日産 スカイライン |ニューモデル試乗

先代モデルと比べ全高を10mmダウン、全幅を50mmワイド化し、低く構えたプロポーションとした

2段ロケットのような異次元の加速力を体感

世界初のステアリングシステムDASを搭載

北米ではインフィニティQ50として販売されている新型スカイライン。日本仕様と北米仕様は、運転席の位置が左右違うこと以外、基本的に変わらない。また新型はスカイラインとしては初めて全モデルがハイブリッドとなったのが大きな特徴だ。ハイブリッドシステムは、フーガハイブリッドに採用されているコンポーネントのソフト面を中心にリファインしたものとなる。

試乗したのは19インチホイールを装着する最上級グレードのType SPだ。目玉はステアリングの動きを電気信号に置き換えてタイヤを操舵する世界初のステアリングシステムであるDAS(ダイレクト・アダプティブ・ステアリング)だ。

その機能をタイトなステアリング操作を要求される専用のショートコースで試してみた。まずはDASのノーマルモードだが、ステアリングフィールは正直なところ違和感を感じた。特に曲がった後のステアリングの戻りがリニアではなく、中立に素早くかつ自然に戻らない。

DASをスポーツモードに設定し、同じコースを走る。今度は重さも相まってタイトなコーナーでも少し切り込むだけで向きが変わるため、アクセルを上手くコントロールするだけでスッと抜けられる。

サスペンションは日産のFR車らしいセッティングだ。タイヤにしっかりトラクション(駆動力)がかかっている状態でのコントロール性を重視している。

スポーティだが乗り味は従来の日産FRとは異なる

走り出しはモーターで力強く加速し、間もなくエンジンが始動する。まるで2段ロケットのような異次元の加速力だ。

この加速力を受け止めるブレーキにもう少し“腰”が欲しいところ。確かに利きは良く制動距離も短い。だが、踏んだ感覚がやや希薄なのがやや気になった。

乗り心地はソフトな印象だ。これは従来の日産FR車と大きく違うところだ。19インチの大径タイヤを装着していても乗り心地は良い。

コックピットの装備類は姿勢を変えずに手が届く650mmの範囲内に設置された。また、3人までの運転環境を記憶するパーソナルアシスタント機能も装備

コックピットの装備類は姿勢を変えずに手が届く650mmの範囲内に設置された。また、3人までの運転環境を記憶するパーソナルアシスタント機能も装備

ハイブリッドシステムは日産独自の1モーター2クラッチ方式、インテリジェント デュアル クラッチ コントロールを搭載

ハイブリッドシステムは日産独自の1モーター2クラッチ方式、インテリジェント デュアル クラッチ コントロールを搭載

ECOからパーソナルまで5つのドライブモードをセンターコンソールでセレクト可能。モードに応じてDASの制御も変化する

ECOからパーソナルまで5つのドライブモードをセンターコンソールでセレクト可能。モードに応じてDASの制御も変化する

SPECIFICATIONS

グレード 350GT HYBRID 350GT FOUR HYBRID Type SP
駆動方式 FR 4WD
トランスミッション 7AT
全長×全幅×全高(mm) 4790×1820×1440 4800×1820×1450
ホイールベース(mm) 2850
車両重量(kg) 1760 1880
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6DOHC+モーター
総排気量(cc) 3498
最高出力[kW(ps)rpm] 225(306)/6800+50(68)
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 350(35.7)/5000+290(29.6)
JC08モード燃費(km/L) 18.4 16.8
ガソリン種類/容量(L) プレミアム/70
車両本体価格(万円) 449.01 553.77
Tester/松本英雄 Photo/篠原晃一