▲今回試乗したのは、2019年4月に国内販売が開始されたアルファロメオのディーゼル搭載車、ジュリア 2.2 ターボ ディーゼル スーパー、ステルヴィオ 2.2 ターボ ディーゼル Q4 4WD。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による公道試乗の模様をレポートする。かつてない興奮とパフォーマンスを実現する、ディーゼルエンジンを搭載したジュリアとステルヴィオ ▲今回試乗したのは、2019年4月に国内販売が開始されたアルファロメオのディーゼル搭載車、ジュリア 2.2 ターボ ディーゼル スーパー、ステルヴィオ 2.2 ターボ ディーゼル Q4 4WD。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による公道試乗の模様をレポートする。かつてない興奮とパフォーマンスを実現する、ディーゼルエンジンを搭載したジュリアとステルヴィオ

アルファロメオらしい走りを実現させるスポーツ・ディーゼル

アルファロメオが数々のスポーツカーを世に送り出した、世界的に名をはせた自動車メーカーであることを知らない方も多い。

今年は「アルファロメオ・レーシング」として、F1にもフル参戦するなどレーシングフィールドでも活躍している。

特徴的なデザインにアルファロメオ特有なハンドリングを、今日まで伝統的に継承している孤高の自動車メーカーである。

今回、最新ディーゼルユニットを搭載した2019年4月から日本国内で発売されている、アルファロメオ ジュリア 2.2 ターボ ディーゼル スーパー、アルファロメオ ステルヴィオ 2.2 ターボ ディーゼル Q4 4WDの2台の試乗を箱根ターンパイクにて行った。

ここで、ディーゼルエンジンと聞いて最初からスポーティさとは無縁の印象を抱いている方がいたら、今日から払拭していただきたい。

ちなみに、ヨーロッパのスピードが求められる高速やアルプスの山間部での鋭い加速を味わうのであれば、断然ディーゼルである。

よって、今回の箱根の急勾配なワインディングを楽しむのにはもってこいの車種たちだ。
 

▲生い茂る新緑の峠に洗練されたイタリアンデザインが映える ▲生い茂る新緑の峠に洗練されたイタリアンデザインが映える

アルファロメオ ジュリア 2.2 ターボ ディーゼル スーパー

初めに試乗したのが、スポーツサルーンモデルの“アルファロメオ ジュリア 2.2 ターボ ディーゼル スーパー”である。

ジュリアは次世代を見据えてアルファロメオが、縦置きエンジンとリアドライブのプラットフォームを初めて採用したモデルだ。

ディーゼルモデルということでエンジン音が気になるところだが、始動すると静粛性は驚くほど高い。

外にいなければディーゼルと気がつかない人もいるのではないかと思うほどなのである。

ドイツのZFフリードリヒスハーフェン社製の8速ATをDレンジに入れて走り出す。

ATのシフトプログラムが8速であるが、走り出しはMTのようでありシームレスな雰囲気でも扱いやすくスポーティさが非常に際立つ。

サスペンションはしなやかで非常に乗り心地がよい。

少し加速をさせるとバックレストに背中が軽く抑えられるが、その状態でも姿勢はフラットを維持する。

明らかにガソリンモデルよりも鋭い加速だ。

コーナーに差しかかりブレーキングをしてステアリングを軽く入れた瞬間に、全長4.7mに達するスポーツサルーンの動きは軽やかに豹変し俊敏な動きを見せる。

これがアルファロメオ伝統のハンドリングだ。

動き出しを機敏にし、安定化を図る独特なセッティングである。

こういう感触は乗ってみなければ理解できないと断言できる。

また、当日は雨が振っており、路面とのコンタクトが難しく、ドライバーが不安を感じる状況下であったため、サスペンションがしなやかでなければいけない。

その点、アルファロメオ ジュリア 2.2 ターボ ディーゼル スーパーはFRでありながらフロントの路面とのコンタクトをとるセッティングにより、スタビリティがとても良い。

洗練されたエクステリアのデザインの好みは分かれるところであろうが、インテリアのそれは柔らかくそれでいてモダンなウッドのあしらい方が、おしゃれな高級家具店が軒を並べるインテリアの激戦区イタリアでしのぎを削る、アルファロメオの技術とデザイン性の高さを感じる瞬間だ。

ガソリンモデルではモノ足らなく感じる箱根の上り坂を、一気に心地よい走りに感じさせる、それがアルファロメオ ジュリア 2.2 ターボ ディーゼル スーパーである。
 

▲FRレイアウトに、縦置きアルミニウム製エンジンやカーボン製プロペラシャフトを配置。シャシー全体への理想的な重量配分を実現 ▲FRレイアウトに、縦置きアルミニウム製エンジンやカーボン製プロペラシャフトを配置。シャシー全体への理想的な重量配分を実現
▲ディーゼル車を感じさせない静粛性も魅力のひとつ ▲ディーゼル車を感じさせない静粛性も魅力のひとつ

アルファロメオ ステルヴィオ 2.2 ターボ ディーゼル Q4 4WD

続いて、アルファロメオ ステルヴィオ 2.2 ターボ ディーゼル Q4 4WDの試乗だ。

アルファロメオ ステルヴィオ 2.2 ターボ ディーゼル Q4 4WDは、アルファロメオ ジュリア 2.2 ターボ ディーゼル スーパー に比べ、車両重量で220kgほど重量がかさむ。

両者とも同様のエンジンではあるが、その分出力は20psほど高い210psとなっている。

しっかりとSUV対応のプラットフォームは、音と振動も申し分ない。

走り出しはやはり、少々重さも感じるが走り出してしまえば問題はない。

静粛性はサルーンに比べて少し落ちる。

しかし、SUVとなってもステリングの反応はさすがだ。

最低地上高が高くなっていることも考えられるが、サスペンションはジュリアと比べると少々硬めである。

それでもボディ剛性が高く、少しもひ弱さを感じさせない。

ドライビングポジションは高いが不安を感じさせない、伝統的なハンドリングは健在だ。

ブレーキの剛性感もさすがブレンボを育てた、アルファロメオらしいコントロール性がとても高い。

また、四輪駆動とは思えないリアから押し出すFRのような加速も感じる。

上りのタイトなコーナでは加速するとフロントにも動力が自然と加わっていて、引っぱって行ってくれる感触がステアリングと加速から感じられる。

両モデルともに、類を見ない孤高のハンドリングでディーゼルエンジンを巧みに利用している。伝統の“アルファロメオ”を顕著に感じられることは言うまでもない。
 

▲しなやかなサイドのラインは躍動感を醸し出し、スポーティなそのフォルムが乗車前から胸を踊らせる ▲しなやかなサイドのラインは躍動感を醸し出し、スポーティなそのフォルムが乗車前から胸を踊らせる
▲ステルヴィオは充実した収納機能も魅力のひとつで、525Lの積載用量を実現 ▲ステルヴィオは充実した収納機能も魅力のひとつで、525Lの積載用量を実現
▲インテリアコード411のブラック/レッドはかなり目を引く仕様でステルヴィオのディーゼルモデルのみにラインナップされている ▲インテリアコード411のブラック/レッドはかなり目を引く仕様でステルヴィオのディーゼルモデルのみにラインナップされている
▲シートのビビッドなレッドが作り込まれたインテリアに映える ▲シートのビビッドなレッドが作り込まれたインテリアに映える
▲スポーツドライビングに最適化された「ダイナミック(D)」、市街地走行用の「ノーマル(N)」、滑りやすい状況下でのコントロール性能を向上させる「オールウェザー(A)」の3種類のドライブモードを自由に選べるALFA DNA ドライブモードシステムを搭載 ▲スポーツドライビングに最適化された「ダイナミック(D)」、市街地走行用の「ノーマル(N)」、滑りやすい状況下でのコントロール性能を向上させる「オールウェザー(A)」の3種類のドライブモードを自由に選べるALFA DNA ドライブモードシステムを搭載
text/松本英雄
photo/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】
●アルファロメオ ジュリア 2.2 ターボ ディーゼル スーパー

型式 3DA-95222 最小回転半径 5.4m
駆動方式 FR 全長×全幅×全高 4.65m×1.87m×1.44m
ドア数 4 ホイールベース 2.82m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.56m/1.63m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1600kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

アルファホワイト、アルファレッド

オプション色

ヴェスヴィオグレーメタリック、モンテカルロブルーメタリック、ブルカノブラックメタリック、ミザーノブルーメタリック

掲載コメント

-

エンジン型式 46335975 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 58リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 2142cc 燃費(WLTCモード) 17.2km/L
└市街地:11.8km/L
└郊外:18.1km/L
└高速:20.6km/L
燃費基準達成 -
最高出力 190ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
450(45.9)/1750
型式 3DA-95222
駆動方式 FR
ドア数 4
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 アルファホワイト、アルファレッド
オプション色 ヴェスヴィオグレーメタリック、モンテカルロブルーメタリック、ブルカノブラックメタリック、ミザーノブルーメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.4m
全長×全幅×
全高
4.65m×1.87m×1.44m
ホイール
ベース
2.82m
前トレッド/
後トレッド
1.56m/1.63m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1600kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 46335975
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 2142cc
最高出力 190ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
450(45.9)/1750
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 58リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 17.2km/L
└市街地:11.8km/L
└郊外: 18.1km/L
└高速: 20.6km/L
燃費基準達成 -

【試乗車 諸元・スペック表】
●アルファロメオ ステルヴィオ 2.2 ターボ ディーゼル Q4 4WD

               
型式 3DA-94922 最小回転半径 6m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.69m×1.91m×1.68m
ドア数 5 ホイールベース 2.82m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.61m/1.65m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1820kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

アルファホワイト、アルファレッド

オプション色

ストロンボリグレーメタリック、ブルカノブラックメタリック、モンテカルロブルーメタリック

掲載コメント

-

エンジン型式 55284529 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 64リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 2142cc 燃費(WLTCモード) 16km/L
└市街地:12.1km/L
└郊外:16.4km/L
└高速:18.3km/L
燃費基準達成 -
最高出力 210ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
470(47.9)/1750
  
型式 3DA-94922
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 アルファホワイト、アルファレッド
オプション色 ストロンボリグレーメタリック、ブルカノブラックメタリック、モンテカルロブルーメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 6m
全長×全幅×
全高
4.69m×1.91m×1.68m
ホイール
ベース
2.82m
前トレッド/
後トレッド
1.61m/1.65m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1820kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
   
エンジン型式 55284529
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 2142cc
最高出力 210ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
470(47.9)/1750
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 64リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 16km/L
└市街地:12.1km/L
└郊外: 16.4km/L
└高速: 18.3km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。