BMW3シリーズ【ニューモデル試乗】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
タグ: セダン
2012/02/29
ダウンサイジング戦略を極めた!?
先代同様、ドアハンドルを日本仕様専用設計とすることで、一般的な機械式立体駐車場のサイズに合わせて全幅を1800㎜に収めた。なお今年秋にはフルハイブリットモデルも導入予定
6世代目となった。とりあえず328iのみの日本導入で、技術的に目新しいトピックはほとんどない。唯一、新しいというよりBMWファンであればあるほど驚くと思われるのが、328といいながら4気筒であること。いよいよビーエムもダウンサイジングで、2Lの直噴直4ターボを積むことになった。性能的には328という名前のイメージどおり、旧来でいうところの3L直6級で、価格的にほぼ同等の旧型325iパッケージモデルのスペックと比べれば大幅にアップである。それでいながら、新型には8ATが積まれており、燃費性能もカタログ数値で3割向上。ちなみに本命と目される320iにも同じエンジンが積まれるが、そちらでも直6級のトルクスペックを確保する。
スタイリングも顔つきが新世代となって目を引くが、それ以外はキープコンセプトと言っていい。
ダンスが上手く踊れたような気持ちよさ
ドライビング・パフォーマンス・コントロールを標準化。駆動系に加えてエアコンまで制御することで燃費をさらに向上させる、ECO PRO(エコ・プロ)モードが設定されている
新しいカオが好きだ。黒ぶちからいきなりメタリックなメガネでオシャレさんになったオヤジを見るような違和感がいい。クルマの顔なんて、好き嫌いが分かれるくらいでちょうどいい。4発エンジンのパフォーマンスそのものは、申し分ない。3.5Lクラスの直6級である。けれども、低回転域のボサボサ感やインジェクター音は気になるし、中高回転域のフィーリングなど、まるでビーエムらしい官能性はない。今となってはメルセデスの4発のほうが、回して気分がいいほどだ。
じゃあ、ビーエム買う意味ないじゃん?いやいや、それは早計に過ぎる。もう一つのビーエムらしさ、“手に馴染むハンドリング”はどっこい生きている、どころか、凄みを増した。全体的にコンフォート志向ながら、スポーツモードではかなりキレる。リズムをまったく崩さずダンスが踊れたような、気持ちよさがあった。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | 328i | |
全長×全幅×全高(mm) | 4625×1800×1440 | |
車両重量(kg) | 1560 | |
エンジン種類 | 直4DOHCターボ | |
総排気量(cc) | 1997 | |
最高出力[ps/rpm] | 245/5000 | |
最大トルク[kg-m/rpm] | 350/1250-4800 | 車両本体価格 | 570万円 |
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