BMW 1シリーズ クーペ 【ニューモデル】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
タグ: クーペ
2008/04/02
■結構じゃじゃ馬?いやよく調教されたサラブレッドの走り
◆コンセプト
1&3シリーズの中でも最強のスポーツモデルが登場
貴重なFRのコンパクトハッチ(といっても実際は旧3シリーズ級のサイズ感だが)として確固たる地位を築く1シリーズ。ノッチバックのスポーツクーペ登場で、さらにユニークな魅力を手に入れた。ベースはもちろん1シリーズだが、135という名称が示す通り、オーバー300psの3L直6DOHC直噴ツインターボエンジンを搭載する。いまどき珍しく6MTと組み合わせられた(6ATも少し遅れてリリースされる)から、スポーツ派にとっては期待のニューモデルだろう。
実際、同じエンジンを積む335クーペ(6AT)と比べても重量で90kgも軽く、ホットハッチの部類に入る130iより40psもパワーがある(+80kg)。事実上、Mモデルではない1&3シリーズの中で、最強のスポーツモデルと言っていい。
◆室内&荷室空間
スタイルは賛否両論?内装は1シリーズそのもの
BMWの主張では、懐かしき02(マルニ)シリーズの現代版だという。だとすればターボを積むことから言ってもさしずめ現代の02ターボか。そのスタイルは決してスマート&キレイとは言えない。小柄だが筋骨隆々な、たとえるなら短距離走アスリートというところだ。インテリアの雰囲気は基本1シリーズそのもの。マルチファンクション機能の付いたMスポーツハンドルの向こうに、コンパクトなナセルに囲まれた丸型メーターが見えている。お馴染みの光景だ。
試乗車にはオプションのウッドパネルが組み合わされていて、スポーティな気分を少々スポイルしてしまっていたが、標準仕様のトリムはアルミニウムである。ストロークの短いシフトレバーを握っていると気分が盛り上がる。
◆ドライブフィール
ランフラットタイヤの乗り心地も向上、買うならATか
はやる気持ちを抑えて、街中クルージングを試みる。たっぷりなトルクとどこからでも立ち上がるフレキシビリティによって、MT車とは思えないほどの扱いやすさだ。6速1000回転45km/hでもちゃんと走ってくれるから、動いている間なら低燃費オートマチックな走行も可能。ランフラットタイヤの乗り心地も随分良くなった。加速フィールは素晴らしい。コンパクトゆえ弾丸然としたものだ。期待のハンドリングもあくまでドライバーに忠実であり、操作するという喜びが手応えとして残るというBMWに特有のもの。
ただし、エンジン性能がリッチすぎるため肝心のMTらしい楽しみ方ができない。エンジンを操る感覚に欠けているのが惜しい。これならATで乗ったほうが良さそうだ。
◆こんな人にオススメ
スポーティなMT派に、と言いたいところですがギアチェンジが楽しくない。単純にハンドリングの気持ち良さと速さを求める人だったら良い選択だと思いますが。あと問題は値段ですね。1シリーズですが、エントリースポーツカーというにはほど遠い。結局、お金に余裕のある人のお楽しみモデル、なんてあたりが落ち着きどころでしょうか。主要諸元のグレード | 135iクーペ“Mスポーツパッケージ” |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 6MT |
全長×全幅×全高(mm) | 4370×1750×1410 |
ホイールベース(mm) | 2660 |
車両重量(kg) | 1530 |
乗車定員(人) | 4 |
エンジン種類 | 直6DOHCターボ |
総排気量(cc) | 2979 |
最高出力[kW(ps)rpm] | 225kW(306ps)/5800rpm |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 400N・m(40.8kg-m)/1300~1500rpm |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/50 |
車両本体価格 | 538万円 |
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