実用性の高い「4ドア・クーペ」はNAでもスポーティな走り

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コンセプト

実用的な印象よりもスタイリッシュなボルボ

ボルボのS60は今年1月に発売されたばかりの最新モデル。V70などと同じ上級車用のプラットフォームを使って作られたミドルセダンで、クーペにも似たCピラーを備えるなど、極めてスタイリッシュな外観をもつのが特徴だ。

デザイン的には直立したフロントグリルなどボルボの伝統を継承した部分と、環境コンセプトカーのECCから受け継いだ革新的な部分とを融合させたのがポイント。

ボルボというとエステートを中心に実用的なファミリィカーのイメージが強いが、このS60はデザインからもわかるようにスポーティなイメージを強めたモデルだ。

S60の中で、2.4はベーシックラインを受け持ち、M・ベンツCクラスやBMW3シリーズと競合するモデルだ。
室内&荷室空間

スタイリッシュだけど客室&荷室は実用十分

S60はV70に比べて全長が短めに抑えられているほか、傾斜を強めたCピラーによるクーペ風のデザインを採用するが、客室部分を前進させたキャビンフォワード(客室優先)のFFパッケージングを採用することで、インテリアには十分な居住空間が広がっている。

後席のヘッドクリアランス、レッグスペースとも実にゆったりしており、大人4人が乗るならとても快適な車といえる。

トランクルームの容量もFF車らしくたっぷりと確保され、ゴルフバッグを4人分収納することができる。しかも後席のシートが分割可倒式となるほか、助手席のシートを前に倒すことで、なんと3.17mまでの長尺物も積載することが可能だ。ボルボ車らしく荷物の積載性には何の不満もない。
  • ボルボ S60 2.4 フロントシート|ニューモデル試乗
  • ボルボ S60 2.4 エンジン|ニューモデル試乗
ドライブフィール

高回転まで回してもスムーズなNAエンジン

自然吸気の2.4Lエンジンは170psの出力で、ターボ仕様のエンジンを搭載する2.4TやT-5には劣るものの、ミドルセダンのボディに対して必要十分な動力性能。

吹け上がりそのものも軽快感のあるもので、発進からアクセルを踏み込んでいくとレッドゾーンの始まる6100回転を超えるところまで回っていくスムーズさがある。高回転まで回したときの振動や騒音もよく抑えられており、自然吸気の良さが出たエンジンだ。

5速ATの変速もスムーズなもので、タウンモードやクルージングモードで使うには何の不満もない。ただ積極的にレバーを操作しようとするとやや扱いにくさが感じられた。また足回りはかなり硬めのチューニングで、スポーティさを感じさせるものだった。
こんな人にオススメ
30代から40代のファミリィ層で、まだ子供が小さいユーザーにお勧め。子供が小学校高学年から中学生になるとミニバンがお勧めになるが、小さな子供ならセダンのほうが良い面もある。夫が一人で乗るときにはスポーティな走りが楽しめるし、女性が乗っても似合う車だ。
SPECIFICATIONS
グレード S60 2.4
駆動方式 FF
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4575 x 1815 x 1430
ホイールベース(mm) 2715
車両重量(kg) 1490
乗車定員 5人
エンジン種類 直列5気筒DOHC
総排気量(cc) 2434
最高出力 125kW(170ps)/5800rpm
最大トルク 230N・m(23.5kg-m)/4500rpm
車両本体価格 395万円
写真:芳賀元昌 文:松下 宏