国土交通省の宇都宮国道事務所は、宇都宮市内の国道4号(泉が丘交差点~宇都宮東警察署付近までの約1km)と市道(今泉新町交差点~今泉町までの約0.6km)で、自転車の走行位置を明示する道路整備を3月中旬までに実施する。

「栃木県自転車利用環境検討会議」(座長・宇都宮大学 森本章倫教授)の意見によるもので、十分な道幅が確保できない国道4号では、自転車の走行位置の目安として一定間隔で青い矢印を明示。交差する宇都宮市道には青色の自転車レーンを明示する。

これにともない自転車の交差点通行方法も変更となる。これまでは歩行者・自転車用信号に従って自転車横断帯を通行すべきだったが、道路整備後は自転車横断帯が撤去されるため、車両用信号に従うこととなる。車のドライバーは違法駐車や左折時の巻き込みに、より注意が必要となる。

軽車両である自転車は車道の左側を通行するのが原則だが、幅の狭い道路や、大型車などが速いスピードで横を走り抜ける道路では、危険性を感じて歩道を走ってしまう人は多い。また、自転車は車道を走るものという認識が不足している自転車ユーザー、ドライバーも多い。

車道から完全に分離した自転車道が発達しているオランダやドイツなどの欧州諸国、バスレーンが自転車の走行路として活用されているロンドン、ベルリン、ジュネーブなどの都市に比べ、日本は河川敷のサイクリングロードなどを除いて整備が遅れていた。今回の道路整備は、全国的なモデルケースの1つとなりそうだ。

整備される場所は宇都宮市中心部に近く、付近に高校や大学もある自転車ユーザーの多いエリアだ

整備される場所は宇都宮市中心部に近く、付近に高校や大学もある自転車ユーザーの多いエリアだ

国道4号に設置される青い矢印。矢印右側の白色は夜間の安全対策を目的とした反射材で、外側線ではない

国道4号に設置される青い矢印。矢印右側の白色は夜間の安全対策を目的とした反射材で、外側線ではない