※この記事はカーセンサー関東版6号2000年2月24日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
(Tester/河口 まなぶ Photo/芳賀 元昌)

無理をしていない「素」の美しさを持ち合わせているシンプルな一台

シトロエン クサラ 走り|ニューモデル試乗 シトロエン クサラ リアスタイル|ニューモデル試乗
↑2000年モデルとして新たにラインナップされたクサラ1.6SX(左)飾り気はないけれど、そのシンプルさが素敵に思えるのはフランス車ならでは(右)
2000年モデルとして新たにラインナップされたクサラ1.6SX は、車生活をオシャレなものにしてくれるような「素肌美人」的資質をもったモデルだと言える。「シトロエン」という名前を聞くと、少々変わった車をイメージする人が多いだろうが、クサラは、毎日使っても飽きのこないシンプルな車に仕上がっている。

登録は3ナンバーだが、全幅がわずかに1700mmを超えるだけなので、扱いやすさは5ナンバーと何ら変わりはない。過剰なスペック競争は一切しておらず、搭載されるエンジンも、1.6L直列4気筒SOHCで実用性を重視した性格になっている。足回りもシトロエンならではのハイドロという機構はもたず、通常のスプリングなので、走り味に違和感を覚える人も少ないはず。

「ノーメイク」の美しさという不思議な魅力を持つ

シトロエン クサラブレーク フロントスタイル|ニューモデル試乗 シトロエン クサラ エンジン|ニューモデル試乗
↑279万円でワゴンも用意されている。多彩なシートアレンジで荷物もバッチリ積める(左)1.6L直4は90ps/kg-mの実力。スペックでは語れない気持ちよさをもつ(右)
こうして見ると、その内容は国産同クラスと何ら変わりないので、これを買う意味は? とも思うだろうが、これが実はちゃんとある。スタイルから始まってインテリア、走り味など、どれを取っても飛び抜けたところはないが、実際に触れて走ってみると不思議と惹かれるものがあるのだ。特別に静かなワケでもない、乗り心地は良いが圧倒的に優れるワケでもない。ではその理由は何か?

これこそがシトロエンの魔法のようなもの。確かに高性能/超快適ではないが、といって不快なところもない。つまり、背伸びも無理もしない、身の丈に合った感覚を持ち合わせているとでも表現できよう。

ごくごく当たり前のことだけど、それが当たり前にできている車って、なかなか存在しない。そういう意味でこの車は「ノーメイク」の美しさを持っている。
主要諸元のグレード クサラ1.6SX
駆動方式 FF
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4165×1710×1405
ホイールベース(mm) 2540
車両重量(kg) 1120
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4SOHC
総排気量(cc) 1587
最高出力[ps/rpm] 90ps/5600rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 14.0kg-m/3000rpm
10・15モード燃費(km/L)
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/54
車両本体価格 211.0万円

コンセプト 5点
フィニッシュ 3点
前席居住性 3点
後席居住性 3点
内装の質感 3点
取り回し 3点
操作系の使い勝手 3点
ラゲージルーム 3点
パワー感 3点
トルク感 3点
加速性能 3点
乗り心地 4点
操縦安定性 3点
高速安定性 3点
しっかり感 3点
ブレーキ性能 3点
環境対策 3点
燃費 3点
ステータス 3点
コストパフォーマンス 3点
得点合計 62/100