ダウンサイジング戦略を極めた!?

  • BMW 328i 走り|ニューモデル試乗
  • BMW 328i リアスタイル|ニューモデル試乗
先代同様、ドアハンドルを日本仕様専用設計とすることで、一般的な機械式立体駐車場のサイズに合わせて全幅を1800㎜に収めた。なお今年秋にはフルハイブリットモデルも導入予定
6世代目となった。とりあえず328iのみの日本導入で、技術的に目新しいトピックはほとんどない。唯一、新しいというよりBMWファンであればあるほど驚くと思われるのが、328といいながら4気筒であること。いよいよビーエムもダウンサイジングで、2Lの直噴直4ターボを積むことになった。

性能的には328という名前のイメージどおり、旧来でいうところの3L直6級で、価格的にほぼ同等の旧型325iパッケージモデルのスペックと比べれば大幅にアップである。それでいながら、新型には8ATが積まれており、燃費性能もカタログ数値で3割向上。ちなみに本命と目される320iにも同じエンジンが積まれるが、そちらでも直6級のトルクスペックを確保する。

スタイリングも顔つきが新世代となって目を引くが、それ以外はキープコンセプトと言っていい。

ダンスが上手く踊れたような気持ちよさ

  •  BMW 328i サイドスタイル|ニューモデル試乗
  • BMW 328iインパネ|ニューモデル試乗
ドライビング・パフォーマンス・コントロールを標準化。駆動系に加えてエアコンまで制御することで燃費をさらに向上させる、ECO PRO(エコ・プロ)モードが設定されている
新しいカオが好きだ。黒ぶちからいきなりメタリックなメガネでオシャレさんになったオヤジを見るような違和感がいい。クルマの顔なんて、好き嫌いが分かれるくらいでちょうどいい。

4発エンジンのパフォーマンスそのものは、申し分ない。3.5Lクラスの直6級である。けれども、低回転域のボサボサ感やインジェクター音は気になるし、中高回転域のフィーリングなど、まるでビーエムらしい官能性はない。今となってはメルセデスの4発のほうが、回して気分がいいほどだ。

じゃあ、ビーエム買う意味ないじゃん?いやいや、それは早計に過ぎる。もう一つのビーエムらしさ、“手に馴染むハンドリング”はどっこい生きている、どころか、凄みを増した。全体的にコンフォート志向ながら、スポーツモードではかなりキレる。リズムをまったく崩さずダンスが踊れたような、気持ちよさがあった。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード 328i
全長×全幅×全高(mm) 4625×1800×1440
車両重量(kg) 1560
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1997
最高出力[ps/rpm] 245/5000
最大トルク[kg-m/rpm] 350/1250-4800
車両本体価格 570万円
Tester/西川淳  Photo/向後一宏