークに撮影機材を積んで現場まで行く途中にたまたま見かけ、「なな、なんて美しい車なんだ!」と魂ごと持っていかれたのが、シトロエン XMだった。今から19年前、2003年のことである。<br /><br />
</p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="シトロエン XM" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66601/Z72_8665.jpg" /><span class="CP_txt">▲カメラバッグや長物の荷物も積載し仕事現場へ向かう</span></div>
<h3>仕事道具としてのXM</h3>
<p>さっそく中古で購入したXMでは、3年間で約11万kmを走った。1年あたりの走行距離は8000kmから1万kmほどが平均的だとされているが、岡村さんの当時の走行距離は1年あたり約3万7000km。<br />
<br />
なぜそんなにも距離が延びたかといえば、撮影現場まで行く足として、常にシトロエン XMを使用していたからだ。<br />
<br />
「XMのデザインも、乗り味も、とにかく僕にとってはドンピシャなんです。7時間から8時間ほどの長時間撮影をしてヘトヘトになっても、XMを運転して帰れば、いつの間にか疲れが取れてしまう」<br />
<br />
「そして撮影現場も、遠ければ遠いほどうれしいんです。遠ければ、その分だけ長い時間XMを運転していられますから(笑)」<br />
<br />
酷使というのか愛用というのか、とにかくそのように使っているうちに、最初に購入したXMは前述のとおり、たったの3年で約11万kmを走るに至った。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="シトロエン XM" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66601/Z72_8478.jpg" /><span class="CP_txt">▲現在所有するのは岡村さんにとって通算3台目のXM(初代・エクスクルーシヴ)</span></div>
<h3>乗り継ぎ乗り継ぎで現在の3台目に</h3>
<p>しかし、車というのは11万kmも走ればあちこちがお疲れになるのは当然のことで、岡村さんの初号機もあるとき、エアコンやドライブシャフトなどの“大物”が同時に壊れてしまった。<br />
<br />
そのため京都の専門店で見つけた同型車に買い替え、途中1回のATオーバーホールを含みながらも約8年間、約32万kmの距離を「2台目のシトロエン XM」で走破した。<br />
<br />
しかし、車というのは32万kmも走れば……(以下同文)なので、2014年に「3台目のXM」として買い替えたのが、現在乗っている1998年式のシトロエン XM エクスクルーシヴだ。<br />
<br />
「で、トルクフルな3L V6エンジンを積んでいるXMエクスクルーシヴには大いに満足しているのですが……実はもう1台持ってるんですよね(笑)」<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="シトロエン XM" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66601/Z72_8426.jpg" /><span class="CP_txt">▲こちらが通算4台目となるXM(初代・ベースグレード)</span></div>
<h3>XMとの時間を長く</h3>
<p>正規輸入モデルであるXMエクスクルーシヴと同時に所有しているのは、日本には導入されなかった2L直4エンジン+マニュアルトランスミッションという仕様であるという。<br />
<br />
なるほどそれはめでたいことではあるが、しかしなぜ、シトロエン XMという“やっかいな車”を、2台も所有しているのか?<br />
<br />
「なんといいますか……先ほども言ったとおり、撮影現場へも絶対にこの子で行きたいですし、それと同時に1日でも長く、XMという車に乗っていたいんですよね。そしてそのためには、“XMを複数台所有する”という方策がベストだと思ったんです」<br />
<br />
定期的なメンテナンスを怠らない岡村さんゆえ、「宇宙で一番壊れる」とうわさされるモデルであっても、前述したとおり11万kmや32万kmという距離を無事に走りきれている。<br />
<br />
とはいえ、それは「途中、何の問題もなかった」ということではなく、やはり様々なマイナートラブルは発生する。そして時には、ATなどの大物が逝ってしまうこともある。<br />
<br />
事実、現在乗っている1998年式エクスクルーシヴもATが壊れ、その修理にはなんだかんだで1年間ほどかかってしまったという。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="シトロエン XM" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66601/Z72_8664.jpg" width="600" /></div>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="シトロエン XM" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66601/Z72_8696.jpg" width="600" /></div>
<h3>なくなる前に買っておく</h3>
<p>「やっぱり壊れるは壊れるんですよ、XMに限らず、古い車というモノは。でもそんなときに“もう1台”があれば、常にXMに乗っていられるじゃないですか?」<br />
<br />
「ハイドラクティブサスペンションがもたらす得も言われぬ乗り味と、素晴らしいデザインを堪能できるじゃないですか? だから、自分は“もう1台”を買うことにしたんです」<br />
<br />
そしてもうひとつ。「修理期間中も乗っていたい」というシンプルな理由だけでなく「1日でも長く、この素晴らしい車に乗り続けていたいから」というのも、岡村さんがもう1台のシトロエン XMを購入した理由だ。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="シトロエン XM" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66601/Z72_8721.jpg" width="600" /></div>
<p>「いつまでも、それこそ死ぬまで乗っていたいという思いはあります。でも、実際は不可能だと思うんです。いつかきっと、あきらめなければならない日はやってくる。すでに今、僕が1台目や2台目を買った頃と比べれば、XMの流通量は激減してますしね。それゆえいつの日か、『乗り替えたくてもモノがない』ということになるはずなんです。でも……」<br />
<br />
でも?<br />
<br />
「2台のXMをそれぞれ整備しながら、そしてローテーションさせながら乗っていれば――それぞれの機械的な寿命は、例えばたった1日であっても延びると思うんです」<br />
<br />
自分はその“1日”のために、2台を使い分けているのだと思います。まぁもちろん『常にXMに乗っていたいから!』というシンプルな理由が一番ではあるのですが(笑)」<br />
<br />
決してピカピカなわけではないが、愛をもって使い込まれた機械特有の輝きを放っている2台のシトロエン XM。そんな2台を眺めながら、岡村さんはそう言った。<br />
<br /></p>
<div class="taC w600_img mB10"><img alt="シトロエン XM" data-credit="日刊カーセンサー" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66601/Z72_8611.jpg" width="600" /></div>
<div class="author2019">文/伊達軍曹、写真/小塚大樹</div>
<div class="sarch_col">
<div class="FAIR_btn3"><a href="https://www.carsensor.net/usedcar/bCI/s015/f001/" target="_blank">シトロエン XM(初代)の中古車を見てみる</a></div>
<h4>▼検索条件</h4>
シトロエン XM(初代) × 全国</div>
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<figure class="konokiji_face"><img alt="シトロエン XM" height="200" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66601/Z72_8473.jpg" width="200" /></figure>
</div>
<div class="konokiji_box_right">
<p class="katagaki">岡村さんのマイカーレビュー</p>
<p class="writername">シトロエン XM(初代・エクスクルーシヴ)</p>
</div>
</div>
<div class="konokiji_box_text">
<p><br />
●購入金額/30万円<br />
●走行距離/20万km<br />
●マイカーの好きなところ/おおらかな乗り心地と疲れない布シート<br />
●マイカーの愛すべきダメなところ/ATやサスマウントなど車の肝の部分が消耗品であること<br />
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/XMがとにかく好きな人。ハートが強い人</p>
</div>
</div>
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<figure class="konokiji_face"><img alt="シトロエン XM" height="200" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_66601/Z72_8434.jpg" width="200" /></figure>
</div>
<div class="konokiji_box_right">
<p class="katagaki">岡村さんのマイカーレビュー</p>
<p class="writername">シトロエン XM(初代・ベースグレード)</p>
</div>
</div>
<div class="konokiji_box_text">
<p><br />
●購入金額/150万円<br />
●走行距離/14万km<br />
●マイカーの好きなところ/MT、4発の2Lで軽快。トラブルが少ない<br />
●マイカーの愛すべきダメなところ/見当たりません!<br />
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/XMがとにかく好きな人。燃費もこだわりたい人</p>
</div>
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<figure class="konokiji_face"><img alt="伊達軍曹" height="200" src="//wwwtst.carsensor.net/contents/article_images/_63971/dategunso.jpg" width="200" /></figure>
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<div class="konokiji_box_right">
<p class="katagaki">自動車ライター</p>
<p class="writername">伊達軍曹</p>
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</div>
<div class="konokiji_box_text">
<p>外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。</p>
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<h3 class="link_tit">【関連リンク】</h3>
<ul class="Base_Templete_Link3">
<li><a href="https://www.carsensor.net/usedcar/bCI/s015/f001/" target="_blank">シトロエン XM(現行型)の中古車を見てみる</a></li>
<li><a href="//www.carsensor.net/contents/tag/tag_2870/?fed=contnikkancs_20170608_ic20170608001ie" target="_blank">「どんなクルマと、どんな時間を。」過去の記事はこちら</a></li>
</ul>
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