高い視点で走行中も安心。装備は乗用と比べ遜色なし

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コンセプト

コンセプトはずばり“儲かる車”

ハイエースと並ぶ1BOXの代名詞、キャラバンがフルモデルチェンジを受けた。すべて商用車登録の4(または1)ナンバーとなるが、装備の充実度は乗用と比べて遜色ない。フロントタイヤの上に運転席のある、いわゆるキャブオーバーだが、前端部にクラッシャブルゾーンを設けることで前面衝突の安全性を確保している。

コンセプトは明確で、ずばり“儲かる車”。燃費の良さや耐久性の高さ、積載効率の良さなどを徹底して追求している。オイル交換のインターバルも5000kmから1万5000kmに延長するなど、商用車として走行距離の多さが想定されるだけに、嬉しい改善点といえる。

グレードはベース車のDX、GX、VXとあり、スーパーロングボディには、ハイルーフの設定がある。
室内&荷室空間

室内はとにかく広く装備は豪華そのもの

テストドライブに用いたのは最上級グレードのVX。さすがに着座位置が高いため、乗り込むとき「どっこいしょ」という感覚はあるが、アイポイントの高さはミニバンの比ではない。座った時の印象は、木目調パネルにタコメーターの付いた4連ホワイトメーターやガラスサンルーフが標準装備となっていて豪華そのもの。

室内はとにかく広い。標準ボディ(ロングボディと呼ばれる)ながら、フロントガラス下からリアガラスまでの長さは4mもあり、全長がさらに長いエルグランドの3.7mと比べても圧倒的な広さだ。全高が2m近くあるため荷室高も1.5m以上もある。乗車定員は5名だがその状態でも荷室長は1.65mも確保されている。しかもリアシートを倒せば2.8mの長尺物も載せられる。
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ドライブフィール

最小回転半径4.9mで狭い路地などでも安心

キャブオーバーのドライブフィールはやや特殊だ。運転席の下にフロントタイヤがあるため、交差点などでは少し通り過ぎたあたりで大きくハンドルを切ることになる。乗り心地は他のミニバンと比べるとどうしても良くはない。路面からの反応が直接体に伝わってくるのでアップダウンが激しいのだ。またエンジンも前席の下に搭載されるので静粛性という点でも不利になる。

ただし、それらも慣れの問題であり、逆にフロントオーバーハングが短く、最小回転半径が4.9mしかないので、狭い路地などでも安心に走行できる。また2Lのガソリンエンジンは最高出力こそ120psに抑えられているが、最大トルクは17.4kg-mと比較的高め。ストップ&ゴーの多い市街地などでもスムーズな走行が可能だ。
こんな人にオススメ
スーパーロングボディでも最大荷室長は0.3mしか違わないので、ロングボディで十分。税金面で商用車登録ができるのは嬉しいが乗用に使う方が多いと思われるので、最上級グレードのVXがオススメ。3Lディーゼルも選べるが静粛性などを考慮すると2Lガソリンがベスト。
SPECIFICATIONS
グレード VX ロングボディ
駆動方式 FR
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4690 x 1690 x 1990
ホイールベース(mm) 2415
車両重量(kg) 1740
乗車定員 5人
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1998
最高出力 88kW(120ps)/5200rpm
最大トルク 171N・m(17.4kg-m)/2800rpm
車両本体価格 257.9万円
写真:芳賀元昌 文:堀江史朗(本誌)