※この記事はカーセンサー関東版30号(2000年8月10日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

全長5mオーバーを感じさせないシャープな走り

  • クライスラー 300M 走り|ニューモデル試乗
  • クライスラー 300M リアスタイル|ニューモデル試乗
↑4速ATを駆使すれば0→100km/hを9秒台で走り切る動力性能を誇る(左)ハイデッキで、スパッと断ち落とされたような彫刻的なリアスタイルが特徴的(右)
クライスラーの車というとジープ ラングラー、チェロキー、グランドチェロキーやボイジャーなどRV系の車やダッジ バイパー、PTクルーザーなど遊び心のある車が日本では知られている。 しかし、アメリカでは4ドアセダンの分野でもスポーティモデルのヒット作があり、知名度も高い。その代表的モデルがこの「300M」だ。

大胆なウエッジシェイプのスタイリングとスポーツイメージの強い車作りは、トヨタのアリストとオーバーラップしてくる。 オールアルミニウム製のV6SOHC24バルブ3.5Lエンジンは252psの最高出力と34.7kg-mの最大トルクを得ており、マニュアルモード付きの4速AT(オートスティックシフト)を駆使すれば、0→100km/hを9秒台で走りきる動力性をもつ。

高級感と懐かしさが同居する演出が施されている

  • クライスラー 300M インパネ|ニューモデル試乗
  • クライスラー 300M エンジン|ニューモデル試乗
↑センターの時計はアナログのクラシカルタイプ。メーター類は回転計が中央にある(左)3.5LのV6、SOHエンジンは24バルブ方式。一気に600回転まで吹け上がる(右)
4000rpmからのエグゾースト音はセミレーシングカー的な迫力があった。ボディ剛性も前モデルと比べて向上し、4輪ストラットのサスペンションによってやや重めの操舵力と、しなやかなロールをもった走りを実現している。

また、4輪ディスクブレーキとともに、ワインディングのスポーツ走行も無理なくこなす。このときに感じたのは、運転のしやすだ。一見、運転しづらそうなスタイリングだが、フロントピラーの死角も少なく、ボディの大きさもあまり感じない。 実際には全長5mを超えるビッグセダンだが、ドライバーとの一体感がある。これまでのアメリカ車とは少し違う、ヨーロピアンテイストの車だ。

ソフトタッチをテーマにしているというインテリアも、クロームで縁どられたホワイトメーターやクラシカルな時計などで、高級感と懐かしさを演出している。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード 300M
駆動方式 FF
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 5015×1910×1420
ホイールベース(mm) 2870
車両重量(kg) 1670
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6SOHC
総排気量(cc) 3517
最高出力[ps/rpm] 252ps/6450rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 34.7kg-m/4000rpm
10・15モード燃費(km/L) 7.5
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/64
車両本体価格 445.0万円

石川真禧照の責任採点

コンセプト 3点 取り回し 4点 加速性能 4点 ブレーキ性能 3点
フィニッシュ 4点 操作系の使い勝手 3点 乗り心地 3点 環境対策 3点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 3点 操縦安定性 4点 燃費 4点
後席居住性 3点 パワー感 3点 高速安定性 3点 ステータス 3点
内装の質感 4点 トルク感 3点 しっかり感 3点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 68/100
(Tester/石川真禧照 Photo/奥隅圭之)