▲ハデすぎずジミすぎないハイセンスな外観に、超絶ハイチューンのエンジン。家族を乗せても文句のでない(はず)の乗り心地。これを選ぶのは、家族思いで車が大好きな若いお父さんしかいないでしょ! オススメは385万円の250ps仕様。長く楽しめると思います ▲ハデすぎずジミすぎないハイセンスな外観に、超絶ハイチューンのエンジン。家族を乗せても文句のでない(はず)の乗り心地。これを選ぶのは、家族思いで車が大好きな若いお父さんしかいないでしょ! オススメは385万円の250ps仕様。長く楽しめると思います

いつだって一緒にいたいホットハッチ!

FFターボ最速の座は、現在ルノー メガーヌRSとホンダ シビックタイプRの間で争われており、どちらも2Lターボを搭載している。かたやプジョーはこの308GTiに1.6Lの直噴ターボを選んでいるが、その魅力が少しも色褪せないどころか、むしろ輝いてさえ思えるのは、これがワールドラリー選手権(WRC)や世界ツーリングカー選手権(WTCC)の規定に由来した排気量だから。

そしてこれをチューニングしたのが、かつてラリーやレースを戦ったプジョーのワークス部門、プジョースポールだからである。

こうしたステイタスは、名ばかりではなくその実力に反映されている。

そのエンジンは1.6Lとは思えないほどトルクフルで、小気味よいギア比の刻まれた6MTと合わせると、1320kgの5ドアハッチが面白いように加速する。250ps仕様と270ps仕様で悩むかもしれないが、その違いは高回転でのひと伸びだから、どうしても高出力モデルが欲しいのでなければ250psでも十分。

むしろ250ps仕様はほどよく強化された足回りと18インチタイヤのマッチングが素晴らしく、そのしなやかなロール感は、伝統の“猫アシ”を上手に現代解釈していると思えた。

ただよりリニアな運転感覚を求め、トラクションコントロールをオフにした場合は、270ps仕様のトルセンLSDがいい仕事をする。通常走行で不快なトルクステアをまったく感じさせないこのLSDは、緩効きながら絶妙にホイルスピンを防いでくれるから、コーナー出口では素早くアクセルを踏み込むことができるのだ。

ニュル最速を狙わずとも、ワークスが作り込めばこれだけ楽しい車が出来上がる。308 GTiは毎日一緒に過ごせる最強のホットハッチだと言える。

▲専用エアロパーツなどを装着。270(270ps 写真)は19インチ、250(250ps)には18インチアロイホイールが備わる ▲専用エアロパーツなどを装着。270(270ps 写真)は19インチ、250(250ps)には18インチアロイホイールが備わる
▲レッドステッチの入った専用内装を採用。前席には270にバケットシート、250にスポーツシートを装着する ▲レッドステッチの入った専用内装を採用。前席には270にバケットシート、250にスポーツシートを装着する
▲シリンダーブロックに熱処理を施し耐久性を高めるなど、エンジンを徹底的にチューン。ローギアード化された6MTと組み合わせられた ▲シリンダーブロックに熱処理を施し耐久性を高めるなど、エンジンを徹底的にチューン。ローギアード化された6MTと組み合わせられた

【SPECIFICATIONS】
■グレード:GTi 270 by PEUGEOT SPORT ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1598cc
■最高出力:270/6000[ps/rpm]
■最大トルク:330/1900[n・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:6MT
■全長x全幅x全高:4260×1805×1455(mm) ■ホイールベース:2620mm
■車両価格:436万円

text/山田弘樹
photo/向後一宏