M・ベンツ A160Lエレガンス【プレイバック試乗】
カテゴリー: メルセデス・ベンツの試乗レポート
タグ: ハッチバック
2010/02/02
コンセプト
二重構造シャーシが画期的なM・ベンツ
将来的には床下に動力用バッテリーその他を収納するための先取りで開発された画期的二重構造シャーシがAクラスのキモ。コンパクトだが床面が高いため、全高の高さを含めた見下ろす視界の広がりが乗ると実にいい。万が一衝突した時もAクラスの乗員は相手側(セダン系の場合)のバンパーレベルよりも高い位置に座っているため衝撃を受けにくいなどのメリットも大きい。
以前は全長が短いゆえの後席の狭さの問題もあったが、今回の全長を170mm延長したことによってそれも解消された。我が家は小さい子供が2人だけなので、これまでのAクラスでも事足りていたが、Aクラスロングのデビューによって、大人でも十分足を伸ばすことができる快適な車へと進化した。
室内&荷室空間
室内空間はまさにAクラス・リムジン
長いホイールベースに長いルーフ、長い後席側ドアを見るとホントに延びたんだなあ、と実感する。ドアを開けるとそこに広がる前後シート間の広さにまずはあ然。こりゃAクラス・リムジンである。座ると足をデーンと投げ出したり組んだりしても前に届かない足元の広々感は、比べちゃいないがSクラスロングといい勝負。まさに後席のためのロング化なのだ。荷室はオリジナルサイズと変わりない。が分割可倒と脱着可能な後席は前後へのスライドができて、荷室が110mm拡大する。かさばる荷物などを積む場合はこのシートアレンジが生きる。
扱いやすさだけなら断然この“L”だが、デザインのまとまり感はやはりオリジナルのA160のコンパクトさがいいと思う。
ドライブフィール
170mmの延長で直進安定性が向上
ボディサイズの延長の違いは、乗り味、操安性その他すべてに“長さのとおり”に利いた。荒れた路面を走行すると、ピョコピョコと小刻みにピッチングしたり、突き上げ感を受けたオリジナルAクラスに対して、Lのほうはゆったり滑らかにいなす。ホイールベースが長い分だけピッチング方向の変化も少ないため、後席での乗り味はまさにリムジン風。コーナーでもゆったり感がある。重量の増加はわずか40kgだから1.6Lエンジンのままでも不都合は特に感じない。そりゃ、あれば190Lもいいだろうけど、せっかくのプライスダウンの意味が薄れる。5速オートマチックの滑らかで変速ショックの少ないことや、踏み込んだ際のギア選びとレスポンスの良さは、M・ベンツが年々明らかな進化を続けている証拠。
こんな人にオススメ
まあやっぱり後席に座る人に楽な思い、快適性を与えたいと考えると170mm延長されたロングの存在価値は大きくなる。以前のようなブームは去って落ち着いた感のあるAクラスだが、今回のバリエーション追加で小さな子供がいて、チャイルドシートを使用するようなファミリィ層などの新たなユーザーに向けての展開もできる。SPECIFICATIONS
グレード | A160L エレガンス |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 5AT |
全長×全幅×全高(mm) | 3785 x 1720 x 1590 |
ホイールベース(mm) | 2595 |
車両重量(kg) | 1160 |
乗車定員 | 5人 |
エンジン種類 | 直列4気筒SOHC |
総排気量(cc) | 1598 |
最高出力 | 75kW(102ps)/5250rpm |
最大トルク | 150N・m(15.3kg-m)/4000rpm |
車両本体価格 | 265万円 |
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