ルノー カングー▲キュートなスタイルと実用性の高さで人気のカングーが3代目へとモデルチェンジ。日本のファンのため、国内仕様はダブルバックドアやブラックバンパーを踏襲している

ブラックバンパーとダブルバックドアの組み合わせは日本仕様のみ

3代目となる新型カングーが日本に上陸した。カングーは、フランスでは親しみを込めて「LUDOSPACE(ルドスパス)=遊びの空間」と呼ばれているという。ラテン語で“遊び”を意味する「LUDOS」と、フランス語で“空間”を意味する「ESPACE」を組み合わせた造語で、初代から受け継がれているカングーのコンセプトだ。

新型は、ルノー・日産・三菱 アライアンスによって新たに開発されたミドルクラス用の「CMF-C/D」プラットフォームを採用。ボディサイズは、全長4490mm、全幅1860mm、全高1810mm。ホイールベースは 2715m。旧型比で全長+210mm、全幅+30mm、ホイールベースは15mm延伸している。

ラゲージサイズは、床面長が通常時1020mm(旧型比+100mm)、後席を折りたたむと 1880mm(+80mm)、荷室容量は通常時で77 L(旧型比+115L)、後席を折りたたむと 2800L(旧型比+132L)の大容量となる。また、荷室はダンボールなどを積んだ際にもデッドスペースが少なくなるようスクエアな形状となっている。

そして、カングーのトレードマークのひとつである、観音開きのダブルバックドアを新型でも採用する。約 90°の位置で一度ロックがかかり、それを解除すると約180°まで開く仕組みだ。フロンドアは約90°まで大きく開き、両側スライドドアの開口部は615mmと、乗員の乗り降りに加え、チャイルドシートや荷物の出し入れも容易に。スライドドアは開閉機構の見直しにより軽い力での操作が可能となっている。

エクステリアでは、最新のフルLEDヘッドライトを装備。フロントにはCシェイプデイタイムランプを、リアランプにもCシェイプシグネチャーを取り入れている。ボディカラーには、もうひとつのカングーのトレードマークである黒バンパー仕様(クレアティフ、ゼン)を設定し、それ以外にボディ同色仕様(インテンス)を選ぶことも可能となっている。
 

ルノー カングー▲観音開きのダブルバックドアとブラックバンパーは、欧州では商用車のみに備わる

室内に乗り込むと、フランス車の美点であるたっぷりとした座面のシートが体をやさしく、かつしっかりとサポートしてくれる。マルチファンクション機能付き本革巻きステアリングホイールは、しっとりと上質な手触り。メーターは7インチのデジタルインストゥルメントパネルに、センターに8インチのスクリーンを備える。ナビゲーションは搭載せず、スマートフォンミラーリング機能を使用することを前提とする。iPhoneかAndroid端末をつなげば、SiriやGoogleアシスタントを利用しての音声操作も可能だ。また先代と同様に、メーターの奥のインストゥルメントパネルアッパーボックスや前席頭上にあるオーバーヘッドコンソールなど、至るところに小物入れが用意されている。2列目シートは、3座独立タイプで膝まわりや頭上まわりも余裕たっぷり。シートバックは6:4分割式となっている。

パワートレインは、1.3Lの直列4気筒ガソリンターボと、1.5L直列4気筒ディーゼルターボの2種で、ともに湿式デュアルクラッチを備えた7速オートマチック(EDC)を組み合わせる。カングーファン待望のMTの設定はいまのところないが、これまでも様々な限定車にMTを設定してきただけに、導入の可能性はゼロじゃないはずだ。

ガソリン仕様が最高出力131ps、最大トルク240N・mでWLTCモード燃費は15.3km/L、ディーゼル仕様が、最高出力116ps、最大トルク270N・mでWLTCモード燃費は17.3km/L。価格はディーゼルの方が24万円高い。

スペックからも見てとれるようにディーゼルの方がトルクフルだが、ガソリン仕様も負けず劣らず軽快に走る。その違いはディーゼル仕様がガソリン仕様に比べて約90kg重いことに関係しているはず。高速道路での長距離ドライブをメインに、燃費のいいものをというならディーゼルを、市街地での走行がメインならガソリンを選びたい。
 

ルノー カングー▲ダッシュボードは水平基調のデザインで、ブラッシュアルミ調のパネルやクロームパーツで飾られる
ルノー カングー▲ファブリック×レザー調コンビシートを全グレードに標準装備

カングーの大きな魅力である走りの良さは、さらに磨きがかかっている。新プラットフォームの採用によりボディ剛性や静粛性も大幅にアップ。サスペンションがスムーズにストロークしながらも、ロールの量は最小限に抑えられており、路面をしっかりとトレースしながらひたひたと走る。ステアリングレシオは従来モデルの17:1から15:1へと、よりクイックに変更されている。

そして、先代に設定のなかったADAS(先進運転支援システム)は、一気に最新バージョンを標準装備する。アクティブエマージェンシーブレーキをはじめ、アダプティブクルーズコントロールと、レーンセンタリングアシストを統合したハイウェイ&トラフィックジャムアシストなど、かなり充実している。これがあれば長距離ドライブの疲労はかなり軽減されるはずだ。

昨年開催されたカングーファンが集うイベント「ルノーカングージャンボリー2022」には全国から約1800台ものカングーが参加し、世界最大規模のファンミーティングになったという。すべての面においてアップデートされた新型は、これまでのファン層の幅をさらに広げるに違いない。
 

ルノー カングー▲ボディ同色バンパーのインテンスと、ブラックバンパーのクレアティフ、ゼンをラインナップ
ルノー カングー▲615mmと開口部の広いスライドドアを両側に採用。開閉機構の見直しで先代より軽い力で開閉ができる
ルノー カングー▲エンジンは1.3L直列4気筒ガソリンターボと、1.5L直列4気筒ディーゼルターボ(写真)をラインナップ
ルノー カングー▲3座のリアシートは6:4分割可倒式を採用する
ルノー カングー▲オーバーヘッドコンソールをはじめ、室内の収納が多いのも先代同様
ルノー カングー▲ラゲージルームの床面長は旧型比+100mmの1020mm(通常時)と広くなった
文/藤野太一 写真/尾形和美

先代のルノー カングー (2代目)の中古車市場は?

ルノー カングー (先代)

本国では2007年に登場、日本では2009年から販売された2代目モデル。キープコンセプトながら、5ナンバーサイズだった初代から3ナンバーサイズへと拡大している。

2023年4月前半時点で、中古車市場には340台近くが流通している。個性豊かな特別仕様も多数流通しているので、好みの1台を見つける作業やその時間も楽しいのではないだろうか。新型にはまだ設定のない、MT仕様が70台程度流通しているのも注目だ。
 

▼検索条件

ルノー カングー (2代目)× 全国
文/編集部、写真/ルノー・ジャポン

【試乗車 諸元・スペック表】
●クレアティフ 7EDC

型式 3BA-KFKH5H 最小回転半径 5.6m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.49m×1.86m×1.81m
ドア数 5 ホイールベース 2.72m
ミッション 7AT 前トレッド/後トレッド 1.58m/1.59m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1560kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

ブランミネラル、ジョンアグリュム

オプション色

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掲載コメント

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型式 3BA-KFKH5H
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 7AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ブランミネラル、ジョンアグリュム
オプション色 -
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
最小回転半径 5.6m
全長×全幅×
全高
4.49m×1.86m×1.81m
ホイール
ベース
2.72m
前トレッド/
後トレッド
1.58m/1.59m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1560kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 H5H 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 54リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1333cc 燃費(WLTCモード) 15.3km/L
└市街地:12.2km/L
└郊外:15.5km/L
└高速:17km/L
燃費基準達成 -
最高出力 131ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
240(24.5)/1600
エンジン型式 H5H
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1333cc
最高出力 131ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
240(24.5)/1600
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 54リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 15.3km/L
└市街地:12.2km/L
└郊外: 15.5km/L
└高速: 17km/L
燃費基準達成 -