※この記事はカーセンサー関東版5号 2000年2月10日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
(Tester/桂 伸一 Photo/芳賀 元昌、武田 忠)

すべての面でシャープに反応し、ロケット加速するモンスターマシン

三菱 ランサーエボリューション フロントスタイル|ニューモデル試乗 三菱 ランサーエボリューション リアスタイル|ニューモデル試乗
↑爆発的なロケット加速がさらに強力になったトミー・マキネンエディションGSR(左)ウィッカー型仰角調整式ツインリアスポイラーが的確なダウンフォースを生む(右)
爆発的なロケット加速がさらに強力になった。「こんなモン市販していいのか!シロートじゃ止まれないゾ……」というのが桂のホンネだ。恐ろしいほどに速い。そう、だからランエボはある程度の腕に上達してから乗ろう。
エVIの次VIIとは(まだ)ならない。三菱はこのトミー・マキネン仕様で今年のWRCを闘う。

なんかラリー参戦発表会みたいだけど、ランエボVIをさらに進化させて一般ストリートでの走行性能をアップしたのがこれ。ラリーカー=車高が高いなんて今どき流行らない。WRCだってシャコタンで走ってるワケ。で、ターマック(舗装路面)仕様サスペンションの登場だ。

従来のVIに対して前20mm後10mm車高を下げた。ホイールアーチとタイヤの隙間の狭さがカッコいい。本当はもう10mmずつ下がれば本物チックだけど、工場でラインをまたげないとか、運搬用キャリアに乗らないとかチェーン装着の問題とかイロイロ問題が噴出して、市販車としてはこれが精一杯らしい。だけど、よく頑張った。

ホンキで乗る人にしかお勧めできない驚愕の走り

三菱 ランサーエボリューション エンジン|ニューモデル試乗 三菱 ランサーエボリューション 前席|ニューモデル試乗
↑ハイレスポンス・チタンアルミ合金ターボチャージャーを搭載したユニット(左)GSRの前席にはレカロ製のフルバケットシートを装備。体格に応じた調節ができる(右)
走りはターボのセッティング変更で最大トルクの発生回転が300rpm下がり、低速からのダッシュとアクセルのツキが鋭くなった。クイックなステアリングでノーズの動きはよりシャープになり、フロントのヘリカルLSDでコーナー立ち上がりのアンダーを減らし、駆動力もダイレクトに伝わる。これにリア左右の駆動力差を制御するAYCの効果が加わり、タイトコーナーの入りの良さとスムーズに体勢を変える性能は格段に向上。

そういう車なので、ホンキで乗る人にしかお勧めできない。
主要諸元のグレード トミー・マキネンエディション GSR
駆動方式 4WD
トランスミッション 5MT
全長×全幅×全高(mm) 4350×1770×1405
ホイールベース(mm) 2510
車両重量(kg) 1360
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC インタークーラー付きターボ
総排気量(cc) 1997
最高出力[ps/rpm] 280ps/6500rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 38.0kg-m/2750rpm
10・15モード燃費(km/L) 9.7
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/50
車両本体価格 259.8~327.8万円

コンセプト 5点
フィニッシュ 4点
前席居住性 4点
後席居住性 3点
内装の質感 3点
取り回し 4点
操作系の使い勝手 4点
ラゲージルーム 3点
パワー感 5点
トルク感 5点
加速性能 5点
乗り心地 4点
操縦安定性 5点
高速安定性 5点
しっかり感 4点
ブレーキ性能 5点
環境対策 2点
燃費 2点
ステータス 5点
コストパフォーマンス 5点
得点合計 82/100