カーセンサー学生編集部 ▲今回、取材をさせて頂いた広島トヨペットの「車を売らないショールーム」CLiP HIROSHIMA。広いスペースには……確かに買えそうな車が1台も置いてありません!

車が欲しいとは思うけど……ディーラーにはなかなか入りにくいという現実

カーセンサー学生編集部の阪上です。

いきなりですが、若者のみなさん。

「ディーラーって入りにくい」って思ったことないですか?

まだ本当に買うか分からないけれど、とりあえず車を見に行きたい。

そう思ってもなかなか入店するのは緊張しますよね。

なぜなら私たち若者は……

「すぐに買えないかもしれないから、冷やかしになるんじゃないか?」

「とにかく買わなきゃいけなくなるような方向で話を進められたらどうしよう?」

「車について詳しくないと、話についていけないんじゃないか?」

「若者だから、そもそも店員さんに相手にされなかったりして……」


そのような不安がいっぱいあるからだと思います。

そんな方へ!

今回は学生編集部が「車を売らないショールーム」など、気軽に立ち寄ってもらえるような取り組みをされている 広島トヨペットにお話を伺うため、取材に行ってきました。

カーセンサー学生編集部員 ▲インタビューさせていただいたのはCLiP HIROSHIMAディレクターの中手さん(左)。若者が感じている不安を率直にぶつけて、貴重なお話をお聞きすることができました

「車を売らないショールーム」は、従来のディーラーと違って車に関連する目的がなくても来店できる場所

阪上 この施設の『車を売らないショールーム』というキャッチコピーを初めて拝見したときは驚きました。いったいなぜ、広島トヨペットではこのような取り組みをされているのでしょうか?

CLiP HIROSHIMA ディレクター・中手さん(以下、中手さん) そうですね。いちばんはお客様に気軽に立ち寄ってもらいたいからです。もちろん私たちの会社は車を販売することが基本の仕事なのですが、車離れが進んでいる今の時代では、ただ単に車を販売するだけではお客様に興味をもってもらうことが難しいと考えています。そうした中で、この施設では車以外のコンテンツを店の中に入れ、そのついでに車を見て興味を持っていただきたいという思いでつくりました。

阪上 なるほどそうなんですね。車以外のコンテンツといえば、たしかにお店の2階には本を自由に読めるオシャレなカフェが併設されていますよね。これは車好きでも、そうでなくても関係なく入店しやすい雰囲気だと感じました。

中手さん そうです。従来のディーラーであれば、車の購入や修理、保険など、何か車に関連する“用事”がなければ行く必要がなかったと思います。しかし、この施設には特に何の用事がなくても気軽に立ち寄ってもらいたい。コーヒー一杯を飲みに来てほしいのです。

阪上 え、本当にそのような気持ちで行ってもいいんですか? デザインも凝っていてオシャレだし雰囲気も落ち着いています、カフェが目的で来店する方の気持ちがよく分かります。私自身も本を読んだり、勉強したりする際にぜひとも利用したいです(笑)。

中手さん もちろんOKです。そもそもこの施設では車を販売していないので。他にも、定期的にイベントを開催して地域の方々と触れ合う機会を設けています。内容としては車に関係ないイベントが殆どです。普段、車のことを考えていないお客様にも『そういえばここって広島トヨペットだったんだ』そう思ってもらうきっかけにしていきたい。そういう活動の中でお客様とのつながりを築き、広島トヨペットのことをもっと知ってもらいたいと考えています。

カーセンサー学生編集部 ▲2階には本を自由に読むことができるカフェが併設。落ち着いた雰囲気で、居心地が良かったです♪
カーセンサー学生編集部 ▲私もカフェでドリンクを一杯飲んでから、気になった本を読ませてもらいました

ディーラーに来るほとんどの人が何も買わないから、若者も安心してほしい

阪上 ここからはこの施設に限ったお話ではなく、広島トヨペット様のディーラー全体としてお聞きしたいのですが。私たちのような若者からみて、ディーラーは『ハードルが高い』『緊張して入りづらい』といった意見が多い。それに対してはどう思われますか?

中手さん やっぱりそういう意見が多いのですね。それって、どうしてそう感じるのですか?

阪上 そうですね、いちばんは『まだすぐには買えないかもしれないから、冷やかしになるんじゃないかな?』って理由が多いです。車を販売されているディーラーに、お金も十分に持たずに入店してもいいのかな? って私たちは感じますね……。

中手さん そのような心配であれば全くされる必要ないと思います。なぜなら、お客様の大半の方は車を買いに来ているわけではないからです。それは若者だけではなく、年齢関係なく同じなのでご安心ください。もし、ディーラーに来るお客様みんなが車を買ってくれていたら、私たちも苦労しないですよ(笑)。なので、来店してくださるお客様のことを冷やかしなんて思うことは絶対ないです。

阪上 あ、てっきり周りの大人たちは買う気マンマンなのかなと思っていたのですが……そんなことないんですね(笑)。でも他にも、『どんどん買わないといけない方向で話を進められるんじゃないか』とか、または『車について詳しくないと、話についていけないんじゃないか?』とか、入りづらいと感じる理由はたくさんあります。

中手さん すぐに買わせる方向で話を進めるなんてあり得ません! もしかしたらディーラーのイメージって、『入店したら2、3人の店員に囲まれて営業トークされるような場所』って思われているかもしれませんが、私たちは全くそんなことしないですよ(笑)。また、車について詳しくない人だからこそ、スタッフがしっかり対応させてもらいます。もちろん若い方も大歓迎です!

阪上 そうだったんですね。私たち若者が勝手に先入観をもってしまっていただけなのかもしれないです。最初の一歩さえ踏み出して入店してしまえば、ディーラーのイメージって一気に変わるのかもしれませんね。

中手さん 本当にそうだと思います。ハードルの高さなんて全く感じることなく、気軽に『ちょっと車を見に行こう』という気持ちで入店してほしいです。私たちとすれば、来てもらえることに意味があるので。

ディーラーの最大の強みは「車を肌で感じることができる」

阪上 今はインターネットで気になった車を、簡単に調べることができる時代。そんな中で、ディーラーならではの強みって何ですか?

中手さん それはやっぱり車を肌で感じることができる点ですね。お客様ご自身で車に乗って、触って、動かして。それらの体感はインターネットではできないので、店舗の強みだと思っています。

阪上 なるほどです。スマホやパソコンの画面から見る車と、実物ではやっぱり大きな差がありますもんね。写真では伝わらない部分も、しっかり目で見ることができるってことですから。

中手さん 他にも、お客一人一人の要望に応じた車選びを提案できるのも強みかなと。例えば若い方で初めての車なら、『○○○がオススメですよ』とか。それは男性か女性によっても提案は変わってきますし、趣味などお話の中でその方のニーズに合った提案をさせてもらいます。

阪上 それはかなり助かりますね! 私のようなまだまだ詳しくない若者からすれば、何でも知っている店員さんに直接話を聞いて車選びができるって、ディーラーだからこそですもんね。

中手さん 本当にそのとおりです。『何が良いかすら分からないんで、一から教えてほしい』って言ってもらえれば、喜んで丁寧に説明させていただきます。そのためにスタッフがいるのですから!

阪上 それを聞いて安心しました。いい意味で、店員さんをフル活用させてもらおうと思います(笑)。
 

カーセンサー編集部 ▲やっぱり車は肌で感じてこそ、魅力が分かります。若者のみなさん、気軽にディーラーへ車を見に行きましょう!

若者よ! 身構えず、気軽にディーラーへ行こう!

今回の取材から、私たち若者はディーラーに対して先入観を持ちすぎていることが分かりました。

「まだすぐには買えないから、冷やかしになるのでは?」そんなこと思う必要は全くなかったのです。

だって、お店の中にいるほとんどの大人たちも買わないのだから。

そういう意味では、ディーラーに「冷やかし客」なんて概念すらなかったのです。

だから、たとえ買わなくても胸を張って帰りましょう(笑)!

「若者だから相手にされないのでは?」

そんなことも絶対にありません。

ディーラー側からすれば、私たち若者が車に興味をもち、入店してもらうことに意味があるのです。

一人のお客として、しっかり寄り添って対応してもらえるので、自信をもって入店すれば大丈夫です。

また、「車について詳しくないから話についていけないのでは?」

そう思ってしまいますが、だからこそインターネットではなく、実際に詳しく話を聞けるディーラーに行くべきなのです!

自分に合った車は何なのか、店員さんに思う存分聞いちゃいましょう。

そうすれば、もっと車選びの幅も広がるかもしれません。

これらの一方的な先入観は捨てて、気軽にディーラーへ行こうではありませんか!

身構える必要も、ハードルの高さを感じる必要も全くないんです。

純粋に「車を見に行きたい」、その気持ちさえあれば十分です。

気になることはついついすべてスマホで調べて終わってしまいますが、やっぱり車は肌で感じないと魅力が分かりません。

今度ちょっと時間があるときにでも気軽にディーラーへ行き、車を見ながら時間をつぶしてみるのもいいかもしれません♪
 

文/阪上亮治(カーセンサー学生編集部員)、写真/篠原晃一

芝本将也

カーセンサー学生編集部員

阪上亮治

近畿大学経営学部松本ゼミ所属の現役大学4年生。ゼミでは「若者の車離れを解消する」をテーマに日々活動中。大学生になってから友人の影響で車に興味をもち、カーセンサーを読み始める。それと同時に、自身も車を買うためにバリバリ貯金中。他に好きなものは猫とプロ野球。