BMW Z8 【プレイバック試乗記】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
タグ: クーペ
2009/06/10
※この記事はカーセンサー関東版41号(2000年11月2日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
ドレスを着るように楽しむ車…それがZ8の真骨頂
↑単なるハイパフォーマンスカーではない。その熟成度の高さには心惹かれる(左)ネオンライトのテールランプは、レスポンス良く、明瞭だ。後続車の視認性は抜群(右)
3シリーズ、5シリーズ、7シリーズとあるBMWのラインナップから外れているのが、MシリーズとZシリーズである。Mはスポーツ性が高い車を意味するが、Zは特別な車を意味している。そして、Z8は現在その頂点に立つモデルだ。5L V8で400psのエンジンとパワートレインはM5から譲られたものだが、出来上がった車はまるで別物だ。
サーキットを走らせてもM5より何秒も速く走れるが、そんなことを自慢する車ではない。アルミシャーシ、アルミボディをまとった2シーターオープンは、内装の材質や色使いを含めてゴージャスそのものだ。センターメーターやハンドルスポークのデザインもスペシャルである。ドレスを着るように車を楽しむ。これがZ8の真骨頂なのである。
扱いやすく、そしてM5より速い!
↑センターメーターはBMWとしては珍しい。首を振って見ることにも、すぐに慣れる(左)M5から移植された5L V8、400psエンジン。排気音はZ8専用チューンで大迫力(右)
走り出してみると、単なるハイパフォーマンスカーではないことはすぐにわかる。アクセル、ブレーキ、クラッチの各ペダル、シフトレバーやハンドルも含めて操作系の動きがものすごくスムーズで扱いやすい。走りもドライバーが狙ったラインを狂わずにトレースしてくれ、その熟成度の高さには心惹かれる。それが乗れば乗るほどにじみ出てくるからだ。残念ながらMTしか用意されないが、運転そのものはやさしい。正確に動いてくれるクラッチペダル、アイドリングでも太いトルクによってアクセルペダルを踏まなくても楽に発進できる。ギアチェンジもわかりやすいゲートでシフトミスは起きにくい。
シートヒーターで腰を暖め、マフラーを首に巻けば最高のオープンドライブが楽しめるはずだ。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | Z8 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | 6MT |
全長×全幅×全高(mm) | 4400×1830×1315 |
ホイールベース(mm) | 2505 |
車両重量(kg) | 1610 |
乗車定員(人) | 2 |
エンジン種類 | V8DOHC |
総排気量(cc) | 4941 |
最高出力[ps/rpm] | 400ps/6600rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 51.0kg-m/3800rpm |
10・15モード燃費(km/L) | ー |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/73 |
車両本体価格 | 1650.0万円 |
菰田 潔の責任採点
コンセプト | 4点 | 取り回し | 4点 | 加速性能 | 5点 | ブレーキ性能 | 5点 |
フィニッシュ | 5点 | 操作系の使い勝手 | 2点 | 乗り心地 | 4点 | 環境対策 | 3点 |
前席居住性 | 4点 | ラゲージルーム | 5点 | 操縦安定性 | 5点 | 燃費 | 3点 |
後席居住性 | ー点 | パワー感 | 5点 | 高速安定性 | 5点 | ステータス | 5点 |
内装の質感 | 3点 | トルク感 | 5点 | しっかり感 | 5点 | コストパフォーマンス | 4点 |
得点合計 | 76/95 |
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