ボルボ V70 T-5 【プレイバック試乗記】
カテゴリー: ボルボの試乗レポート
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2009/06/15
※この記事はカーセンサー関東版43号(2000年11月16日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
ターボラグを感じない加速力を思い通りのギアシフトで楽しむ
↑輸入車のトップモデルとして長期にわたり人気を集めているV70(左)ボディカラーは、シルバーメタリックとダークグレーパールの2 色のみとなる(右)
ボルボV70 T-5は2000年4月のフルモデルチェンジと同時に500台限定で発売され、即完売となったグレード。
その2001年モデルが今度は400台の限定で発売された。2001年モデルでは、5速ATがシーケンシャルシフト機構をもつギアトロニックとなったこと、DSTC(スタビリティ&トラクションコントロール機構)が新設定となる。
エンジンは直5の2.3Lターボで250ps/5200rpmを得ており、最大トルクはボルボのターボの常で2400~5200rpmの広範囲で33.7kgmを発生させる扱いやすいもの。今では数少ないFFのターボ車であり、かつ沸き上がるような強力なトルクをもつことから、急加速ではあからさまなトルクステアを生じることもあるが、抑えるのに力むほどではない。直5特有のやや濁り感のある、しかし不快ではないサウンドを軽く響かせながら、ターボラグをほとんど感じさせない直線的な加速を堪能させてくれた。レスポンスも十分に高く、アクセルワークに従順に応えてくれ、さらにギアトロニクスが採用されたことで、意に沿ったシフトが可能になっていた。
スペース効率、安全性の高さで軽快なスポーティな走りを実現
↑ベースのV70と同様の内装。T-5は本革シート、レザーシフトノブを標準で装備する(左)1:2 の分割可倒式リアシートなどにより、最大1641mmのラゲージを確保する(右)
一方、サスペンションは、ワインディングを思い切り駆け抜けるようにはしつけられていない。
もっとも、そうした時にもボルボらしくアンダーステアに終始する安定性をみせ、さらにその域を超えるとDSTCが効果的に作動し破綻を防いでいる。本領発揮の場は高速巡航で、強力な加速と直進安定性の高さ、快適なシートなど、スポーツ仕様にふさわしい性格づけなのである。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | T-5 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | 5AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4710×1815×1470 |
ホイールベース(mm) | 2755 |
車両重量(kg) | 1620 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直5DOHC ハイプレッシャーターボ |
総排気量(cc) | 2318 |
最高出力[ps/rpm] | 250ps/5200rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 33.7kg-m/2400-5200rpm |
10・15モード燃費(km/L) | 9.1 |
ガソリン種類/容量(L) | ハイオク/80 |
車両本体価格 | 570.0万円 |
齋藤慎輔の責任採点
コンセプト | 4点 | 取り回し | 2点 | 加速性能 | 5点 | ブレーキ性能 | 3点 |
フィニッシュ | 5点 | 操作系の使い勝手 | 3点 | 乗り心地 | 3点 | 環境対策 | 4点 |
前席居住性 | 4点 | ラゲージルーム | 4点 | 操縦安定性 | 3点 | 燃費 | 2点 |
後席居住性 | 4点 | パワー感 | 5点 | 高速安定性 | 4点 | ステータス | 5点 |
内装の質感 | 4点 | トルク感 | 5点 | しっかり感 | 4点 | コストパフォーマンス | 5点 |
得点合計 | 78/100 |
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