中古車購入における消費者相談で多いトラブルは何? 自動車公正取引協議会に聞いてみました
カテゴリー: カーライフ
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2014/07/04
購入トラブルを防ぐにはやはり慎重さが大切です
アレもいいけどコレも気になる、でもあと10万円あったら……と考えている時が、中古車選びでは一番楽しい時間なんですよね。
でも、最初に検討していたハズの車を見失い、いつの間にかメーカーも排気量も違う車に目移りしてしまうのも良くある話。たしかに楽しいですよね、妄想。ただ、その妄想気分のまんま契約交渉へ進んじゃうと、トラブルの元にもなりかねません!?
中古車の購入にまつわるトラブルっていうと、一体どんなものが多いのでしょうか? 自動車公正取引協議会の公取協消費者相談室に寄せられた昨年1年間の相談内容から探ってみましょう。
上記のグラフでは「品質・機能」に関する相談がほぼ半数を占めていますね。中でも最も多かった「不調・故障」というのは、具体的にどんな内容なのでしょうか。同団体の広報担当者にお話を聞いてみました。
ぴえいる(以下、ぴ) 2013年のそちらへのトラブル相談の中で、33.3%と最も多かった「不調・故障」に関する相談というのは、具体的にはどんなものなんですか?
自動車公正取引協議会(以下、自公協) 特に目立つのが“現状販売”で買った車が、故障してトラブルになるケースです
ぴ 現状販売というと、目の前にあるこの状態で納車しますよ、ということですね
自公協 もちろん車の基本的な性能である「走る・曲がる・止まる」が出来ないような車を売った場合には販売店にも瑕疵責任があります。しかし購入者も最低限、現車を自分の目で見て確かめていれば、トラブルを回避できた例も多いのです。中には、インターネットを見ただけで現車を見ずに購入して、トラブルに遭ってしまうケースもあります
ぴ なるほど、「現状」とはどういう状態なのかをきちんと自分の目で見て把握してから購入すべきですね
自公協 はい、どんなキズがどこにあるかなどが書かれたコンディションノートがあれば、それを確認したり、エンジンが止まった場合はどうするのかなどきちんと説明を受け、それを文章にして残すなどして……
ぴ えーと、すみません…。それはカスタマーからしたら非常に難易度の高い作業ですよね……
自公協 たしかに面倒ですが、トラブルを防ぐという意味ではこれくらいチェックする心構えが必要です。それに購入後、整備を行うことになりますから、自分で直せるとか知り合いに整備士がいるなど、整備の対応も考慮しないといけません
ぴ なるほど、きちんと理解し、納得したうえで購入しないといけないですね。それが難しければやはり、保証付きの中古車とか、せめて整備して納車してもらえる中古車が安心ですね。で、次に多いのはキャンセルですが…
自公協 キャンセルを申し入れたらキャンセル料を請求されたということで相談を受けるのですが、そもそも、なぜキャンセルしたのかと尋ねると「家族に反対された」とか「やっぱり支払いが不安になって」といった理由が少なくありません
ぴ 意外とベタな理由が多いんですね。中古車にはクーリングオフ制度が適用されないから、契約書にハンコを押すのは相当慎重にしないといけないですね。時間をかけてやっと見つけた車が目の前にあるわけですから、気分が盛り上がってしまうのは仕方ないですが、ちゃんと冷静になる必要がありますね。ありがとうございました!
ちなみに、この「不調・故障」と「購入者からキャンセルを申し出た」という2件だけで、相談の50%以上を占めています。販売店のスタッフに相談するのはもちろん、現状販売の中古車を購入するなら、しっかりと下準備をするとか、車をよく確認するとか、よくよく考えて、家族と相談のうえ、契約を交わすといった慎重さが必要ですね。
たしかに欲しい車を妄想するのは楽しいものです。私もカーセンサーnetを見ながら巡らせている妄想の世界の中でなら、もう100台以上は買ってます。しかし現実にいざ購入となったら、安いお金ではないので相当に慎重になります。みなさんも、いざ契約の際は、妄想気分をシャットアウトして冷静に行動しましょう。