洗車に関して、面倒という人もいれば、週末の楽しみのひとつと答える人もいるだろう。しかし、いつでも愛車がキレイな状態を保てるとなれば、誰もが賛成するはずだ。英国日産が、雨や泥はねといった日常的な汚れがすぐに落ち、洗車が不要になる画期的な塗料を開発している。

これはナノ塗料技術を用いた「Ultra-Ever Dry」と呼ばれる塗料で、日産テクニカルヨーロッパのエンジニアが開発。水や油をはじくことで、汚れがボディに付着するやすぐに流れ落ちる。そのため、洗車の必要がなくなるというわけだ。

これまでも“セルフクリーニング”のテクノロジーを採用したプロダクトは存在しており、リアビューカメラにはすでに“wash and blow dry”機能が搭載されている。これはレンズをキレイな状態で保つために水と圧縮空気を採用したものだが、「Ultra-Ever Dry」はこれらの技術を応用し、車のボディでも使えるようにしたものだ。

この夢のような塗料に関して、英国日産は今後も開発を続けていくと明言。写真のとおり、今回プロトタイプとして採用されたのは「ノート」だったが、標準装備とする予定はなく、オプションで設定される可能性が高い。

ひと昔前、日産から発表された、浅い擦り傷程度なら自動で修復してくれる塗料があったが、残念ながら現時点では広く採用されているとは言い難い。しかし、この塗料は誰にも効果がすぐにわかりやすく、洗車の手間を省くといった大きなメリットがある。それだけに、今後日産車だけでなく、他メーカーも含め、いつかはすべての車に採用されるような時代が来ることを期待したい。

週末のコイン洗車場は、今の時期大渋滞となっているが、この塗料があればそんな思いをする必要もない。手間とお金の面でもメリット大だ

週末のコイン洗車場は、今の時期大渋滞となっているが、この塗料があればそんな思いをする必要もない。手間とお金の面でもメリット大だ

ボンネットの左側が通常の塗料で、右側が「Ultra-Ever Dry」を使用。汚れが付着する前に、玉のように流れ落ちていっているのが分かる

ボンネットの左側が通常の塗料で、右側が「Ultra-Ever Dry」を使用。汚れが付着する前に、玉のように流れ落ちていっているのが分かる