東日本大震災による国道の通行規制が解消
カテゴリー: カーライフ
タグ:
2012/10/10
東日本大震災による直轄国道の通行規制(原発警戒区域を除く)が9月28日(金)に解消された。斜面崩落のため片側相互通行となっていた国道45号の宮城県石巻市成田地区で復旧工事が進行したためだ。
一般国道には、国道4号や国道45号など番号が1桁・2桁の「旧一級国道」と、番号が3桁の「旧二級国道」がある。この2つの国道は1965年に「一般国道」として統一された。今回、復旧が完了したというのは、国土交通省東北地方整備局が管轄する旧一級国道だ。
被災地ではインフラや住宅と共に、道路も徐々に復旧が進んでいるが、県道や市町村道はなかなか十分な復旧予算が組めないのが現状だ。高速道路さえ、法定速度での通行こそ可能な状態にはなっているが、福島県内の東北自動車道ではいまだに段差が目立つ。原発事故の影響で、盛り土や路床が汚染されていないかを測定し、対策を講じてからでないと工事に取りかかれないため作業が遅れているからだ。
国道45号の通行規制解消も、実際には完全復旧がなされたわけではない。仙台から三陸海岸を経由し青森に至る国道45号は、津波で甚大な被害を受けた地域を経由しているため、損壊が極めて大きかった。なかでも岩手県陸前高田市、気仙沼市、宮城県南三陸町などは被害甚大。陸前高田市の気仙大橋と宮城県南三陸町の歌津大橋は、現在でも橋脚以外が消滅したままだ。
このうち気仙大橋は2011年7月、10mほど下流に仮橋が開通したが、歌津大橋は現在も復旧のめどが立っていない。そのため、迂回路として並行する県道と町道(のべ約1.2km)が国道45号に区域編入されている。「規制解消」はあくまでこういった迂回路を含めてのものなのだ。
国道45号には地震による地盤沈下で、大雨の際には冠水してしまう箇所もいまだ残っている。5月のゴールデンウィーク中に、冠水による全面通行止が発生した陸前高田市気仙町では、9月28日に緊急迂回道路がようやく完成した。こういった被災の爪痕がなくなるまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。