パワー的に十分なFFモデルか+αの走行性能を有したAWD。どちらも捨てがたいXC40
カテゴリー: ボルボの試乗レポート
2018/12/05
上級モデルをしのぐプラットフォームをもったXC40に期待を込めて試乗
ボルボXC40のファーストエディションを試乗したのは今年の5月だった。
XC40 T5 AWD R-Designという大径のホイールと専用のスポーツサスペンションという仕様であった。
ボルボのXC60や90のデザインを抑えめに散りばめながらも、ボルボの新しい方向性を表わすモデルである。
最も新しいと感じるのは、エクステリアでいうと厚みのある強固な骨格をイメージさせるボディ面。
インテリアではフェルトのような布を使い、ソフトなマテリアルを多用。シンプルだが機能的で落ち着くことだができるキャビンを演出した。
そして、乗らなければわからない変化が新しいプラットフォームである。
上級車種とは違い、とにかく剛性が高い。
エンジンの搭載位置も良いので、車高が高くても振動も抑えることができたモデルだ。
正直言って上級車種のプラットフォームよりも完成度が高い。
高出力にも関わらず、扱いやすさが魅力の『T5 AWD Inscription』
T5は4気筒2Lガソリン直噴ターボで250馬力以上を発揮してトルクは35kgf・mを超える仕様だ。
走り出しのアクセル操作は調整しやすく秘めたパワーを表に出さずに軽々と軽快に走らせる。
ソフトな扱いやすさはボルボの真骨頂だ。
勾配のある上りの首都高速へのアプローチでアクセルを踏み込み強く加速してみると、NA3.5Lを超えるトルクが上手に分散して安定感のあるトラクションを路面に伝える。
エンジンの剛性も高くエントリーモデルのXC40であるがプレミアム感は高い。
ボルボらしい安全と快適をうたっているのにふさわしいハンドリングだ。
T5 AWD InscriptionはスポーティなT5 AWD R-Designと同様の19インチのホイール仕様である。
乗り心地はゴツゴツとした雰囲気は一切なく、内外装ともに派手ではない大人の加飾を選べる仕様となっている。
必要十分なパワーとFFらしい軽快さをもつ『T4 Momentum』
最後に試乗したT4 Momentumの模様をお伝えしよう。
こちらはXC40ではエントリーモデルに内外装を華やかに装った仕様となっている。
こちらはエントリーモデルのT4ということで、出力も190馬力でトルクは30kgf・mを超える。
最高出力よりもドライバビリティと効率を狙ったエンジンといえる。
エンジン始動するとこれまた静粛性はとても良い。
走らせるとFFのせいか軽快でリアの収まりも良く、AWDよりもロードノイズによる静粛性も高い。
18インチとのマッチングがすこぶる良くできている。
乗り心地重視のFFモデルは、加速して大きくサスペンションをストロークさせると、フロントの接地性がおろそかになりハンドリングにも影響を与えるケースもあるが、新しい横置きエンジンのプラットフォームのエンジンとトランスミッションのマウンティングはとても良い相性のようだ。
出力もこれほどあればどこに行くにも全く問題ない。
FFモデルでも十分であるがプラスαの走行性能を求める人にはプラス20万円を支払ってAWDチョイスも良いだろう。
嫌味のない新しい輸入車のカタチをXC40は伝えてくれるはずだ。
【SPECIFICATIONS】※試乗車
■グレード:T5 AWD Inscription ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直列4気筒DOHC+ターボ ■総排気量:1968cc
■最高出力:185(252)/5500 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:350(35.7)/1800-4800[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8AT
■全長x全幅x全高:4425 × 1875 × 1660(mm) ■ホイールベース:2700mm
■車両価格:549万円(税込)
■グレード:T4 Momentum ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直列4気筒DOHC+ターボ ■総排気量:1968cc
■最高出力:140(190)/4700 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:300(30.6)/1400-4000[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:2WD ■トランスミッション:8AT
■全長x全幅x全高:4425 × 1875 × 1660(mm) ■ホイールベース:2700mm
■車両価格:439万円(税込)
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