▲2世代目となる人気のプレミアム・ミドルクラスSUV。2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車でもある。新しいアーキテクチャーや優れた内外装のデザイン、充実の安全・快適装備など、プレミアムモデルとして高い資質を備えた ▲2世代目となる人気のプレミアム・ミドルクラスSUV。2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車でもある。新しいアーキテクチャーや優れた内外装のデザイン、充実の安全・快適装備など、プレミアムモデルとして高い資質を備えた

ボルボ入魂の小気味好く静謐な世界観に酔うべし

XC90、V90とS90、V90クロスカントリーと、ボルボの新しいデザインに目が馴染んできた近頃。

同じくSPAアーキテクチャだし、新しいXC60は90シリーズの金太郎飴にならないかと少し心配していたのだが、それは杞憂だった。

走り出してすぐさま感じられたのは、90シリーズにはないキレ。2865mmというホイールベースはXC90に比べ120mmも短い。

旧型と比べたら+90mmほど延びたが、最小回転半径は5.7Mと従来より0.1M削ってきた。絶妙な磨かれ具合に、XC60がボルボの世界的ベストセラーかつ主力モデルであることを思い出す。

むしろ上位モデルとの共通項は、内装の雰囲気と心地よさだ。試乗車は白いナッパレザーのインスクリプションだったが、その静的質感の高さは旧型オーナーなら驚くレベルだろう。

浜辺に漂着した流木風仕上げの「ドリフトウッド」も、近頃サード・ウェイバーなボルボ・ワールド全開の北欧感。

この空間で淹れたてコーヒー飲んだらリア充確定、そんなお洒落偏差値の高いインテリアだ。

T5+アイシンの8速ATによる254psのAWDという既視感あるパワートレインは盤石で、スムーズさとパンチ力は申し分ない。

一方でオプションのエアサスは、ドライブモードがコンフォートのままだと路面の荒れた峠道で、乗り心地が多少ポヨポヨした。

スポ―ツに入れると車高が低まる分、劇的ではないにせよ動きは締まる。

走りのおうようさ、サイズ感からくる余裕は90シリーズがやはり上。

とはいえ軽快さならXC60は2枚ほど上手だし、後乗の視線の高さと居住性は特筆モノ。

ベーシック好きなら、T5指名買いもアリと思わせる出来映えだ。


▲歩行者・サイクリスト検知機能付きフルオートブレーキなど、16種類以上の安全・運転支援機能「インテリセーフ」を標準装備。自動運転「レベル2」相当となる運転支援機能、パイロット・アシストを採用。これは全車速追従機能付ACC作動時に車線中央を保持するように、ステアリング操作をアシストするもの ▲歩行者・サイクリスト検知機能付きフルオートブレーキなど、16種類以上の安全・運転支援機能「インテリセーフ」を標準装備。自動運転「レベル2」相当となる運転支援機能、パイロット・アシストを採用。これは全車速追従機能付ACC作動時に車線中央を保持するように、ステアリング操作をアシストするもの
▲インテリアはスカンジナビアンラグジュアリーを体現したクリーン&モダンなデザイン。メーター部の12.3インチディスプレイと縦型タッチスクリーンのセンターディスプレイを用い、直感的操作が可能な独自システム(センサス)を採用する ▲インテリアはスカンジナビアンラグジュアリーを体現したクリーン&モダンなデザイン。メーター部の12.3インチディスプレイと縦型タッチスクリーンのセンターディスプレイを用い、直感的操作が可能な独自システム(センサス)を採用する
▲ガソリン(2L直4スーパーチャージャー+ターボ/2L直4ターボ)、ディーゼル(2L直4ターボ)、プラグインハイブリッド(2L直4スーパーチャージャー+ターボ×モーター)という3種類のパワートレインが用意されている ▲ガソリン(2L直4スーパーチャージャー+ターボ/2L直4ターボ)、ディーゼル(2L直4ターボ)、プラグインハイブリッド(2L直4スーパーチャージャー+ターボ×モーター)という3種類のパワートレインが用意されている
text/南陽一浩
photo/郡大二郎

【SPECIFICATIONS】
■グレード:T5 AWD Inscription ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1968cc
■最高出力:187(254)/5500[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:350(35.7)/1500-4800[N・m(kgm)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8AT
■全長x全幅x全高:4690x1900x1660(mm) ■ホイールベース:2865mm
■車両価格:679万円