【試乗】新型メルセデス・ベンツ Eクラスワゴン(E220 d)|最新になっても重厚感ある“らしさ”が十分感じられる新モデル
2024/05/29
上級モデルと同じプラットフォーム
メルセデス・ベンツ Eクラスの歴史は長い。
今回新たな「W214/S214」となったわけだが、1953年に登場したEクラスの源流であるミディアムクラスからは70年以上経過している。そのミディアムクラスのステーションワゴンは、1977年の「W123」モデルより生産されている。
当時メルセデスではステーションワゴンを「Tシリーズ」と名付けていた。ちなみに「T」とは、ツーリストとトランスポートの意である。
現在でも後継モデルの「W124」モデルのTシリーズは、歴史を継承したクオリティということで中古車でも人気がある。Tシリーズというネーミングは、そのW124まで使われた。
そして「Eクラス」というネーミングの初代は、上記に示した1993年モデルからのW124シリーズである。ここを初代Eクラスとするので、今回発表したS214型は6代目ということになる。
ステーションワゴンとしては1977年からなので、もう少しで半世紀という長きにわたり親しまれているパッケージングである。その当時からディーゼルエンジンを搭載したモデルもあった。
前置きが長くなってしまったが、今回試乗したモデルはこれらの流れをくんだEクラスの最新ディーゼルエンジンを搭載する「E220 d」である。OM654型のユニットと、マイルドハイブリッド(MHEV)を装着したISG仕様だ。
これは新たに見直したユニットである。MRAというFR専用のプラットフォームは2世代目となっており、すでに旗艦モデルのマイバッハやSクラスに使われている最高峰の骨格だ。
ホワイトの外装とブラックの内装は最近の定番ともいえる仕様だが、オパリスホワイトは奥深く、重厚さやエナメルやガラスのような透明感がある。
ドライビングポジションはセダン同様に見切りがいい。エンジンを始動すると先代よりも圧倒的に静粛性が高い。
もっとも先代のW213も静粛性は高いが、改良されたOM654だけある。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ Eクラスワゴン(6代目) × 全国※流通状況により物件が表示されない可能性があります。
※当記事で紹介しているグレードとは別グレードも含まれます。
安心感抜群のハンドリング
バイワイアー式のセレクトレバーをDレンジにセットする。エンジン停止後の再始動はあっと言う間である。始動までのラグはないといっていい。
アクセレーションとモーターの制御による後押しもあって、伸びやかな加速だ。しかもトランスミッションは連続的で、なめらかさの中にシフトアップによる節度も感じられる。
サスペンションはどうだろうか。開口部が広いステーションワゴンはボディ剛性が不利であることは理解できるが、セダンに比べるとしなやかさに欠ける。
もっともセダンはPHEV仕様なので、剛性と重量の違いがあり乗り心地が良好になる要素はある。
試乗時には荷物を載せていなかったこともあり、軽快そのものだ。リアの重みは否めないが、ハンドリングはしっかりとフロントをとらえ、コンタクトが十分で安心感を与える。
一体この重厚感はどのように作り出しているのだろうか。FRのメルセデスに乗らなくては理解できないだろう。
伝統と経験が繰り広げるジオメトリーが、独自のアジリティを表現している。ステーションワゴンであってもオーセンティックな装いを忘れない。それがE220 d ステーションワゴンである。
【試乗車 諸元・スペック表】
●Eクラスワゴン E220 d アバンギャルド AMGラインパッケージ(ISG搭載モデル)ディーゼルターボ
型式 | 3CA-214204C | 最小回転半径 | 5.4m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.96m×1.88m×1.47m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.96m |
ミッション | 9AT | 前トレッド/後トレッド | 1.63m/1.61m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1940kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | コラム | 最低地上高 | 0.14m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ポーラーホワイト、ヴェルデシルバー、オブシディアンブラック、ノーティックブルー、ベルベットブラウン、グラファイトグレー、ハイテックシルバー |
||
オプション色 |
オパリスホワイト、アルペングレー、ヒヤシンスレッド |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 3CA-214204C |
---|---|
駆動方式 | FR |
ドア数 | 5 |
ミッション | 9AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ポーラーホワイト、ヴェルデシルバー、オブシディアンブラック、ノーティックブルー、ベルベットブラウン、グラファイトグレー、ハイテックシルバー |
オプション色 | オパリスホワイト、アルペングレー、ヒヤシンスレッド |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
コラム |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.4m |
全長×全幅× 全高 |
4.96m×1.88m×1.47m |
ホイール ベース |
2.96m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.63m/1.61m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1940kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.14m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | 654M | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 66リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 19.4km/L |
総排気量 | 1992cc | 燃費(WLTCモード) |
18.2km/L
└市街地:13.6km/L └郊外:17.9km/L └高速:21.2km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 197ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
440(44.9)/2800 |
エンジン型式 | 654M |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1992cc |
最高出力 | 197ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
440(44.9)/2800 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量 | 66リットル |
燃費(JC08モード) | 19.4km/L |
燃費(WLTCモード) | 18.2km/L
└市街地:13.6km/L └郊外: 17.9km/L └高速: 21.2km/L |
燃費基準達成 | - |
▼検索条件
メルセデス・ベンツ Eクラスワゴン(6代目) × 全国※流通状況により物件が表示されない可能性があります。
※当記事で紹介しているグレードとは別グレードも含まれます。
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。