プジョー 308▲2022年4月に販売されたプジョー 308に試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による、アリュール、アリュール ブルーHDi、GT ブルーHDi 3台のインプレッションをお届けする

ブランド力をさらに高め、大きさを増したボディは1つ上のクラスを感じさせる

4月13日に日本導入が発表された、新型プジョー 308を箱根で試乗した。

先代の308からぐっとコストを上げ、さらに質感の高いモデルとなった。そんな新型308の走りはいかがだろうか。

今回試乗したのは、ガソリンエンジン搭載のアリュール、ディーゼルエンジン搭載のアリュール ブルーHDi、GT ブルーHDiの3つのモデルだ。

プジョーは、先代の308からフランスのミュールーズ工場で生産されている。「made in france」にこだわりをもつことで、ブランド力を高めていることがわかる。

新たな308を見て思うのは、小型ハッチバックという枠ではあるが堂々としているということ。特に、ブリスター化したフェンダー部分は、四輪のしっかり感を捉えたデザインである。

先代に比べてホイールベースを55mm延長し、全幅も37mmも増したことにより、1つ上のクラスを狙っているのが理解できる。

プジョー 308

ターボ離れしたレスポンスのガソリン仕様と、ゆとりある加速が魅力のディーゼル仕様

エクステリアのチェックはこれくらいにし、試乗へと移ろう。

まずは、308のエントリーモデルというべきグレードの「アリュール」。先にガソリンモデル、続けてディーゼルと、それぞれのモデルを乗り比べる。

プジョー 308
プジョー 308

そもそもアリュールというのは、馬術用語としても用いられることもあって、動きやそのモデルの雰囲気を表現したモデルと言える。

シートに腰を沈めて目についたのは、ステアリングホイールとメーターナセル。これらのデザインと位置関係は、先代譲りで技術と個性が際立つ仕様である。

プジョー 308

シートは、国産のどのモデルのハッチバックにも見られないほど質が高い。

ファブリックとテップレザーと呼ばれる人工表皮の組み合わせのモノであるが張りがあり、しっかりとインテリアの質に合わせられていると感じる。

ステッチも良質で、エントリーモデルといってもチープな雰囲気は皆無である。

プジョー 308

エンジンを始動すると、1.2L ガソリン 3気筒ターボユニットが静かに出迎えてくれる。

1気筒当たりの排気量の黄金比は500ccであるが、このエンジンはそれに近い400ccとなる。コンパクトな燃焼室とロングストロークをもち、ピックアップが良く粘りあるユニットのあるようだ。

軽くアクセルを踏み込むと、リニアな動きでスムーズそのもの。ターボであることを忘れるほどレスポンスが良い。

走り出して感じたのは8速ATのスムーズさ。トルクが十分に発揮される低い回転域でも、しっかり次のアクションに備えている様子で、とにかく変速が細かい。

しかも、新しいジェネレーションのプラットフォームと改良したボディにより、静粛性も向上しているのであろう。実用回転領域であれば、3気筒とは思えない。

ただし、高負荷時には3気筒特有のサウンドがするが、決してちゃちな部分はない。

ホイールベースを伸ばしていてもボディ剛性は高く、バリューを感じられるプラットフォームとなっている。

言うなれば、フォルクスワーゲンのサスペンションセッティングに軽快さを加えたような足取りである。軽快感があり、安定感あるしなやかなサスペンションは、日本人には心地よいはずだ。

プジョー 308

続けて、アリュールのブルーHDiというディーゼルモデルへ乗り替える。

パワーユニット以外の装備は、ガソリン仕様と変わりはないが、パフォーマンスが違うエンジンを搭載していることと、車重で70kgもの違いがあることから、サスペンションにも変化がありそうだ。

エンジンを始動すると、先代のディーゼルモデルよりも想像どおり静かになったと感じた。

早速上りのワインディングへ向かう。踏み込んでもフロントのトラクションと動力制御のマナーが良好なので、FFであっても路面とのコンタクトは良い。しかも、トルクはゆとりの300N・mもあり、落ち着いた大人な加速から質の良さを感じられる。

こちらの方が、サスペンションのセッティングが寛容で乗り心地がよく、カーブでも安定感がある。ゆとりのパワフル感が、大人のFFハッチバックであることを即座に理解させてくれる。

もうこれで十分! と言える仕様である。

18インチホイールを装着し、スポーティな要素を増した「GT ブルーHDi」

3台目は、308 アリュール ブルーHDiの装備を充実したGT ブルーHDiの試乗だ。

“GT”ということもあって、スポーティな雰囲気から高級な位置づけにするための豪華装備がある。

エクステリアから見ると、18インチのホイールが格好の要でもあるかのようにシンプルかつ軽量なデザインで、車高が低く見える印象だ。

プジョー 308
プジョー 308

アルカンターラと人工表皮で組み合わせたシートは、座るとシートフレームは同じであるが、シートの落ち着きがいい。

プジョー 308

ブルーHDi(ディーゼル)のユニットなので、ホイールのインチアップ以外はアリュールと変わりはない。だが、タイヤのたわみ量が少ないので、ステアリングホイールの反応に違いがあるためにレスポンスが早くなっている。

また、路面からのコンタクトはアリュールに比べ硬めであるが、乗り心地が大きく変わるものではなく、静粛性も変わりはない。

プジョー 308

価格は上がるが、装備とスタイルが良くスポーティな雰囲気がFFハッチバックに質の高さをもたらせている。

都会的な雰囲気でキビキビという装いが好みの人には、オススメできる仕様であろう。

文/松本英雄、写真/阿部昌也

【試乗車 諸元・スペック表】
●アリュール

型式 5BA-P51HN05 最小回転半径 5.3m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.42m×1.85m×1.48m
ドア数 5 ホイールベース 2.68m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.56m/1.56m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1350kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.13m
マニュアルモード
標準色

オリビン・グリーン

オプション色

パール・ホワイト、エリクサー・レッド

掲載コメント

-

エンジン型式 - 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 52リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 21.4km/L
総排気量 1199cc 燃費(WLTCモード) 17.9km/L
└市街地:14.1km/L
└郊外:17.7km/L
└高速:20.4km/L
燃費基準達成 -
最高出力 130ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
230(23.5)/1750
型式 5BA-P51HN05
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 オリビン・グリーン
オプション色 パール・ホワイト、エリクサー・レッド
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.3m
全長×全幅×
全高
4.42m×1.85m×1.48m
ホイール
ベース
2.68m
前トレッド/
後トレッド
1.56m/1.56m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1350kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.13m
掲載用コメント -
エンジン型式 -
種類 直列3気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1199cc
最高出力 130ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
230(23.5)/1750
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 52リットル
燃費(JC08モード) 21.4km/L
燃費(WLTCモード) 17.9km/L
└市街地:14.1km/L
└郊外: 17.7km/L
└高速: 20.4km/L
燃費基準達成 -

【試乗車 諸元・スペック表】
●アリュール ブルーHDi ディーゼルターボ

型式 3DA-P51YH01 最小回転半径 5.3m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.42m×1.85m×1.48m
ドア数 5 ホイールベース 2.68m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.56m/1.56m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1420kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.13m
マニュアルモード
標準色

オリビン・グリーン

オプション色

パール・ホワイト、エリクサー・レッド

掲載コメント

-

エンジン型式 - 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 53リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 24.2km/L
総排気量 1498cc 燃費(WLTCモード) 21.6km/L
└市街地:17.1km/L
└郊外:21.6km/L
└高速:24.4km/L
燃費基準達成 -
最高出力 130ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
300(30.6)/1750
型式 3DA-P51YH01
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 オリビン・グリーン
オプション色 パール・ホワイト、エリクサー・レッド
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.3m
全長×全幅×
全高
4.42m×1.85m×1.48m
ホイール
ベース
2.68m
前トレッド/
後トレッド
1.56m/1.56m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1420kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.13m
掲載用コメント -
エンジン型式 -
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1498cc
最高出力 130ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
300(30.6)/1750
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 53リットル
燃費(JC08モード) 24.2km/L
燃費(WLTCモード) 21.6km/L
└市街地:17.1km/L
└郊外: 21.6km/L
└高速: 24.4km/L
燃費基準達成 -

【試乗車 諸元・スペック表】
●GT ブルーHDi ディーゼルターボ

型式 3DA-P51YH01 最小回転半径 5.3m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.42m×1.85m×1.48m
ドア数 5 ホイールベース 2.68m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.55m/1.55m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1420kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.13m
マニュアルモード
標準色

オリビン・グリーン

オプション色

パール・ホワイト、ペルラ・ネラ・ブラック、ヴァーティゴ・ブルー、エリクサー・レッド

掲載コメント

-

エンジン型式 - 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 53リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 24.2km/L
総排気量 1498cc 燃費(WLTCモード) 21.6km/L
└市街地:17.1km/L
└郊外:21.6km/L
└高速:24.4km/L
燃費基準達成 -
最高出力 130ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
300(30.6)/1750
型式 3DA-P51YH01
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 オリビン・グリーン
オプション色 パール・ホワイト、ペルラ・ネラ・ブラック、ヴァーティゴ・ブルー、エリクサー・レッド
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.3m
全長×全幅×
全高
4.42m×1.85m×1.48m
ホイール
ベース
2.68m
前トレッド/
後トレッド
1.55m/1.55m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1420kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.13m
掲載用コメント -
エンジン型式 -
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1498cc
最高出力 130ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
300(30.6)/1750
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 53リットル
燃費(JC08モード) 24.2km/L
燃費(WLTCモード) 21.6km/L
└市街地:17.1km/L
└郊外: 21.6km/L
└高速: 24.4km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。