▲“Jブレード”デザインのLEDポジションランプを備えたLEDヘッドライトを新採用。フロントバンパーも新しいデザインが採用された ▲“Jブレード”デザインのLEDポジションランプを備えたLEDヘッドライトを新採用。フロントバンパーも新しいデザインが採用された

心臓は仔猫でも、ジャガーはジャガー

2018年モデルはスタイリングに少し変更が入って、新たに2Lの4気筒ターボ“インジニウム”エンジンを積むと聞いていた。

ジャガーのスポーツカーも形無し、という空気が国際試乗会に参加したジャーナリストを支配していた。

ところがFタイプに試乗したボクは、ワインディングロードへ飛び出した途端に上機嫌になっていた。

なぜならそれは、軽すぎず、シャープすぎず、GTらしさを残したうえで、ご機嫌に楽しめるまさにジャガーのスポーツカーだったからだ。

4気筒を積むというから、マルチシリンダーに比べて、もっと薄味になっているかと思いきや、前アシは意外にしっとりと動くし、接地フィールや応答性も問題なく、そして十分なパワー感で進んでいく。

乗り心地にも、軽薄さがまるでない。とても良いスポーツカーに出会った感じがするという点で、これはまさしく英国製であった。Fタイプならこれで十分かも。

もっとも、音作りには苦心があったのだろう。アイドリングから勇ましい音がして、「6発なにくそ、8発なんぼのもんじゃ」という心意気だけは認める。

けれども、まるで小太鼓を連打するようなエグゾーストノートはちょっと興ざめ。

マルチに負けない音量や音質をムリに目指すのではなく、小さな笛には小さいなりの洒落たメロディが似合うと思うのだけれども。

▲往年の名車の流れをくむ流麗な2シーターオープン&クーペが2018年モデルに進化、ラインナップを28グレードと大幅に拡充した。2Lの4気筒ターボを搭載するエントリーモデルも追加されている ▲往年の名車の流れをくむ流麗な2シーターオープン&クーペが2018年モデルに進化、ラインナップを28グレードと大幅に拡充した。2Lの4気筒ターボを搭載するエントリーモデルも追加されている
▲軽量マグネシウムフレームを用いた新開発のパフォーマンスシートを用意。タッチ操作で利便性を高めたインフォテインメント・システムも搭載された ▲軽量マグネシウムフレームを用いた新開発のパフォーマンスシートを用意。タッチ操作で利便性を高めたインフォテインメント・システムも搭載された
▲2LターボエンジンはCVVLをはじめとした数々の新技術を採用。フロントアクスルを中心に52kgの軽量化、シャシーチューンや重量バランスの調整などが施されている ▲2LターボエンジンはCVVLをはじめとした数々の新技術を採用。フロントアクスルを中心に52kgの軽量化、シャシーチューンや重量バランスの調整などが施されている

【SPECIFICATIONS】
■グレード:COUPE(2L) ■乗車定員:2名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1995cc
■最高出力:300(221)/5500[ps(kw)/rpm]
■最大トルク:400/2000[N・m/rpm]
■駆動方式:FR ■トランスミッション:8AT
■全長x全幅x全高:4480x1925x1315(mm) ■ホイールベース:2620mm
■車両価格:794万円

text/西川淳
photo/ジャガー・ランドローバー・ジャパン