シトロエン グランドC4ピカソ【試乗レポート】(藤野太一)
2015/01/29
唯一無二の存在。ミニバンではなくピカソである
「空とドライブするように」
後席に座って上を見上げたとき、広報担当氏がそう表現していた意味がはっきりとわかった。5.7平方メートルもの広さをもつガラスルーフの効果は圧倒的。紅葉と空のコントラストに感動した。
7年ぶりにフルモデルチェンジされた2代目C4ピカソには、7シーターの「グランドC4ピカソ」と5シーターの「C4ピカソ」の2モデルが用意されている。この5シーターと7シーター、顔つきはとても似ているものの、全長も全高もホイールベースも異なるためサイドやリアスタイルの印象は大きく違う。実はそれぞれ別のデザイナーが担当したというから面白い。
それは見た目だけでなく、乗り味の違いにも現れている。7シーターの方がよりしなやかだ。いずれもその操縦安定性の高さ、懐の深さに驚く。ゆっくり走っても、飛ばしてもいい。
PSAが新開発したプラットフォームEMP2に新型1.6LターボとアイシンAW製6速ATを組み合わせる。動力性能に何ら不足はない。先代では不満の残ったロボタイズドミッションが最新のトルコンATとなったことは、多くの人にとって朗報だろう。
“テクノスペース”をコンセプトに先代のファニーな印象とはまったく異なる内外装デザインをまとってはいるが、シトロエンらしい乗り味も独創性も何ら変わらない。国産ミニバンとは明確に一線を画す。
ピカソじゃなきゃダメなんだとモデルチェンジを心待ちにしていた人たちも、ロボタイズドであることが気がかりであと一歩踏み込めなかった人たちもきっと納得のモデルである。
シトロエンの門戸はこの新型グランドC4ピカソで大きく開かれた。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:Exclusive ■乗車定員:7名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1598cc
■最高出力:121(165)/6000[kW(ps)/rpm]
■最大トルク:240(24.5)/1400-3500[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:6AT
■全長×全幅×全高:4600×1825×1670(mm) ■ホイールベース:2840mm
■車両重量:1550kg
■JC08モード燃費:14.6km/L
■車両本体価格:378万円(税込)
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