メルセデス・ベンツ G63AMG (古賀貴司)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
2013/02/15

もはやコストパフォーマンス、リセールバリュー、性能うんぬんではなく、ただGクラスのAMGが欲しい、という人が買う男気や粋の世界ですね(笑)。そういう意味で“こだわり”を演出しやすい車ですし、何かとこだわりのある人に乗ってほしい車でもあります
懐古的情緒溢れるスーパーワイルドマシン
車選びに絶対性能は関係ない
Gクラスの登場は1979年でこれまで幾度、生産中止がささやかれたかわかりません。それでも市場からの根強いニーズに応えるカタチで、なんだかんだ進化しています。と同時に、車選びに必ずしも絶対性能は関係ないことを思い知らされる1台で、ライター泣かせな車でもあります。
新車で乗れるネオクラシック
乗ったのはG63(5.5L V8直噴ツインターボ)ならびにG65AMG(6L V12)です。いずれもグゥの音も出ないほどオーバーパワーで、とにかく強烈。2500kg強の車重を微塵も感じさせない加速は、あまりに豪快でワケもわからず笑いがこみ上げてくるほどです。メルセデス・ベンツといえば「シャシーはエンジンよりも速く」で有名ですが、G63/65にはもはや当てはまらないかもしれません。
かつてオフロード性能を重視したSUVで感じられた、4輪がバラバラに路面の凹凸に反応する様は良くも悪くも健在。これでオフロード走行する人も滅多にいないでしょうが、悪路走破性を考慮したセッティングなのでしょう。
でも…、基本設計が古いことが最大の理由になりますが、直線以外でアクセルを踏み込むなんて、恐ろしくて無理です。物理の法則に打ち勝つ車両制御をもつ現代のSUVと比べると、どこまでも古典的です。新車で乗れるネオクラシック、と呼べるほどです。
G65はエグゾースト音、乗り味ともにG63に比べるといささか洗練された雰囲気ですが、1470万円の価格差は説明できません。メルセデス・ベンツ車最高額である、ということが重要なんでしょう。もはや“粋”か否かの世界で浮世離れしています。
SPECIFICATIONS
グレード | G63AMG | ||
駆動方式 | 4WD | ||
トランスミッション | 7AT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4763×1855×1938 | ||
ホイールベース(mm) | 2850 | ||
車両重量(kg) | 2550 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | V8DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 5461 | ||
最高出力[ps/rpm] | 544/5500 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 760/2000-5000 | ||
車両本体価格(万円) | 1780 |
あわせて読みたい
【試乗】新型メルセデスAMG G63|改良により心地よさという価値が付加された新たなGクラス
【試乗】新型 テスラ モデルY|もはや走りにも文句はなくなり全方位進化でBEV最強の1台へ!
【試乗】新型 アウディ A5|堂々たるサイズの新ネーミング基幹車種、ベーシックモデルも必要十分に実用的!
【試乗】新型メルセデス・ベンツ Gクラス EQテクノロジー|電気の力でよりスポーティに、より高級に
三菱 デリカD:5の新車価格がアップ……。だったら中古車も見てみませんか? 価格や流通台数、オススメを解説
【試乗】新型 BMWアルピナ B4 GT|Dセグメントセダン最上! 良質なライドフィールを濃密に楽しめる“実用スーパーカー”
新型ボルボ XC90の新車価格1019万円に絶望した人に贈る「半額500万円で買えるコレ、代わりにどうですか?」5選
【試乗】トヨタ ランドクルーザー70(再々販モデル)|現代に蘇らせた意味を再考する
アウトドアにぴったりなのはSUVだけなのか? 旧モデルや他のボディタイプも選択肢に!【中古車購入実態調査】
【試乗】新型 BYD シーライオン7|BEVの特性を生かした足回りでワインディングも器用に走る上級クロスオーバーSUV!