フォルクスワーゲン ゴルフRはスーパーハッチバックにして懐の深い1台である
2015/12/22
乗り手が年を取っても鍛え直す懐の深さを感じる1台
最後に乗ったVWのMTモデルは2009年頃にドライブしたR32だった。トルキーで乗りやすくスタビリティは抜群だった。その流れをくんだ「ゴルフR」はダウンサイジングに沿った2Lターボで、トランスミッションはマニュアルに近い滑らかなDSGのみであった。しかし自分の思うギアセレクトでドライブして、任意にダイレクトなフィールを体に感じたい。今回6速MTが導入されてそれが可能になったのである。
6速MTはDSG同様の基本コンポーネントである3軸式だ。自動的に制御していたアクチュエーターを自分自身で動かすのである。この3軸式MTはすでにポルシェ 911の7速MTでも採用されている方式で、確実にギアゲートをセレクトし負担も少ない。だから面白いようにスパスパとギアチェンジが決まる。
さてドライブだ! 専用のバケットシートに身を沈め、MTならばクラッチがどこで切れるのか左足を動かしブレーキとアクセルの位置も確かめて精度よくシートを合わせたくなる。
エンジンのレスポンスは最高だ。1速に入れてクラッチをつなげるとターボラグもない。エンジンの成熟を感じる。2000回転ほどでシフトアップダウンを繰り返し体になじませる。MTに乗るときの儀式である。
ヒール&トゥはとてもやりやすい。ブレーキの踏力をコントロールしながらアクセルでギアレシオにシンクロした回転数をブリッピングで行う。速さというよりも意のままに4モーションの強烈なロードホールディングを確かめることに感激する。このシステムを支えるサスペンションセッティングは強靭なシャシーがあるからこそと言っていい。
あらためてVWは機械的な完成度は高い。そう感心しながら、ATに慣れ親しんで鈍っている自分に活を入れた。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:R ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1984cc
■最高出力:280/5100-6500[ps/rpm]
■最大トルク:380/1800-5100[n・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:6MT
■全長x全幅x全高:4275x1800x1465(mm) ■ホイールベース:2635mm
■車両重量:1500kg
■車両本体価格:539万円(税込)
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- 先代BMW 3シリーズ(F30型)を買うなら、総額150万円以下が狙い目だ!
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- SUVじゃなくていいじゃない! この夏、「キャンピングGT」に乗ろう!【カーセンサー8月号】
- 【試乗】新型 日産 ノート|市販モデルではプロトタイプのネガ部分が消え、スタビリティの高さが際立った
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- 9年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー2.0~2.5L部門賞を受賞した「2.5L直列5気筒TFSIエンジン」搭載の狙い目モデル3選
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品
- 掲載率1%未満! 大人気コンパクトカーの2代目日産 ノートを狙うなら、激レアグレードも要チェック!