BMW 7シリーズ【プレイバック試乗】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
タグ: セダン
2010/05/19
コンセプト
横ではなく前を見てその象徴がiDrive
BMWの旗艦として新たに登場した7シリーズのコンセプトは“より簡単、より快適、より個人的”。その実現のため、従来の操作方法やライバル車にとらわれることなくすべてを白紙から考えたという。例えば始動は、リモコンキーをスロットに差し込みブレーキペダルを踏みつつスタート&ストップボタンを押すだけ。駐車の際は同様のボタンを押せば、エンジンが停止すると同時にATが自動的にニュートラルへ。リモコンキーを取り出せば自動的にPレンジに入る、といった具合。またアームレストにあるコントローラーを操作すれば、ナビやオーディオといった運転に関係ない機能にアクセスできる。万事がこの調子。BMWはこうした操作理念をiDriveと名づけた。
グレードはエンジン排気量の違いから2モデルで構成される。
室内&荷室空間
内装の意匠も手伝ってゆとりある空間を実現
ボディが一回り大きくなったことを受け、室内空間のゆとりも増した。ただしフロントシートの左右間では広さを感じない。これは運転中のドライバーの体を安定させるためという、BMWの定石だ。1490mmという全高のおかげでヘッドクリアランスはたっぷりとあり、大柄な人でもゆったりと乗れる。またリアシートも、2990mmという長いホイールベースと高い室内高から前後上下ともに相当なゆとりがあり、センターアームレストを使えばファーストクラス並みの心地良さが味わえる。旧型と比べてラゲージの容量に大きな違いはないが、内部の形状を変えることによってロングドライバーが入ったキャディバッグを4つ、横向きに積めるようになった。加えてその奥にはボストンバッグが4つ収納できる。
ドライブフィール
デバイスが有効に働くのは足回りの基本がいいから
ハンドリングは、ノーマルサスペンションとオプション設定のダイナミックドライブ付きとで大きく変わる。ダイナミックドライブとは油圧でスタビライザーを電子制御するシステムで、コーナリング時のロールを最小限に抑えて常に安定した姿勢を保持してくれるもの。具体的には横Gが0~0.3Gまではロール角をゼロに保ち、0.3~0.6Gではロール角をノーマルの20%までに抑制してくれる。ロール角ゼロの状態でも違和感は意外になく、体が左右にずれないので安定した運転姿勢を保てた。ノーマルサスペンションの試乗車に乗り替えると、足回りの基本がいいからダイナミックドライブが有効に働くのだ、と理解できた。エンジンは基本的に3.5Lで十分。多人数を乗せることが多いなら、余裕のある745iをという程度だ。
こんな人にオススメ
運転が好きな人にとっては、魅力満載の一台。これまで何台も乗り継いだ人ほど、この奥深さを理解できるもかもしれない。足の硬い車を乗り継いできたのならダイナミックドライブ付きを勧める。国産車を乗り継いできたのならノーマルサスでも十分に満足できるだろう。オプション設定は多いので、よく検討を。SPECIFICATIONS
グレード | 735i |
駆動方式 | FR |
トランスミッション | 6AT |
全長×全幅×全高(mm) | 5030×1900×1490 |
ホイールベース(mm) | 2990 |
車両重量(kg) | 1900 |
乗車定員 | 5人 |
エンジン種類 | V型8気筒DOHC |
総排気量(cc) | 3591 |
最高出力 | 200kW(272ps)/6200rpm |
最大トルク | 360N・m(36.7kg-m)/3700rpm |
車両本体価格 | 830.0万円 |
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