マツダ ビアンテ (松本英雄)【ニューモデル試乗】
2013/08/02

同乗者の心地よさを大切にし、柔らかいインフォメーションを与えるモデルであり、路面を寛容に受け止めるフランス車系のおもむきをもつ
マイナーチェンジを機にスカイアクティブテクノロジー搭載モデルを発表
キビキビした走り出しと高い静粛性に好感
マツダの8人乗りワンボックス型ミニバン「ビアンテ」がマイナーチェンジを機に、燃費とドライバビリティの向上を目指すスカイアクティブテクノロジー搭載モデルを発表した。基本デザインに大きな変更は無いものの、エンジンとトランスミッションの変更で大幅な燃費向上を果したという。
FF仕様の最上級グレードとなるGRANZ-SKYACTIVに試乗した。静粛性はなかなか良い。プラットフォーム性能よりもエンジンの燃焼が安定していることが窺える。パネル回りの操作性と視認性もとても良い。ただしAピラーは最近のモデルからすると太めだ。
アクセルと車の動きの連動は、思った以上にキビキビ走る。好燃費を見込んだ60km/hの一定速走行では、トランスミッションのロックアップ制御が強力で、そこからアクセルを踏むと加速まで少々タイムラグがある。燃費向上が至上命題だけに、このロックアップをおいそれと離すわけにはいかないのだろう。ちなみにクラス唯一の免税対象車である。
乗り味は路面を寛容に受け止めるフランス車系
乗り心地は、路面を寛容に受け止めながら同乗者に柔らかいインフォメーションを送るフランス車系の雰囲気だ。車高が高いモデルでは挙動が不安定になるため足回りのセッティングが難しいが、以前のマツダの乗り味とは違い角が取れている。段差を乗り越えたときに鼓膜に生じる気圧のバイブレーションもなく快適だ。
スカイアクティブテクノロジーのひとつである6速ATは、スムーズだけが取り柄のだらだらとした印象ではなく、シフトアップ感があって気持ちがいい。エンジンブレーキ時に一つ上のレシオを選ぶのも、安心感を与えながら燃費に貢献しているのだろう。これまで培ってきたスポーティな味付けを、安心感として還元し同乗者の心地よさを大切にしたモデルである。
SPECIFICATIONS
グレード | 20C-スカイアクティブ | グランツ-スカイアクティブ | グランツ |
駆動方式 | FF | 4WD | |
トランスミッション | 6AT | 4AT | |
全長×全幅×全高(mm) | 4715×1770×1835 | 4715×1770×1855 | |
ホイールベース(mm) | 2850 | ||
車両重量(kg) | 1660 | 1770 | |
乗車定員(人) | 8 | ||
エンジン種類 | 直4DOHC | ||
総排気量(cc) | 1997 | 1998 | |
最高出力[kW(ps)rpm] | 111(151)/6000 | 106(144)/6200 | |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 190(19.4)/4100 | 184(18.8)/4000 | |
JC08モード燃費(km/L) | 14.8 | 9.4 | |
ガソリン種類/容量(L) | レギュラー/60 | レギュラー/55 | |
車両本体価格(万円) | 227.85 | 259.875 | 282.975 |
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