【試乗】新型 BMW X7|500km以上の道のりでも駆けぬける歓びが絶えず湧き上がるラグジュアリーSUV
カテゴリー: BMWの試乗レポート
2020/05/18
全長5m超えのフルサイズSUVを長距離で試す
昨年の6月にBMWから、フルサイズタイプのSUV(BMWではSAVと呼ぶ)X7が発表された。
堂々としたフロントマスクと5165mmの伸びやかなボディは、まさしく威風堂々としたいでたちである。
見るからに上品でいてスポーティな雰囲気を醸し出しており、同社のハイブランドを切り開いたSUVモデルである。
しかし、この車で求められているのは、視覚で認識できる表面的な部分だけではない。
堂々とした雰囲気には優雅な走りは不可欠である。
その両方をあわせもってこそ、グランドツーリングを誘うモデルにふさわしいと言える。
今回試乗を行ったのはX7の、xドライブ 35dだ。
直列6気筒のターボディーゼルユニットは最高で265馬力、最大トルクはなんと63kg・mを超えるビッグトルクのエンジンである。
2.5tある車重であってもグイグイと走るには疑いの余地はないが、あらためてその特性を山間部を交えたロングディスタンスのドライブで試した。
コースは東京と京都の往復1000kmだ。
軽快さと優雅さをあわせもつ
試乗を行ったのは真冬の寒さが残る2月。まだ薄暗い早朝に出発した。ほぐれきっていない身体全体をサポートするシートは安心感ももたらす。
着座位置の高さと、ボディの造形によって見切りも良好だ。
6気筒エンジンを始動する。キャビン内は至って静粛性が高い。
駐車場の門を締めるために外へ出てみるが、エンジンが冷えているにも関わらずキャビン内だけではなく外でもうるささはない。
今回のロングドライブもいつものとおり、東名から新東名、伊勢湾岸道、新名神を使って京都に向かう。
東京インターから入り、合流までの上り坂を一気に加速する。
一瞬にして法定速度に達したが、このときの加速は落ち着いている。
リアが下がりフロントが浮きぎみであっても、ステアリングに伝わるスタビリティに変わりはない。
インターをくぐったら、あとはゆったりと80年代の山下達郎を聴きながら加速した。
静岡県御殿場あたりまではACCに頼らず、この大きなボディの軽快な動きを自らの手で確かめることにする。
横風や向かい風であっても、マウンテン区間をじつに優雅に走っていく。
正確無比なステアリングは、BMWのスローガンである“駆けぬける歓び”というドライバーだけの楽しみを醸成するだけでなく、車の動きに優雅さを与える。
そんなドライビングを楽しんでいると、あっという間に御殿場に達してしまった。
ここからは新東名エリアで、ACCをONにしクルーザーのごとく大らかなドライブの始まりだ。
休憩は必要ないとも思ったが、岡崎S.A.でコーヒーブレイクをとる。目的地の京都まではおよそ150Kmほどなので、2時間はかからない。
300km近く走って来たが疲れは感じなかった。
古都の市街地でも操りやすい見切りの良さ
遠くの景色を見ながらのドライブは楽しい時間だけに、あっという間に過ぎてしまう。
京都東インターで降りると道は空いていた。
京都出町にある和菓子屋で田舎大福と最中を購入した。豆餅が有名なお店だが個人的にはよもぎの入った田舎大福が好みだ。寒天を含んだ最中の餡こも美味しい。
行き馴染みのお寺の境内で車を止めてひとつ頬張る。
全幅が2mある大型のボディながら、京都の細い道でも難なく走ることができた。
レンジローバーのように非常に見切りが良い。
今まで東京→京都を走った中では、レンジローバーのディーゼルモデルが最も疲れを感じさせないように思えたが、道を楽しんでステアリングを握り走るという点ではX7が上である。
意のままに道をトレースして上手に走れるからこそステアリングを握る醍醐味がある。
どんなシチュエーションでも偉ぶらず堂々とた佇まいが、プレミアムブランドを一層向上させるエッセンスであろう。
長距離を走れば、心の底からエフォートレスの真髄を確かめられるはずだ。
【試乗車 諸元・スペック表】
●X7 xドライブ35d ディーゼルターボ 4WD
型式 | 3DA-CW30 | 最小回転半径 | 6.2m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 5.17m×2m×1.84m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 3.11m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.69m/1.71m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 2420kg |
シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 7名 | 車両総重量 | 2805kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.22m |
マニュアルモード | - | ||
標準色 |
ブラック・サファイアメタリック、ソフィストグレーブリリアントエフェクト、ミネラル・ホワイトメタリック、ファイトニック・ブルーメタリック、バーモント・ブロンズメタリック、アークティック・グレー・ブリリアントE |
||
オプション色 |
- |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 3DA-CW30 |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ブラック・サファイアメタリック、ソフィストグレーブリリアントエフェクト、ミネラル・ホワイトメタリック、ファイトニック・ブルーメタリック、バーモント・ブロンズメタリック、アークティック・グレー・ブリリアントE |
オプション色 | - |
シート列数 | 3 |
乗車定員 | 7名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
- |
最小回転半径 | 6.2m |
全長×全幅× 全高 |
5.17m×2m×1.84m |
ホイール ベース |
3.11m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.69m/1.71m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 2420kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 2805kg |
最低地上高 | 0.22m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | B57D30A | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列6気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 80リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 2992cc | 燃費(WLTCモード) |
11.4km/L
└市街地:9.4km/L └郊外:10.8km/L └高速:13km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 265ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
620(63.2)/2500 |
エンジン型式 | B57D30A |
---|---|
種類 | 直列6気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 2992cc |
最高出力 | 265ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
620(63.2)/2500 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量 | 80リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 11.4km/L
└市街地:9.4km/L └郊外: 10.8km/L └高速: 13km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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