車好きの夫婦が熱望したウッディなガレージ【EDGE HOUSE】
2022/03/28

ガレージハウスを建てるには奥様の理解が欠かせないが、この家はご夫婦揃って車好き。それもMT車にこだわりあり。そんな2人が望んだガレージは、整備に集中できる場所ではなく、リビングの延長のような温かみのある部屋。そこには防火規制という壁が立ちはだかるが、果たしてどのようにクリアしたのか?
ただの車庫や作業場ではなく、車を置くための部屋
車を買うならMT車、家を建てるならガレージハウス。それが当たり前だと考えるご夫婦が、ガレージハウスを建てるにあたって依頼したのが岩橋建築だ。社長の岩橋さんは初めて購入したという車がランサー エボリューションI、現在は某雑誌で表紙を飾るほど良コンディションのスカイラインGT-Rを所有しているほど、大の車好き。
車好きには、車好きが手がけるガレージハウスの良さがわかるのだ。そこまでこだわるほどだから、さぞやガレージでガシガシ整備したいのかと思いきや「部屋のようなガレージが欲しい」という要望だったと岩橋さんは言う。
ガレージで行う作業は、タイヤやオイルを交換する程度。それよりも「リビングと同じように、木のぬくもり、温かみのあるガレージにしたい」とリクエストされたそうだ。ご存じの方もいるだろうが、ガレージの内装には防火規制という高いハードルがある。だから板張りの壁など、木のぬくもりや温かみのあるガレージは本来難しい。
しかし岩橋さんは、その解決策をいくつか用意していた。「例えばダイライトという火に強い耐震壁材の表面に、ヒノキのチップをあしらった不燃建材があります。平屋ならOKなど条件はありますが、今回はこの壁材を使用しました」。

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床材も一般的なコンクリート床ではなく、ベイマツに防腐剤を染み込ませたものをスライスして敷き詰めた。おかげで見た目はログハウスのようにウッディだ。オーバースライダーだけは国産の木目調にした。
「本物の木を使う海外製もあるのですが、木は重いため、よく故障が起こるんです。そうなると、いつ直せるかわからなくなる」。海外製品の部品が手に入りにくいことは、輸入車乗りなら心当たりのある人は多いだろう。
リビングとガレージの間には大きな特注のガラス戸が備えられた。リビングから愛車を眺められるようにするためだ。大きく開けばウッディなリビングとガレージが、ひと繋がりで大きな部屋となる。
また大きな吹き抜けのあるリビングからは、2階の子供部屋の様子も窺える。「夫婦の生活動線はすべて1階に集約。リビングにいれば愛車と子供、両方見守れます」。
さらにガレージには夫の趣味部屋も設けられた。「ところが竣工後間もなく、新型コロナウイルスの感染拡大で、現状は仕事のリモート部屋になっているそうです。ただ、パソコンの画面の向こうにいる同僚からは『すごくカッコいいところで仕事しているね』と好評だとか」と岩橋さん。
こうして念願のリビングのようなガレージを手に入れた2人。喜んでいることは言うまでもないが、岩橋さんいわく、建てた時からすでに愛着が湧いていたそうだ。
というのも「実は建築コストを抑えることも兼ねて、ガレージの床材を施主に敷き詰めてもらったんです。軽トラ3台分はあったかな。仕事終わりに一枚一枚丁寧に張ってもらいました」とのこと。
思い描いていたガレージを、自ら仕上げる。そんな楽しみも得られたガレージハウスだ。





■主要用途:専用住宅
■所在地:愛知県知多市
■構造:木造在来工法
■敷地面積:356.01㎡(108坪)
■建築面積:133.97㎡(41坪)
■延床面積:133.09㎡(40坪)
■設計・施工:岩橋建築
■TEL:0569-27-7492
※カーセンサーEDGE 2022年5月号(2022年3月26日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
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