アウディ Sモデル (菊谷聡)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: アウディの試乗レポート
タグ:
2013/01/21
ワガママの意味を「楽しけりゃ燃費が悪かろうが環境を汚染しようが関係ねえ」と解釈するならば、Sモデルは社会適合性の高い優等生だからしてワガママ度は低い。そして自身をより知的に見せたいという人にオススメ。その代わり運転は紳士的に。これ絶対条件
Sモデルから学ぶ正しい車の作り方
磨き上げた基本性能、軽快さ、エフィシエンシー
アウディの強さとは? それを知りたければ、Sモデルをじっくり観察すると良い。
軽く1000万円オーバーの値札を掲げながらも、他を威圧するような押し出しの強さや悪人面は持ち合わせていない。それでもSモデルは、思わず足を止め見入ってしまうほどの存在感を放っている。その凄みにも似た空気感は、なにからもたらされるのだろうか。
磨き上げられた基本性能。ありきたりの言葉だが、アウディの開発陣はツボを心得ている。どうすれば思いどおりに動くのか。どうすれば運動性能と快適性を両立できるのか。たとえばトップアスリート。鍛え抜かれた肉体と体幹のバランスは、ビジネススーツに身を包んでいたとしても、その「凄さ」が佇まいや微少な身のこなしから伝わってくる。つまりそういうことだ。
アウディの強さはSモデルを見れば分かる
なにしろ軽快。Sモデルは、アウディの軽量化技術“ultra”とはこういうものか…を味わわせてくれる。トルクベクタリングやスポーツディファレンシャルが出しゃばることなく、かつ効果的に本領を発揮し、クワトロシステムとの絶妙なコンビネーションでサーキットにおいても楽しく振り回すことができる。S6はとくにそのキャラが際立つ。S7スポーツバックにはしなやかさが加わり、大人のスポーツカー然としている。超越したハイクオリティを誇るS8はA4クラスのスポーツモデルを操っていると錯覚するほど軽快で、その限界領域は筆者レベルでは覗くことすら不可能。じつは、3車には3様のキャラが備わっているのだ。
そしてエフィシエンシー。クルージング時には8気筒の半分を休ませ(シリンダーオンデマンドシステム)、エココンシャスな走りを実現する。これも、ル・マン24時間レースからフィードバックされた技術だというから、アウディが謳う「技術による先進」は伊達ではない。
SPECIFICATIONS
グレード | S6 | ||
駆動方式 | 4WD | ||
トランスミッション | 7DCT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4930×1875×1445 | ||
ホイールベース(mm) | 2910 | ||
車両重量(kg) | 2020 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | V8DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 3992 | ||
最高出力[ps/pm] | 420/5500-6400 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 550/1400-5200 | ||
JC08モード燃費(km/L) | 9.6 | ||
車両本体価格(万円) | 1180 |