スバル インプレッサWRX STI 【フルモデルチェンジ】
カテゴリー: スバルの試乗レポート
2007/12/13
■「いい車に乗っているなあ」と思える抜群の足回り
◆コンセプト
“カルト”から“プレミアム”へ華麗なる変身を遂げたSTI
マニア向けではない、欧州的な5ドアハッチバック車。それが新型インプレッサのコンセプトだが、そのイメージリーダーたるWRX STIは、「カルトカーからプレミアムコンパクトスポーツへの変身」を狙っている。ノーマルグレードでは、どこかバランスが悪く感じられたフォルムも、オーバーフェンダー化で幅が広がったことで、ぐっと精悍にバランスよく見える。ボンネットには大きなエアインテークが口を開け、戦闘ムードをかきたてているが、決してオタク臭くない、上質なまとまりを見せている。これこそ新型インプレッサが本来目指したデザインだろう。
つまり今度のSTIは、決して派生モデルではなく、堂々たるトップグレードなのだ。
◆室内&荷室空間
大人向けの落ち着いた内装、後席の居住性は大幅に向上
あまりに古典的だった先代インプレッサは、現代としては驚異的?なほどの後席足元の狭さを誇っていたが、新型はすべての面で時代に追いついており、居住空間は実に標準的。狭くはないが決して広すぎずの、落ち着いたスペースが確保されている。ハッチバックのラゲージは、先代のスポーツワゴンよりもむしろ広々としており、9インチのゴルフバッグも2個横積みで入れられる。ブラックとシルバーでまとめられたインテリアは、適度にモダンで適度にハードボイルド。戦闘的すぎない落ち着いた雰囲気は、気負わずにリラックスしてドライブを楽しめるオトナの空間だ。フロントシートは標準でホールド性の高いバケットタイプが付くが、オプションでレカロも選択可能だ。
◆ドライブフィール
欧州車にも匹敵する、しなやかな乗り足
エンジンのパワーは308馬力にアップしているが、以前より低い回転でのトルクが増したのが印象的だった。新たに導入されたSIドライブを最もスポーティな“S#”にしても、ターボらしいドカーンというパワーの盛り上がりは、それほど強く感じない。むしろポイントは、しなやかで大人っぽい足回りだった。リアサスペンションの安定性が大幅に増し、非常に落ち着いた動きを見せる。しなやかすぎてサーキットでは多少物足りなく感じるほどだが、一般道でのドライブでは、そのスムーズでしっとりした走りが、「ああ、いい車に乗っているなぁ」と思わせてくれた。この感覚は欧州のプレミアムコンパクトそのもの。ゴルフGTIなどのテイストにかなり近い。
◆こんな人にオススメ
従来のSTIファンを十分満足させつつ、もっと幅広い層にアピールできる車に進化した。ハデすぎるウイングやエアロパーツではなく、精度の高い高級な作りで、男の魂を静かに揺さぶる。6速MTのみなので、それなりに乗り手は選ぶが、走りを楽しみたいすべての人にオススメ。もう乗ってて恥ずかしくなる車じゃない。主要諸元のグレード | WRX STI |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | 6MT |
全長×全幅×全高(mm) | 4415×1795×1475 |
ホイールベース(mm) | 2625 |
車両重量(kg) | 1470 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 水平対向4DOHCターボ |
総排気量(cc) | 1994 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 227kW(308ps)/6400rpm |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 422N・m(43.0kg-m)/4400rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 10.4 |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアムガソリン/60 |
車両本体価格 | 365万4000円 |
スバル インプレッサWRX STI 【フルモデルチェンジ】/試乗レポート
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