※この記事はカーセンサー関東版30号(2000年8月10日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

余裕のトルクでスムーズな走り。7人乗っても大丈夫

  • ダイハツ アトレー7 走り|ニューモデル試乗
  • ダイハツ アトレー7 リアスタイル|ニューモデル試乗
↑無理してエンジンを回さなくても余裕の走りが得られるので、スムーズかつ静かな走りが可能(左)アトレーとは異なる大型のテールランプが小型車であることを主張(右)
アトレーをベースに、1.3Lエンジンを搭載した7人乗りのアトレー7が発売された。 軽自動車をベースにしたミニバンとしてはスバルのドミンゴがあったが、スバルでは軽自動車が新規格に移行した後、ドミンゴの生産を中止しており、逆にスズキのエブリイ+や三菱のタウンボックスワイド、そしてアトレー7と、ほかのメーカーから相次いでコンパクトミニバンが登場している。

ボディサイズは軽自動車のアトレーに比べるとひと回り大きくなっているが、これはバンパーの拡大などによるもの。ボディの基本骨格はアトレーのものなので、室内長がわずかに長いだけで、室内の広さは基本的に変わらない。2、3列目をフラットに格納できる、3列シートの設定で7人乗りになったのが大きな変更点だ。

走りの余裕を考えれば軽自動車より格段に魅力的

  • ダイハツ アトレ7 インパネ|ニューモデル試乗
  • ダイハツ アトレ7 エンジン|ニューモデル試乗
↑インパネ回りの造形は基本的にアトレーと共通。操作性などに不満はない(左)排気量の大きさからくるトルクの余裕により、静かでスムーズな走り(右)
走りのレベルはアトレーとは大きく異なる。先にテリオスに搭載されたのと同じ1.3Lの可変バルブタイミング機構付きのエンジンを搭載しており、ボディに対して余裕のある走りを実現している。 市街地などでは、無理してエンジンを回さなくても余裕の走りが得られるので、静かでスムーズな走りが可能となっている。軽自動車の税金の安さとどちらを取るのかと言われると迷う部分もあるが、走りの余裕を考えたらアトレー7のほうが格段に魅力的であろう。

価格も中心グレードのCXの2WD車が143.3万円(4WD車は16万円高)と割安感のある設定。軽自動車をベースにした1BOXワゴンならではの価格設定である。 このクラスのミニバンの需要はそう多くはないが確実にあり、アトレー7はその需要をしっかり獲得するクルマになるだろう

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード CXスポーティパック
駆動方式 2WD(FR)
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 3765×1515×1895
ホイールベース(mm) 2430
車両重量(kg) 1090
乗車定員(人) 7
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1297
最高出力[ps/rpm] 90ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 12.5kg-m/4400rpm
10・15モード燃費(km/L) 15.0
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/46
車両本体価格 153.3万円

松下 宏の責任採点

コンセプト 3点 取り回し 4点 加速性能 3点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 3点 操作系の使い勝手 4点 乗り心地 4点 環境対策 4点
前席居住性 3点 ラゲージルーム 3点 操縦安定性 4点 燃費 4点
後席居住性 3点 パワー感 4点 高速安定性 3点 ステータス 3点
内装の質感 3点 トルク感 4点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 3点
得点合計 70/100
(Tester/松下 宏 Photo/渡邉 英昭)