タイトルを見て「何を言っているんだ、当たり前だろう」と思ったなら、正しい車の知識を持っている人。「えっ、違うの? だって“軽”って書いてるじゃん」と思ったら……すぐに知識を入れ替えよう。

JAFが、燃料の給油間違いによる救援依頼の件数を発表した。2013年9月1日から2013年10月31日の2ヵ月間にわたり、その数なんと258件。その原因を調査したところ、「ガソリン車に軽油を給油してしまった」というものが114件とも最も多かった。

知らない人のために説明しておくと、自動車の燃料は搭載されるエンジンの種類で決まる。大別するとガソリンエンジンの燃料はガソリン、ディーゼルエンジンの燃料は軽油。ガソリンエンジンにはレギュラーガソリン仕様とハイオクガソリン仕様がある。

車に詳しくない人の中には、軽油の“軽”から「軽自動車用の燃料」と勘違いしてしまう人がいるようだ。JAFの調査でも「軽自動車は軽油だと思っていた」と回答した人が16人いた。これは「ガソリン車に軽油を給油してしまった」人の1割に相当する。ほかには「勘違いやうっかり」などが58件、「社用車や代車など普段乗らない車だった」というものが18件あった。

ほとんどの軽自動車は燃料にレギュラーガソリンが指定されている。では、間違えて別の燃料を給油するとどうなってしまうのか。JAFによると、ガソリン車に軽油を入れるとエンジン出力が落ち、アイドリングが不調になる。タンク内のガソリンが無くなり軽油だけになってしまうと、排気ガスが黒くなりエンジンがかからなくなる。

逆にディーゼルエンジンにガソリンを入れるとエンジン音が高くなりアイドリングも不安定に。深刻になると噴射ノズルや燃料ポンプの交換が必要になる場合もあるという。

ガソリンスタンドでのセルフ給油が一般的になった現在、入れ間違いを防ぐにはどうしたらいいか。まずは車の取扱説明書で愛車の燃料を把握しておくこと。もうひとつは燃料を入れる給油ノズルの色に注目。

どこのガソリンスタンドでもノズルには3種類の色がついていて、赤がレギュラーガソリン、黄色がハイオクガソリン、緑が軽油となっている。愛車の燃料の色を覚えておけば、誤って違う燃料を入れてしまう心配はなくなる。

年末年始は帰省や旅行でレンタカーや他人の車に乗る機会も増えるもの。燃料の入れ間違いで車を壊さないよう注意したい。

緑色は軽油の給油ノズル。間違って給油してしまったら、すぐにガソリンスタンドや車を買った販売店、JAFなどに相談しよう

緑色は軽油の給油ノズル。間違って給油してしまったら、すぐにガソリンスタンドや車を買った販売店、JAFなどに相談しよう

赤はレギュラー、黄色はハイオクとなる。同じガソリンでも、ハイオク指定の車にレギュラーを給油すると不調の原因となることも

赤はレギュラー、黄色はハイオクとなる。同じガソリンでも、ハイオク指定の車にレギュラーを給油すると不調の原因となることも