たっぷり手をかけられた相棒、ホンダ ステップワゴンは、 走行60万kmを超えても元気に走り続ける。
2021/07/29

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
仕事とプライベートで野山を駆け、12年で46万kmを走る
大手芸能プロダクションでマネージャーを務める五十嵐浩昭さん。青年のような若々しいルックスから一瞬驚いてしまうが、じつはこの道19年というベテランだ。
愛車は90年代半ばに、「こどもといっしょにどこいこう」のキャッチコピーとともに登場した初代ホンダ ステップワゴンである。
五十嵐さんはこのステップワゴンで日々現場を飛び回っている。
その一方で、釣りや登山、トレイルラン、キャンプ、スキー、ラフティング……などを趣味とするアウトドアマンでもあるため、年間の走行距離は3万km以上にもなるという。結果、ステップワゴンのオドメーターに刻まれる距離はなんと61万km……!
「12年ほど前、会社の先輩が次の車に買い替えるというので譲り受けたんです。本当はフォード エコノラインとか、アメ車のミニバンに憧れていたんですが、10万円ならまあいいかと。カッコはいまいちだな……と思ってたんですけど(笑)」

13年落ち、15万km走行の状態で譲り受け、その後46万kmを走った計算だ。しかし正直なところ、(この当時の)ホンダ車って、こんなに走るものなのか? と驚いた。しかし意外や意外、これまで大きなトラブルには遭遇していないという。

長もちの秘訣は「壊れる前に換える」こと。オイル交換は月に1回
「エンジンの換装などはしていませんし、大掛かりなオーバーホールもしていません。バルブのタペット調整、ステムシールを換えたぐらいですかね。気をつけているのは乗り方とメンテナンスです。丁寧に乗るけれど、エンジンを回すときはしっかり上まで回す。オイルやオイルフィルター、エアフィルター、プラグなどは定期的に交換します。オイル交換は3000kmに1度なので、自分の乗り方だと1ヵ月ちょっとに1回は交換することになりますが(笑)」

ラジエターやウオーターポンプ、オルタネーター、タイミングベルトなどのパーツは「壊れる前に換える」ことを心がけているという。
ラジエーターに関してはなんと、もう5個目だそうだ。感心したのは、五十嵐さんはできる範囲で交換や整備を自分で行っていること。
「よほどの重整備以外は自分でやります。この車のことはすべて自分で把握しているので、基本的に安心なんです。維持にはお金もそれなりにはかかりますが、何百万円というレベルではないですよ」

車も道具も“自分仕様”にカスタマイズ
見かけはほぼノーマルを保つステップワゴンだが、じつはいろいろなところにこだわりのモディファイが施されている。
ボディカラーは元々シルバーだったが、前オーナーも含め何度か塗り直された後、現在は五十嵐さんの好みによる「ボルボ 240と同じクラシックレッド」に落ち着いている。

室内を見るとハンドルは「MOMO」のウッド製、シートは「RECARO」に。後席には、脱着可能な自作のテーブルも備わっている。
目を引いたのは荷室にキレイに収まっている「棚」だ。イケアで買った棚だそうだが、そこにアウトドア用のギアが整然と並べられているのだ。
じつは棚は「キャンプ用」、「釣り用」、「山仕事用」……など9つあり、その日の目的によって載せ替えていると聞いて感心した。しかもよく見ると、そこに収められるツールやギアも、すべて“自分仕様”にカスタマイズされているのだ。


「車も道具も同じですが、自分が使いやすいように手を入れたくなるんです。そのうちに愛着が湧いてきて、手放せなくなる。このステップワゴンは今の車のような装備はありませんが、その代わり自分が好きなように手を入れる余地がある、というのがいいですね。よく“いつまで乗るの?”と聞かれますが、“壊れないので、乗り替える理由がないんです”と答えます」。五十嵐さんとステップワゴンの歩みはまだまだ止まらない。

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五十嵐 浩昭さんのマイカーレビュー
ホンダ ステップワゴン(1996年式)
●購入金額/10万円(先輩からの中古)
●年間走行距離/約3万kmちょっと
●マイカーの好きなところ/人と物がたくさん載せられるところ。ウッドハンドルとシフトレバー、オリジナルのボディカラー。内外装のシンプルなつくり
●マイカーの愛すべきダメなところ/人と物をたくさん載せると上り坂が遅い(笑)!
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/アウトドアが好きな人。サーフィンのロングボード以外はほとんど車内に積めるので、車外に積載する不安(雨や日差し、盗難など)がないのはとてもいいです

インタビュアー
編集者/河西啓介
自動車やバイク雑誌の編集長を務めたのち、現在も編集者/プロデューサーとして多くの媒体に携わるだけではなくラジオやTV、イベントなどでも活躍。「武道館ライブを目指す!」という目標を掲げ結成されたバンド「ROAD to BUDOKAN」のリーダーも務め、2020年4月5日『BLOW~風は吹いてる』で配信デビューを果たす
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