プジョー 408▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、新型 プジョー 408 GT ハイブリッドに試乗した際のレポートをお届け

スタイリッシュなクロスオーバーSUV

プジョーというブランドは、ここ10年でフランス車のモデルの中では作りの良さが 際立つ。

一気に向上したモデルが私の記憶では2013年に登場した2代目308である。刷新したプラットフォームは軽量で作りの精度の良さを感じさせた。

それらのアーキテクチャーの基本をさらに進化させてシャープでグラマラス、ロバストな雰囲気をもたせたボディへとなったのが、日本で2023年6月20日に登場した兄貴分の408クロスオーバークーペである。

基本プラットフォームは先に記述した308と同様、EMP2である。全長、ホイールベースをともに伸ばし、走行シーンの全ての点においてパフォーマンスを向上させている。

今回我々が試乗したモデルは408 GT ハイブリッドモデルだ。
 

プジョー 408

まず、前衛的なフロントマスクが印象的。特にマトリックスLED仕様のヘッドライトを装着したモデルだけに、目力があり、デジタリックなグリルと相まってすごみは十分だ。
 

プジョー 408
プジョー 408

クロスオーバーSUVだけに最低地上高は170㎜とたっぷりとあるが、SUVのジャンルからすれば普通乗用モデルのエッセンスもあってスタイリッシュな印象が強い。
 

プジョー 408

空力とスポーティさを意識したスタイリングも、アスファルトのエスプリを強調している。特にファストバックは空力的にとても有利でありシャープなスタイリングと走りにピッタリなフォルムである。
 

プジョー 408

フランス仕込みのしなやかで上品な走り

では、乗り込んでみよう。これらのシティ派クロスオーバーモデルは乗り降りしやすいヒップポイントがいい。自然な体勢での所作は、エレガントに乗りこなす大切なポイントだ。

インテリアの出来栄えも申し分ない。2代目308から続くクオリティをさらにプレミアム路線に進化させた。
 

プジョー 408
プジョー 408

また、小径なステアリングフィールの独自性が相変わらず際立っている。普及モデルでこのようなステアリング機構を世に出すプジョーのエンジニアリングと、ビジョンの鮮明さには感服する。
 

プジョー 408

乗り慣れているとはいえ、静寂な発進と路面からのしなやかなフィールは、石畳で鍛えられたフランスならではの文化を感じ取れる部分である。加速は上品で落ち着きがある。
 

プジョー 408

システム合計出力は225馬力、トルクは360N・mもあることから、横浜ベイブリッジの上り坂の左コーナーも3人乗車でありながら車体の姿勢を変えずにグイグイと走らせることができる。

決して踏み込んではいないが1.6リッター ガソリンターボとのマリアージュによってスムーズなトラクションをもたらすのだ。
 

プジョー 408

高速でのフロントシートの静粛性は高いが、クオーターパネルの形状からリアシートは少々風切り音がある。この手のモデルは乗員すべてがイコールというわけにはいかないし、絶えず4人乗車をすることは多くはないだろう。スタイリッシュなモデルは1人 or 2人のシチュエーションが似合う。
 

プジョー 408

車重は1740kgあるが、重さのあるサスペンションではないのには素晴らしいセッティングだ。底付き感もなく、ストロークの範囲を忠実に抑えながら程よい速さで収束して落ち着きある車の動きへと誘う。この辺がデザインの類似性がある他のハイブリッド車に比べて、明らかにプレミアム感のある走りとなっている。

様々なハイブリッド車に試乗しているが、これらのハイブリッドモデルはブレーキフィールのリニアリティーに欠けるところもある。しかし、408 GT ハイブリッドはコントロール性もまずまず及第点と言える。

およそ630万円というプライスはFFモデルとしては高価であるが、PHEVによるハイブリッドということを考えると決して高くはない。

デザインと動的なパフォーマンスを両立させた408 GT ハイブリッドは利便性と走りのパフォーマンスを向上させたPHEVモデルと言える。
 

プジョー 408
文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】
●408 GT ハイブリッド

型式 3LA-P545G06H 最小回転半径 5.6m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.7m×1.85m×1.5m
ドア数 5 ホイールベース 2.79m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.6m/1.61m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1740kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.17m
マニュアルモード    
標準色

オブセッション・ブルー

オプション色

パール・ホワイト、ペルラ・ネラ・ブラック、エリクサー・レッド

掲載コメント

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型式 3LA-P545G06H
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 オブセッション・ブルー
オプション色 パール・ホワイト、ペルラ・ネラ・ブラック、エリクサー・レッド
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.6m
全長×全幅×
全高
4.7m×1.85m×1.5m
ホイール
ベース
2.79m
前トレッド/
後トレッド
1.6m/1.61m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1740kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.17m
掲載用コメント -
エンジン型式 - 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 40リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 16.7km/L
総排気量 1598cc 燃費(WLTCモード) 17.1km/L
└市街地:12.7km/L
└郊外:18.3km/L
└高速:19.1km/L
燃費基準達成 -
最高出力 180ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
250(25.5)/1750
エンジン型式 -
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1598cc
最高出力 180ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
250(25.5)/1750
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 40リットル
燃費(JC08モード) 16.7km/L
燃費(WLTCモード) 17.1km/L
└市街地:12.7km/L
└郊外: 18.3km/L
└高速: 19.1km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。