ハイテクを満載、環境と走りを両立させた他にはない高級車

(Tester/松下宏 Photo/篠原晃一)

コンセプト
相反する要素を兼ね備えた新しい時代の上級セダン

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インスパイアはアメリカでアコードとして販売されるモデルの日本版だ。従来、大柄のボディをもつ上級FFセダンだったが、今回のモデルではさらに拡大、レジェンド並みかそれ以上のサイズとなる上級セダンになった。ミニバンの次の車を考えるユーザーをターゲットに、ダイナミズムとインテリジェンスの両立というある意味で相反する要素をバランス良く兼ね備えた車に仕上げられている。

躍動的だが風格を感じさせるデザイン、余裕の広さがあるが扱いやすいボディ、さらに力強い走りとスマートさなど、いろいろな特徴を併せ持つ欲張った車でもある。上級車らしく最新の安全装備を満載するのも大いに注目されるポイントだ。

室内&荷室空間
ボディサイズの拡大により圧倒的な広さの室内を実現

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全長4940mm、全幅1845mmという日本のセダンとしては相当大きめのボディをもつのに加え、ホイールベースも2800mmもあるので室内空間は相当に広い。

運転席に座ると大きなセンターコンソールが中央に配置されていて、助手席が遠くに感じられるのはその典型だ。後席に座ると頭上にも足元にも広々とした空間があり、特に足元は大人が普通に足を組めるだけの広さがある。ホンダのフラッグシップであるレジェンドや他メーカーの競合車に比べても相当に広い室内だ。

大きな開口部をもつと同時にたっぷりした510Lの容量のトランクルームも余裕十分。アームレスト部分のスルー機構で長尺物を積んだり、背もたれを倒してさらに大容量化することも可能だ。

ドライブフィール
気持ちの良い加速の伸びと気筒休止による燃費の良さ

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搭載される3.5Lエンジンはレギュラーガソリン仕様で280psのパワーを発生する。ボディは1610kgとやや重いが、その走りはそれを全く感じさせないもの。高速域でも豪快な加速が味わえる。

それ以上に魅力的なのは、V型6気筒のうち3気筒あるいは4気筒だけを使って走る気筒休止機能を備えること。従来は6気筒か3気筒だったが、今回のモデルではさらに4気筒というモードも加わって、高速クルージング時の燃費性能を高めている。

その切り替えは、運転をしていても全くわからない。エンジンマウントを工夫することで振動をなくしたり、ドライブバイワイヤによって信号による制御をするためだ。インパネのECOランプがつくのは3気筒か4気筒の時となる。

こんな人にオススメ

単にミニバンを卒業してセダンに乗り替えるというユーザーではなく、ダイナミックでスポーティな走りの良いセダンが欲しいというユーザー向きの車。静粛性や乗り心地などは競合車にやや劣る印象もあるが、走りの良さに関してはクラスでも上位にくる。ACCやVSAなど、最新の安全装備を手に入れたい人にもお勧めできるモデルだ。
主要諸元のグレード 35iL
駆動方式 FF
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4940×1845×1475
ホイールベース(mm) 2800
車両重量(kg) 1610
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6SOHC
総排気量(cc) 3471
最高出力[kW(ps)rpm] 206kW(280ps)/6200rpm
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 342N・m(34.9kg-m)/5000rpm
10・15モード燃費(km/L) 9.8
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/70
車両本体価格 35iL 390万円
35TL 330万円