フォルクスワーゲン e-up!【試乗レポート】(松本英雄)
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
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2014/12/04
「哲学はアンダーステートメント!」がふさわしい
5ナンバーサイズの100%の電気自動車を公道でドライブするのは初めてかもしれない。昨今の安全基準と大容量バッテリー搭載によるキャパシティを考えると、大型のプラットフォームや専用設計が必須になる。e-up!の感心するところは、基本は内燃機関による動力を軸にプラットフォームを作り、一方でEVとしてのポテンシャルも追求した点である。しかもVW話題の上級車種からの流用を考えたモジュールプラットフォームMQBではない。この点でe-up!は上級車種のエッセンスはなく専用なのだ。
車重はup!よりも3割弱増している。乗り心地はかなり良くなっているはず、と思いながら乗り込む。
相変わらずボディの建て付けは申し分ない。改めて作りの良さとキレイな仕立てには感心する。
受け渡されたe-up!の状態はエコモードであった。これは3種類のモードの中で真ん中に位置する。スムーズでパワーも十分。加速時も姿勢も乱れず無駄がない。次に一番パワーがあるノーマルモードを試す。押し付けられるような加速はないが十分速い。ギアチェンジのタイムロスを考えると連続的な加速をするe-up!は通常のup!よりも未来的だ。
コーナリング時のロールも吸い付くようでマナーの良い姿勢を維持する。乗り心地は断然e-up!のほうが上質だ。バネ上とバネ下の重量比で乗り心地は決まるが、e-up!はとても分かりやすい。
決してイノベーションを感じるデザインや走行性能ではないが、VWの自動車に対する基本的なエッセンスが投入されている。目立たず勝ち誇ることなく雰囲気を醸し出すe-up!は、まさにアンダーステートメントに相応しい自動車のカタチなのだ。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:e-up! ■乗車定員:4名
■エンジン種類:モーター
■最高出力:82/3000-12000[ps/rpm] ■最大トルク:210/0-2500[N・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:1AT
■全長×全幅×全高:3545×1650×1520(mm) ■ホイールベース:2420mm
■車両重量:1160kg
■車両本体価格:366.9万円(税込)