※この記事はカーセンサー関東版41号(2000年11月2日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

ドレスを着るように楽しむ車…それがZ8の真骨頂

  • BMW Z8 走り|ニューモデル試乗
  • BMW Z8 リアスタイル|ニューモデル試乗
↑単なるハイパフォーマンスカーではない。その熟成度の高さには心惹かれる(左)ネオンライトのテールランプは、レスポンス良く、明瞭だ。後続車の視認性は抜群(右)
3シリーズ、5シリーズ、7シリーズとあるBMWのラインナップから外れているのが、MシリーズとZシリーズである。Mはスポーツ性が高い車を意味するが、Zは特別な車を意味している。そして、Z8は現在その頂点に立つモデルだ。5L V8で400psのエンジンとパワートレインはM5から譲られたものだが、出来上がった車はまるで別物だ。

サーキットを走らせてもM5より何秒も速く走れるが、そんなことを自慢する車ではない。アルミシャーシ、アルミボディをまとった2シーターオープンは、内装の材質や色使いを含めてゴージャスそのものだ。センターメーターやハンドルスポークのデザインもスペシャルである。ドレスを着るように車を楽しむ。これがZ8の真骨頂なのである。

扱いやすく、そしてM5より速い!

  • BMW Z8 インテリア|ニューモデル試乗
  • BMW Z8 エンジン|ニューモデル試乗
↑センターメーターはBMWとしては珍しい。首を振って見ることにも、すぐに慣れる(左)M5から移植された5L V8、400psエンジン。排気音はZ8専用チューンで大迫力(右)
走り出してみると、単なるハイパフォーマンスカーではないことはすぐにわかる。アクセル、ブレーキ、クラッチの各ペダル、シフトレバーやハンドルも含めて操作系の動きがものすごくスムーズで扱いやすい。走りもドライバーが狙ったラインを狂わずにトレースしてくれ、その熟成度の高さには心惹かれる。それが乗れば乗るほどにじみ出てくるからだ。

残念ながらMTしか用意されないが、運転そのものはやさしい。正確に動いてくれるクラッチペダル、アイドリングでも太いトルクによってアクセルペダルを踏まなくても楽に発進できる。ギアチェンジもわかりやすいゲートでシフトミスは起きにくい。

シートヒーターで腰を暖め、マフラーを首に巻けば最高のオープンドライブが楽しめるはずだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード Z8
駆動方式 2WD
トランスミッション 6MT
全長×全幅×全高(mm) 4400×1830×1315
ホイールベース(mm) 2505
車両重量(kg) 1610
乗車定員(人) 2
エンジン種類 V8DOHC
総排気量(cc) 4941
最高出力[ps/rpm] 400ps/6600rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 51.0kg-m/3800rpm
10・15モード燃費(km/L)
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/73
車両本体価格 1650.0万円

菰田 潔の責任採点

コンセプト 4点 取り回し 4点 加速性能 5点 ブレーキ性能 5点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 2点 乗り心地 4点 環境対策 3点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 5点 操縦安定性 5点 燃費 3点
後席居住性 ー点 パワー感 5点 高速安定性 5点 ステータス 5点
内装の質感 3点 トルク感 5点 しっかり感 5点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 76/95
(Tester/菰田 潔 Photo/桜井 健雄)