ルノー アルカナ▲2022年に登場したクーペSUVのR.S.ライン E-TECH ハイブリッドに代わる新グレード。パワートレインなどに変更はないものの、内外装の意匠を大幅に変更している

ハイブリッドへの先入観を覆す、ダイレクトで爽快感ある走り

鮮やかなコスチュームチェンジ、完了である。当初、R.S.ライン E-TECH ハイブリッドから導入されたルノーの新しいクーペSUVであるアルカナ。しかしながら、アルピーヌとの統合によるルノー・スポール ブランドの終了によって、新たな意匠をまとうことになった。それがルノー アルカナ E-TECH エンジニアードだ。

その外観で印象的なのが、各部にあしらわれたウォームチタニウムカラーである。フロントのウイング形状となったF1ブレードをはじめ、車体の各部にあしらわれたこのメタリックな差し色が、前後エンブレム、フロントグリルガーニッシュなどのブリリアントブラックとのマッチングによって、クールで未来的な雰囲気を作り出している。

用意される3色のボディカラーも、いずれも絶妙のマッチングを見せる。カラーコーディネートだけでこれほど印象を一変させるとは、さすがである。

インテリアも、やはりステアリングホイールやシートなどのステッチをはじめ各部にウォームチタニウムが使われている。素材などには違いはないのに、グッとシックな感じとなっている。
 

ルノー アルカナ▲ルノーの伝統色であるイエローに電動技術の未来的なイメージを加え、再解釈したアクセントカラーがウォームチタニウム
ルノー アルカナ▲インテリアデザインに変更はないものの、アクセントカラーにウォームチタニウムが採用されている

ハードウェアには変更はない。E-TECHは輸入車では希少な2モーターのフルハイブリッドシステムで、1.6Lエンジンと大小2つの電気モーターに、ドッグクラッチを使ったマルチモードATを組み合わせているのが特徴だ。

発進は常に駆動輪と直結された出力が大きい方のE-モーターで行われるので、滑らかかつ力強い。加速していくと程なくしてエンジンが始動しての走行になる。

ここで嬉しくさせるのがアクセル操作に対する反応の切れ味の良さで、さすが段付きのATらしい。ハイブリッドといえばレスポンスが緩慢で……という先入観は、すぐに覆されるに違いない。

変速の歯切れ良さも、気分を盛り上げる要素だ。利いているのはドッグクラッチの採用。とはいっても競技車両に使われるような技術だけに、そのままではショックが大きくなってしまうところだが、E-TECHはこのときに、普段はエンジンスタートや充電に従事している小さい方の電気モーター、ハイボルテージスターター&ジェネレーター(HSG)の力でギアの回転合わせもしてくれるので、変速は至極スムーズに済まされる。

要するに低速域から滑らかで、力強く走るだけでなく、車好きにとって嬉しいダイレクト感、爽快感も備えているのが、このE-TECHなのである。さらに忘れてはならないのが燃費の良さで、WLTCモードで22.8km/Lとクラストップの数値を達成している。そして、実電費は往々にしてそれを上回るほどなのだ。
 

ルノー アルカナ▲最高出力94ps/最大トルク148N・mの1.6L自然吸気エンジンに、49ps/205N・mのメインモーターと20ps/50N・mのサブモーターを組み合わせる

フットワークにも変化はないが、今回の試乗車はルノー・ジャポンが用意するCOXボディダンパーを装着していた。車体の細かなねじれや共振を減衰させることで操縦安定性や乗り心地の向上を図るこのアイテム、筆者は以前に自分の所有車にも装着していたことがあり、効果はよく実感している。

乗り心地は標準車でちょっと気になる路面からの当たりが丸くなり、ステアリングフィールも多弁に。全体に雑味がなくなり、スッキリとする。大きく違うわけではないのに明らかに別物の乗り味は、アルカナのうまみを損なうことなく全体を一段上のレベルに引き上げていて、とても好印象だった。

日本でのルノーといえばカングーとルノー・スポール。そんなイメージはじわり過去のものになっていきそうである。ファッション性と走りの楽しさ、高い快適性に優れた燃費まで兼ね備えたアルカナ E-TECH エンジニアードのようなモデルが、今後のルノーのけん引車になるのは間違いない。
 

ルノー アルカナ▲ウォームチタニウムのエグゾーストフィニッシャーに、ブリリアントブラックのリアスポイラーとスキッドプレートを採用
ルノー アルカナ▲18インチアロイホイールにもウォームチタニウムのアクセントが入る
ルノー アルカナ▲ウォームチタニウムのステッチが入った専用レザー/スエード調シートを採用
ルノー アルカナ▲クーペスタイルながら後席は比較的広く快適。シートは60:40の分割可倒式を採用する
ルノー アルカナ▲ラゲージ容量は通常(5名乗車時)で480Lを確保

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ルノー アルカナ× 全国
文/島下泰久 写真/柳田由人

ライバルとなるプジョー 3008(現行型)の中古車市場は?

プジョー 3008(現行型)

2017年にフルモデルチェンジを果たし2代目となったミドルクラスSUV。先代よりSUVテイストを強めたエクステリアデザインが特徴のひとつ。2021年の改良でフロントマスクのデザインを変更、システム総合出力300psを誇るプラグインハイブリッドモデル「GTハイブリッド4」もラインナップした。

2023年8月前半時点で、中古車市場にはおよそ300台が流通しており、その半数ほどが2021年以降の改良モデルとなる。平均中古車価格は340万円。現行のプジョーラインナップで唯一の4WDモデルでもあるGTハイブリッド4もおよそ30台が流通している。
 

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プジョー 3008(現行型)× 全国
文/編集部、写真/Stellantisジャパン

【試乗車 諸元・スペック表】
●イーテック エンジニアード

型式 7AA-LJLH4MH 最小回転半径 5.5m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.57m×1.82m×1.58m
ドア数 5 ホイールベース 2.72m
ミッション 4AT 前トレッド/後トレッド 1.55m/1.56m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1470kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.2m
マニュアルモード -
標準色

ノワールメタルM、グリメタルM

オプション色

ブランペルレメタリック

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型式 7AA-LJLH4MH
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 4AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ノワールメタルM、グリメタルM
オプション色 ブランペルレメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.5m
全長×全幅×
全高
4.57m×1.82m×1.58m
ホイール
ベース
2.72m
前トレッド/
後トレッド
1.55m/1.56m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1470kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.2m
掲載用コメント -
エンジン型式 H4M 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 - 燃料タンク容量 50リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1597cc 燃費(WLTCモード) 22.8km/L
└市街地:19.6km/L
└郊外:24.1km/L
└高速:23.5km/L
燃費基準達成 -
最高出力 94ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
148(15.1)/3600
エンジン型式 H4M
種類 直列4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1597cc
最高出力 94ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
148(15.1)/3600
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 50リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 22.8km/L
└市街地:19.6km/L
└郊外: 24.1km/L
└高速: 23.5km/L
燃費基準達成 -