米国日産 アルマダ

【連載:どんなクルマと、どんな時間を。】
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?

出合いは撮影で訪れたアメリカ、一目ぼれだった

カメラマンとして世界中を飛び回っている平野 陽さんの愛車は、米国日産のアルマダ(TA60型)。

日常使いのみならず、全国津々浦々、撮影に行く際の大切な相棒なので、年間走行距離は約4万km。

購入したときは総走行距離2万kmだったのに、現在は44万kmと驚くほど走っている。

米国日産 アルマダ

アルマダは、北米マーケットを中心に販売されているので日本では珍しいが、アメリカではよく見かけるメジャーな車種だ。

当時、平野さんが乗っていたボルボ XC90が故障し買い替えを検討していたとき、撮影で訪れたアメリカで一目ぼれ、そのまま購入した。約10年前のことだ。

米国日産 アルマダ

目線が高いので周りがよく見えて運転しやすく、V8エンジンの力強い加速は長距離運転をする平野さんにとって心強いという。

「たまに、何の気なしにアクセルを踏むと自分が思うよりもブォン! と加速してびっくりすることがあります(笑)。高速では2000回転以下で100km/hのスピードが出るので燃費も良いんです」

米国日産 アルマダ▲全長5m超のSUVは荷室もかなり広いが、それでも撮影機材などで埋まってしまう。よく見ると非常に整理されており、平野さんの人柄がうかがえる

こだわりが光るのは、ホイールだ。

もともと付いていたホイールは傷や汚れが目立っていた。そのため、わざわざ純正品を現地から取り寄せたそうだ。

「派手なカスタムも素敵ですが、僕はシンプルな見た目が好きなんです。例えば、この車でホイールが社外品のクロームとかだといかつすぎるでしょ(笑)? だから、純正ホイールにこだわったんです」

車体が大きく存在感があるので、なるべく純正のものを使い素顔のままで綺麗に乗るというのが平野さんのポリシーだ。

米国日産 アルマダ

ただ、大きなサイズゆえに苦労していることもある。

「よく、スーパーの駐車場とか止めるの大変でしょ? と聞かれるんです。だけど、それは慣れてしまえば全然余裕で。むしろ、家から車を出すときに、家の前の狭い道を何度も切り返しながら進む方が大変で。1日の始まりに、最大の難関があるとは……と、毎日思ってます(笑)」

米国日産 アルマダ

自分で手入れするからこそ、余計に愛着が湧く

そんなアルマダは、これまでに大きな故障はなく、まだまだ乗り続ける予定だという。

元が丈夫な車ということももちろんあるが、平野さんの場合は自分で整備しているというのが大きい。

昔から平野さんの周りは車好きが多く、先輩や友達と一緒に車いじりをしていたそうだ。

そのときに教えてもらったノウハウや、最近だとYouTubeを参考にしながら整備しているという。

「自分で整備すると、調子が悪いと走っていてすぐにわかるんです。早期発見できるので、大きな故障につながらないのだと思います。最悪、その場で修理できますし、これまで家に帰れないなどのトラブルは一度もないですね」

米国日産 アルマダ

「一番大変だったのは、ステアリングラックを交換したときですね。大掛かりな作業で4時間くらいかかったかな。できればもうやりたくない(笑)! 他にも、ウォーターポンプや足回りなど、だいたい自分でやりますよ」

また、平野さんは整備だけではなく、日本製のナビに付け替えるために配線をいじるといったカスタムもセルフで行っている。特に、配線まわりにはこだわりがあるらしい。

「配線がゴチャゴチャしているのが苦手で、ビシッと並んでいないと落ちつかないんです(笑)。自分のイメージどおりに仕上がるのを見るとうれしいし、費用も抑えられてお財布に優しいですしね」

米国日産 アルマダ

自分で手入れするからこそ、余計に愛着が湧く。車を使わない日は違和感を抱くほど、自分と密につながっているそうだ。

米国日産 アルマダ

アルマダとのカーライフを満喫している平野さんだが、前々から温めている夢があるという。

「アメリカで、トレーラーを引っ張って走るのを見かけたんですが、とてもカッコよくて。アルマダの力強さや、無骨な雰囲気にピッタリだったんです。もう少し余裕ができたら、自分もいつかトレーラーを引いて走りたいですね」

米国日産 アルマダ

夢を語る平野さんの目はキラキラしていて、まるで少年のようだった。アルマダがトレーラーを引く日は、そう遠くはないはずだ。

米国日産 アルマダ
文/矢田部明子、写真/柳田由人

米国日産 アルマダ

平野 陽さんのマイカーレビュー

米国日産 アルマダ(TA60型)

●購入金額/約400万円
●年間走行距離/約40000km
●マイカーの好きなところ/ボディが大きいところ
●マイカーの愛すべきダメなところ/経年劣化で故障もします……が、直せばまだしっかり走りますよ!
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/他人とかぶらない車が欲しい人や長距離移動をする人

矢田部明子(やたべあきこ)

自動車ライター

矢田部明子

アナウンサーやラジオパーソナリティーとして活動後、モータージャーナリストの道を歩み始めたばかり。宇部工業高等専門学校で機械工学や物質工学について学んだ知識を生かし、女性の目線から評論できるように修行中! 愛車はランドクルーザー76でオフロードコースを走るのが趣味。