マツダ アテンザセダン/アテンザワゴン(改良版)はドライブするのが楽しくなる車だ
カテゴリー: マツダの試乗レポート
タグ: ステーションワゴン
2015/03/19
内装が素晴らしく進化している
2月27日に発売されたマツダ CX-3が話題だが、1月に大幅改良されたアテンザもこのタイミングで振り返ってみたい。
2013年の1月14日にアテンザを試乗してからおよそ2年。アテンザはどのような進化を遂げたのだろうか。
マツダは「魂動」デザインの下に統一性をもたらし、際立ったキャラクターを前面に押し出した。アテンザはまさにその志がはっきりと表れた1台である。それだけに長い期間デザインの新鮮さを前面に打ち出すことは容易ではない。
しかし、今年初めの大幅改良で新たに変更されたのは、外観よりもドライバーと同乗者を最も意識した部分だ。新しいアテンザと言っていいだろう。そのあたりを中心に評価したい。
始めに辛口なことを言うと、フラッグシップとしての流麗なフォルムに対して塗装が少々おろそかに感じる。これは乗り込む前に気になった。それとは別に内装は素晴らしく進化している。エクステリアのデザインとの協調性がもたらされ、視認性の良好さと質感の高さが表現されている。シートの最適化によるホールド性と張りのある雰囲気が、見た目の質感をも増している。
4WDの登場でさらにドライブが楽しくなる車に進化した
では、走りはどうだろうか。まず、セダンでAT仕様の2.5Lガソリンモデルだ。2Lモデルと比べると、とても扱いやすくフラッグシップにふさわしい静粛性を備えている。走り出してすぐに線路を越えたが、静粛性と乗り心地がかなり向上していることがわかる。細かな突き上げをひとつひとつ受け止めながら良く動くサスペンションになった。とても上質だ。
アテンザにはワゴンタイプもあるが、セダンの方がホイールベースが長く、伸びやかなフォルムと相まってコンフォートだ。ガソリンユニット特有の滑らかでラグジュアリーなトルクの立ち上がりを好む方にはいいだろう。
続いてディーゼルエンジンを搭載するアテンザワゴンXD L Packageの6MT仕様に乗り込む。特筆すべきは4WDでMTのスポーツワゴンである点だ。素早く反応するエンジンとMTのおかげで高速の合流もしやすく、運転が上手になった気持ちになるはずだ。ポテンシャルの高いエンジンだということをあらためて実感する。
路面からの入力をしなやかにいなしながらも、コーナリングはフラットライドで安心感はさらに増した。スポーティなセッティングにも関わらず、敏感なステアリングにならない。ワゴンタイプはリアの剛性が低下しやすい傾向にあるが、アテンザワゴンはバイブレーションもまったくと言っていいほど気にならない。特に轍でのブレーキングはしっかりとまっすぐトレースする。ゴムブッシュのチューニングとダンパーの最適化の恩恵といえよう。
4WDの威力は高速の大きな旋回時に現れる。コーナリング時にフロントに必要以上に負荷が加わってもリアの挙動は常に安定している。前後のトルク配分が最適化になされているのだ。マツダはスポーティな雰囲気を重んじているのでシフトフィールもこだわっている。だからこそ必要以上にヒール&トゥを繰り返す。これはドライブして楽しい証しである。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:アテンザセダン 25S L Package ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHC ■総排気量:2488cc
■最高出力:138(188)/5700[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:250(25.5)/3250[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:2WD ■トランスミッション:6AT
■全長×全幅×全高:4865×1840×1450(mm) ■ホイールベース:2830mm
■車両重量:1470kg
■JC08モード燃費:16.0km/L
■車両本体価格:333万1800円(税込)
■グレード:アテンザワゴン XD L Package ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:2188cc
■最高出力:129(175)/4500[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:420(42.8)/2000[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:6MT
■全長×全幅×全高:4805×1840×1480(mm) ■ホイールベース:2750mm
■車両重量:1590kg
■JC08モード燃費:20.4km/L
■車両本体価格:396万9000円(税込)