中古車のオーディオが古すぎる問題。スマートスピーカーとBluetoothスピーカーで解決してみた
2019/05/28
10年落ちには、CDやMDしか再生できないカーオーディオも多い
学生時代に憧れていた高級車をお手軽に購入できるのは、中古車の魅力のひとつ。例えば、大学時代に欲しかった車をアラサーになってゲットなんてこともあるでしょう。
1980~90年代なら、10年落ちを購入するのは少し勇気が必要でしたが、今は10年落ちといっても2008年頃の車。しっかりと定期点検を受けていれば、トラブルも格段に少なくなっています。
ただ、さすがに時代を感じさせる部分も存在します。それが、オーディオまわり。
2008年とはBluetoothが誕生してから10年を迎えた年であり、また、iPhoneが日本に上陸した年。当時、対応した車はまだ珍しく、CD・MDプレイヤーなどが装着してあることが多いのです。
最近では、音楽を聴くのはスマホが主流。CDやMDで音楽を聴く人は少数派でしょう。
スマホにはスピーカーがあるので、直接、音楽を流すのもいいのですが、音がちょっと貧弱。エンジン音やロードノイズによっては、聞こえにくかったりもします。
一般的には、Bluetoothや有線のFMトランスミッターの使用が多いと思います。しかし、個人的に試してみたいと思っていたのが、「スマートスピーカー」の活用です。
スマートスピーカーで中古車をAI化してみる
スマートスピーカーとは、対話型の音声操作に対応したAIアシスタント機能をもつスピーカー。「○○の曲をかけて」と話しかけて音楽を再生することができ、他にも、天気予報や株価、ニュースなどを聞くことも可能です。
2017年後半に、Googleの『Google Home』とLINEの『Clova WAVE』、Amazonの『Amazon Echoシリーズ』が発売され、徐々に普及しつつあります。
そんな複数のスマートスピーカーから筆者が選んだのは、『Amazon Echoシリーズ』のひとつ『Echo Dot』。「Alexa」というAIを搭載し、「Alexa、○○」と話しかけて作動させます。
この「Alexa」、BMWやMINIに搭載されたり、トヨタも搭載を検討したりするなど、すでに自動車メーカーから熱い視線を集めています。
『Echo Dot』を選んだ理由は、「Alexa」の搭載だけではありません。ひとつは、5980円というお手軽な価格にあります。
そして、かなりの割合を占めていたのが、Amazonの定額制音楽配信サービス『Amazon Music Unlimited』の会員だから。
『Echo Dot』は普通のスピーカーとしても使えますが、『Amazon Music Unlimited』または『Amazonプライム』の会員特典である「Amazon Music」なら「Alexa ○○の曲をかけて」と話しかけるだけで、再生が始まります。
これは、運転中にはありがたい機能です。アメリカでは、Appleの定額制音楽配信サービス『Apple Music』にも対応しているので、日本に導入された暁には、さらに便利になることでしょう。
音楽の再生だけでなく、天気やニュースも呼びかけるだけで知ることができる
ということで、早速、車に設置して試してみました。『Echo Dot』はバッテリーを内蔵していないので、電源とつなぐ必要があります。ちなみに、電源はマイクロUSBです。
ネックは、『Echo Dot』を利用するためにはWi-Fi環境が必要なこと。筆者は、スマートフォンのテザリングを利用しましたが、ギガ不足が気になる人は使い放題プランのあるポケットWi-Fiなどを検討してもいいでしょう。
設定自体は、スマホにインストールした『Alexaアプリ』で行います。基本的には画面の指示に従うだけなので、スマホの操作に慣れていれば難しいことはありません。
実際に使用すると、声だけで操作できるのはかなり便利。特に、『Amazon Music Unlimited』に加入していれば、曲名やミュージシャン名に加えて、「ドライブにピッタリな曲」とか「テンションが上がる曲」などという指定で曲を再生できます。
もちろん、外部スピーカーとしても利用できるので、スマホとBluetoothで接続して、保存している音楽を聴くこともできます。
また、音楽以外でも「スキル」と呼ばれるアプリのような拡張機能を利用可能。その数は2000以上で、例えば、天気予報やニュースのスキルをインストールしておけば「Alexa、今日の天気は」とか「今日のニュースは」と話しかけるだけで、情報を得ることができます。
朝の通勤で車を利用している人にとっては、便利かもしれません。
難点もあります。それは、音声の誤認識。ロードノイズや風切り音が激しいと、認識がうまくいかないことがあります。
そもそも、室内での利用を想定しているので仕方がないところでしょう。
ただ、アメリカでは、自動車用の『Echo』として『Echo Auto』も登場しており、そのあたりが改善されているとのことなので、日本での発売も待たれます。
ちょっと面倒……。ならBluetoothスピーカーはいかが?
個人的には、「スマートスピーカー」を車に搭載するのはアリだと感じたのですが、中には面倒だと感じる人もいるでしょう。
そんな人は、Bluetoothスピーカーを搭載するといいでしょう。どうせなら、車載用のBluetoothスピーカーを使ってみてはどうでしょうか。
「そんなのある?」と思うかもしれませんが、あるんです。それが、JBLの『Smartbaseシリーズ』と『Trip』。
JBLは言わずとしれた世界的オーディオブランド。「JBLサウンド」という言葉もあるほど、音の良さはお墨付きです。オススメは『Trip』です。
なぜなら、9880円と価格が安いから。ただし、生産は終了しており流通在庫のみなので、欲しい人はお早めに。
『Trip』は、サンバイザーに取り付けるタイプの車載用Bluetoothスピーカー。充電式で最長8時間の再生が可能です。
もちろん、車内で充電コードをつなげば、再生時間を気にする必要はありません。接続はボタンを押すだけ。最初に接続すると、次からは電源を入れれば自動的に接続します。
装着方法は、サンバイザーに土台となるクリップを設置し、本体はそのクリップにマグネットとフックで取り付けるので、着脱も簡単です。
普段は自宅で使い、ドライブのときだけ車に持ち込むという使い方も可能です。また、キャンプやアウトドアでは、気軽に社外に持ち出せるメリットもあります。
マイクを内蔵しているので、スマホと接続した状態で『OK、Google』や『Hey、Siri』と呼びかける音声入力も可能です
もし、iPhoneを使っていて『Apple Music』に加入していれば、「Hey、Siri。テンションが上がる曲をかけて」で、アップテンポの音楽が再生されます。
また、メールが届いたときには内容を読み上げてもらったり、電話をかけたり取ったりすることもできます。
独自のノイズキャンセリング技術により、ロードノイズや風切り音を抑えてくれるのは、さすが“車載用”です。
肝心の音質ですが、ユニットは40mm径×1、最大出力は3.2Wとカーオーディオに匹敵とまではいきませんが、そこはJBL。オーディオマニアでなければ必要十分で、ミニバンの2列目に座っていても、十分に楽しめました。
中古車の購入にあたって、もし、カーオーディオが古いことが気になっているなら、スマートスピーカーやBluetoothスピーカーを活用してみてはいかがでしょうか。
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