新型スズキ アルトは小さく軽いボディに走りの楽しさが詰まっていた!
カテゴリー: スズキの試乗レポート
タグ: 軽自動車
2015/02/06
これまでと違う、新たなアルトの魅力
アルトが発売されて約36年。今回のニューモデルで8代目を迎えた。過去のモデルを振り返ると個性的なデザインというより、実直なイメージが強かった。
しかし新型は明らかに違う。それは新設計のプラットフォームに載せられたボディのデザインによる。ヘッドライトの目力を軸としたグリルレスのフロントは初代フロンテを彷彿とさせ、可愛らしいというよりマニッシュ(男のコっぽい)な印象だ。重厚感を感じるワンプレスドアといい、力強い塊感を出している。重厚感あるデザインとは裏腹にボディは軽量。最も軽量なモデルともなると、610kgである。
キビキビとした走りが素晴らしい
試乗したのは定評のある副変速機付きのCVTモデルと、マニュアルトランスミッションに油圧アクチュエーターを組み合わせてシフトのセレクトを自動化したAGS(オートギヤシフト)モデルの2車種だ。
まずはAGSモデル。AGSの良さは、エネルギーの伝達効率の高さだ。アクセルを踏んだ瞬間に、軽やかに加速する。シフトアップもスムーズ。嫌なギクシャク感は皆無だ。アイドリング時のクリープ制御も上手い。AGSに類似したトランスミッションを備える国内外のモデルの中で、最もスムーズと言って良いだろう。
何より驚いたのは軽量にも関わらず、剛性の高いシャシーである。フロントはしっかりとしている。新開発となるトーションビーム式のリアは剛性が高く、初期の状態から13インチのタイヤとのコンビで路面からの突き上げを細やかに受け止める。ボディの塊感にマッチした想像を超えた快適なドライビングである。AGSモデルは燃費性能では劣るが、キビキビと走らせられるし、価格を90万円以下に抑えてあるのも良い。
CVTモデルは最上級グレードのX(2WD)に乗った。JC08モードで37.0km/Lという低燃費なモデルだ。3気筒でありながら静粛性は申し分ない。走り出しはAGSに比べると若干重みも感じるが、相変わらずCVTの制御はスムーズだ。アイドルストップ機能の再始動も素早かった。
15インチのアルミホイールとタイヤは乗り心地が硬めで、ハンドリングはスポーティだ。こちらの方がマニッシュなデザインに合ったドライビングが可能だ。サスペンションの取り付けブッシュのチューニングによって、ハンドリングは常に安定感がある。
質感ではダイハツが一歩リードしたかのように感じたが、デザインや走った楽しさにおいてはスズキが素晴らしい。所有する喜びをこのアルトは与えてくれるだろう。3月にデビュー予定の「アルト ターボRS」にも期待できそうだ。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:F ■乗車定員:4名
■エンジン種類:直3DOHC ■総排気量:658cc
■最高出力:38(52)/6500[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:63(6.4)/4000[N・m(kg・m)/rpm]
■JC08モード燃費:29.6km/L
■駆動方式:FF ■トランスミッション:5AGS
■全長×全幅×全高:3395×1475×1475(mm) ■ホイールベース:2460mm
■車両重量:620kg
■車両本体価格:84万7800円(税込)
■グレード:X ■乗車定員:4名
■エンジン種類:直3DOHC ■総排気量:658cc
■最高出力:38(52)/6500[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:63(6.4)/4000[N・m(kg・m)/rpm]
■JC08モード燃費:37.0km/L
■駆動方式:FF ■トランスミッション:CVT
■全長×全幅×全高:3395×1475×1500(mm) ■ホイールベース:2460mm
■車両重量:650kg
■車両本体価格:113万4000円(税込)