トヨタ セリカ▲今回インタビューをさせてもらった森田さん(22歳)。愛車はトヨタ セリカ(ST202型)

男は黙ってマニュアル免許!

カーセンサー学生編集部の熊井です。

免許取得時、マニュアル(以下MT)で取ろうかオートマ(以下AT)限定で取ろうか迷った経験、みなさんもあるんじゃないでしょうか。

私の場合、今の時代ほとんどの車がATだし、今後操作が面倒くさそうなMT車に乗るつもりもない。

でも男だったらMTだろ!! というなんとなくのイメージでMT車を運転できる普通自動車免許を選択しました。

そして実際、教習所でMT車を体験すると……これが楽しい!! 無事に免許を取ったらMT車を買うのもありかも!! と思いました

そんなこんなでMT車に乗りたいな、と思う人も多いはず。

でも、運転中に路上でエンストしちゃったらどうしよう……、そもそもどうやってMT車を選べばいいかも分からないし……。

MT車を手に入れる心理的、物理的なハードルはそれなりに高いですよね。

そんなイメージを払拭するべく、高校3年生で免許取得後すぐにMT車を買って今も乗り続けている学生に、MT車の魅力や選び方についてインタビューをしてきました。

 

カーセンサー学生編集部員 ▲取材場所にご協力していただいた大阪府羽曳野市のカフェ「fabriko」さん。カーメンテナンスを行える工場を併設している、おしゃれなカフェ。

MT車の魅力は月並みだが「自分の力で車を操っている感」

熊井:「近年、AT限定でも乗れる車は多いと思うのですが、なぜMT車も運転できる免許を取ろうと思ったんですか?」

森田さん:「親がもともと車好きということもあったんですが、男はMTが運転できないといけないという僕の勝手なイメージがあったのでMT免許にしました(笑)」

熊井:「分かります! 男ならMTという印象ありますよね。ということは最初からMT車に乗るつもりではなかったということですか?」

森田さん:「はい、最初は漠然と大きなミニバンがいいなと考えました。でも、教習所で実際に運転してみるとAT車はただアクセルを踏んでいるだけ、MT車の場合は自分の足の加減や手の操作で車の動きを操作している。そういう感覚の差が明確にあって、MT車は運転していてシンプルにおもしろかったんです」

熊井:「親の影響と教習所での経験が今の車を選んだきっかけになっているんですね! ところで、免許を取って初めての車がMT車であるセリカということですが、運転に不安はなかったんですか?」

森田さん:「もちろんありました。最初は車の通りが少ないところで練習していましたが、意外とすぐに慣れて今では山道を運転したり友達を乗せて遠出したりと運転を楽しんでいます」

熊井:「いいですね! 僕も遠出してみたいです!」

森田さん:「でも渋滞は気をつけてくださいね。8月のお盆休みに遠出をしたのですが、12㎞の渋滞にはまってしまって……MT車はクラッチの操作など両方の足を細かく使うので、つりそうになりました(笑)。運転はとても楽しいですが、渋滞が予想される遠出はあまりオススメしません(笑)」

トヨタ セリカ ▲愛車セリカの車内。最初はMT車の運転に不安もあったが、乗ってしまえばすぐに慣れるので問題ないそう。乗れば乗るほど運転技術も上がっていくので、今後も乗り続けたいと語ってくれました!

MT中古車選びのコツは前のオーナーにあり!!

熊井:「MT車に興味をもったはいいものの、どうやって車を選べばいいか分からない人も多いと思います。MT車だからこその選び方はありますか?」

森田さん:「まず、これはどの車を選ぶときにもそうなのですが、走行距離は見ていました。MT車だからこそでいうとクラッチのつながりがいいかどうかですね。クラッチは消耗品ですので、換えたタイミングは聞きました。前のオーナーがどのような用途で使っていたかも重要です。走行距離が少なくても、前のオーナーがドリフト走行などで使っていたとすると、負荷がかかっていることも多いです」

熊井:「クラッチの交換時期や、前オーナーがどのような用途で車を使用していたかなどを聞くことが重要なんですね!!

森田さん:「はい。僕は学生なので収入も多くありません。なので、購入後の修理費などをできるだけかからないよう車の状態をよく聞いて選ぶようにしていました」

熊井:「確かに車って、金銭的問題は付きものですよね。ちなみに、実際に今までかかった修理費はいくらですか?」

森田さん:「トータルで約14万円です。クラッチ盤が12万5000円、ウオーターポンプが5000円、ドライブシャフトが1万円です。クラッチは消耗品ですし、運転の仕方によっても変わると思いますが、僕の場合は2年ほどで買い替えました」

カーセンサー学生編集部 ▲MT車ならではの選び方や実際にかかった修理費など、同世代として気になるポイントをインタビュー中

お金の制約が大きい若者の車選びは、どこに妥協点を置くか!?

森田さん:「あと、スポーツカーのMT車選びにはグレードも重要だと思います。グレードが違うだけで同じ車でも金額や人気も変わってきます。例えばシビックに乗っている友達がいるのですが、購入前にタイプRにするか迷っていて、結局値段の安いシビックを選びました。

その後、乗っているうちに、お金を出してでもタイプRにしておけば……と思うことがあると聞きました。つまり、乗ってみて車を知るようになってから後悔してしまうことがあるので、車選びでは、どこに妥協点を置くか(=何にこだわるか)ということがポイントだと思います」

熊井:「後から後悔しないためにも、最初の出費だけにとらわれない自分の妥協点を見つけることが大切なんですね。かといってグレードを上げたらもちろんお金がかかる……なるほど難しいですね」

森田さん:「そうですね。不人気グレードだとあまり乗っている人が多くないので、周りとかぶりたくない人は逆にそれをあえて選んでこだわりを見せるのもありだと思います!」

熊井:「なるほど! 人気車種に乗りたい派と人とかぶりたくない派とで選び方も違ってくるのも車選びの楽しさですね。ちなみに、森田さんは今の車に後悔はしていませんか?」

森田さん:「はい。この車は今後も乗っていく予定です。車の集まりにも参加して、お互いの車を見せ合ったりとカーライフを楽しんでいます」

熊井:車を通じて友達も増えて楽しそうですね! 僕もぜひ参加してみたいです!!

トヨタ セリカ ▲森田さんが車のイベントに参加したときの写真。車好き同士で写真を撮り合ったり、交流を楽しんでいるそうです

初めての車? だからこそMT車を!!

基本的にAT車はギアを一度入れれば、片足でアクセル・ブレーキ操作だけでOK。

しかも、近年では運転サポート機能が充実した車が増えて、自分が操作をしなくても前の車についていってくれる車も増えました。

より運転が簡単になったことで、多くの人が気軽に乗れるようになってとても良いことだと思います。

それに比べ、MT車は両足でクラッチ・ブレーキ・アクセルの操作、ギアチェンジも走行中は常に操作しなければ車が動かない。

AT車に比べれば、操作が難しく面倒くさいと思います。

しかし、この少し難しく、面倒さいからこそ感じることができる「自分で車を操る感覚」が最高の魅力ではないでしょうか。

例えば、ゲームでも倒さなければならない敵が超弱くて、誰にでも簡単にクリアできるものだと、知らぬ間に作業になっていってしまってつまらなく感じてしまうものです。

作戦を考えたりしながら何とか倒すことができる敵と戦い、勝ってレベルアップをしていくゲームの方がおもしろくてハマってしまいます。

僕たち世代が小学生の頃ハマったポケモンには、まさにそんな楽しさがあったはず!

運転に慣れていない時期にMT車に乗るからこそ、運転技術の向上をより体感しながら「車を操る感覚」を楽しめるのではないでしょうか。

MT車に純粋にのめり込むことのできるチャンスがあるのは、若者である今しかない!!

初めての車だからMT車、オススメです!!

文、写真/熊井遼太郎(カーセンサー学生編集部員)

熊井遼太郎

カーセンサー学生編集部員

熊井遼太郎

近畿大学経営学部松本ゼミ所属の現役大学4年生。ゼミでは「若者の車離れを解消する」をテーマに日々活動中。 趣味はゴルフで、ゴルフ場に止まっている高級車を眺めることがひそかなマイブーム。普段のアルバイトでは、ピザ配達員として出来たてピザと笑顔をお届けしている。憧れの車は「ボルボ XC90」。