トヨタ bZ4X▲トヨタ、スバルの新型EVであるbZ4Xとソルテラに試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による、公道でのインプレッションをお届けする

都内から静岡まで2台を乗り替えインプレッション

トヨタとスバルが本気で作り上げた、ピュアEVのbZ4Xとソルテラに長距離試乗することができたのでその感想をお伝えしたい。

電気自動車の良い点はたくさんある。しかし、ネガな部分といえば走行距離の短さと充電に時間がかかることであろう。

今回は、首都高速から箱根ターンパイクを抜けて芦ノ湖スカイライン、そして御殿場までをbZ4X Z(2WD)で走り、そこから東名高速と国道1号をメインに日本平を経て、静岡駅までをソルテラ ET-HS(4WD)で走った。

ソルテラは、雪上のテストコースを走らせたことがあるが、bZ4Xのステアリングを握るのは初めてだ。もちろん両車両ともに公道試乗は初めてとなる。

bZ4Xとソルテラは、前後の加飾の違いはあれど、基本的なシステムや構造は同じである。デザインの質感は、今までのトヨタ車やスバル車と比べるとプレス技術や樹脂の使い方が上手である。

特にボディパネルは、両社のデザインのコンセプトの違いをフロントフェンダーとリアクオーターパネルで表現している。
 

トヨタ bZ4X
スバル ソルテラ▲上がトヨタ bZ4Xで下がスバル ソルテラ

EVらしい力強い走りだが上下方向の揺れで視線が動くbZ4X

トヨタ bZ4X

それでは車内に乗り込んでみよう。早速シートに座って気づいたことは、コックピットの視認性が良いこと。特に、ステアリング前方に取り付けられた7インチのメーターはとても見やすい。また、中央にあるインフォテイメントの12.3インチモニターは、今まで様々なモデルのモニターを見てきたが、最もシャープで見やすい。これが初めの印象だ。
 

トヨタ bZ4X

では試乗に移ろう。走り出しは電気自動車特有のスムーズさが際立つ。首都高速の合流は、EVらしくとてもスムーズで程良い速さだ。それに加え、すこぶる静かで乗り心地も良好だ。

だが、FFであるからなのか、加速時にステアリングが左右に取られる。左右のトルク配分の制御をもう少し改善すればかなり良くなると感じた。しかし、FFによく見かけるトラクション不足などはない。

道路のつなぎ目を踏んだときの感触も良好だが、強いて言えばリアのダンピングの抑制が強いと安定感が増すと思われる。ステアリングフィールは軽めであるが、路面をしっかりとらえているので、不安感はない。

当日は快晴で、エアコンをつけなければ厳しい状況だったためECOモードで走らせた。なぜかというと、EVはヒーターとエアコンを使用するとバッテリーの消耗を早くしてしまうからだ。だが、控えめにアメニティを使ったにもかかわらず十分すぎる効きばえだ。

続いてターンパイクを走ってみる。料金所の後の上りは、非常に力強くEVの持ち味が発揮され、グイグイと上っていく。重いバッテリーを搭載しているにもかかわらず、安定感ある走りであった。

だが、芦ノ湖スカイラインのタイトなカーブの連続では、この車体を抑制するのは難しいようだ。とにかく上下のバウンシングが収まらず、ドライバーであっても目線が動いてしまい普段はめったにない生あくびが出ててしまった。
 

トヨタ bZ4X

bZ4Xより多少好印象のソルテラの4WDモデル

スバル ソルテラ

ソルテラ ET-HSに乗り替え御殿場インターへ向かう。ここからはほぼ下りなので、バッテリーが極端に減るともない。すぐに東名高速に乗り、目的地の三保の松原に向かう。個人的には、bZ4Xよりもソルテラの方が乗り心地が好みだと感じた。

さすが4WDと感じさせた瞬間は、上り坂のカーブで負荷をかけたときである。bZ4Xでは、ステアリングが取られることが多少あったがソルテラではそのような挙動はない。
 

スバル ソルテラ

乗り心地に関して言えば、bZ4Xよりも上下の動きの収まりが早い。といってもそれは微小なもので、日本平までのワインディングではやはり目線が動き疲れる。

一般道や高速では感じられないことが山間部ではある。トヨタとスバルが初めてトライしたピュアEVであるが、ピュアに評価するといささか懸念点も存在した。車作りというものは、本当に難しいものだなと改めて感じたのであった。
 

文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】
●トヨタ bZ4X Z

型式 ZAA-XEAM10 最小回転半径 5.6m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.69m×1.86m×1.65m
ドア数 5 ホイールベース 2.85m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.6m/1.61m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.94m×1.52m×1.16m
4WS - 車両重量 1920kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 2195kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.18m
マニュアルモード -
標準色

ブラック、ダークブルーマイカ

オプション色

プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスシルバー、プレシャスメタル、エモーショナルレッドII、ブラックxプラチナホワイトPマイカ、ブラックxプレシャスシルバー、ブラックxプレシャスメタル、ブラックxエモーショナルレッドII、ブラックxダークブルーマイカ

掲載コメント

※交流電力量消費率(WLTCモード)128Wh/km 市街地モード 113Wh/km 郊外モード 121Wh/km 高速道路モード 140Wh/km
※一充電走行距離(WLTCモード)559km
※KINTOでの契約の場合、T-Connect基本サービスは10年間無料です

エンジン型式 1XM 環境対策エンジン -
種類 電気モーター 使用燃料 電気
過給器 - 燃料タンク容量 -リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 -cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 203ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
266(27.1)/-
型式 ZAA-XEAM10
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ブラック、ダークブルーマイカ
オプション色 プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスシルバー、プレシャスメタル、エモーショナルレッドII、ブラックxプラチナホワイトPマイカ、ブラックxプレシャスシルバー、ブラックxプレシャスメタル、ブラックxエモーショナルレッドII、ブラックxダークブルーマイカ
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.6m
全長×全幅×
全高
4.69m×1.86m×1.65m
ホイール
ベース
2.85m
前トレッド/
後トレッド
1.6m/1.61m
室内(全長×全幅×全高) 1.94m×1.52m×1.16m
車両重量 1920kg
最大積載量 -kg
車両総重量 2195kg
最低地上高 0.18m
掲載用コメント ※交流電力量消費率(WLTCモード)128Wh/km 市街地モード 113Wh/km 郊外モード 121Wh/km 高速道路モード 140Wh/km
※一充電走行距離(WLTCモード)559km
※KINTOでの契約の場合、T-Connect基本サービスは10年間無料です
エンジン型式 1XM
種類 電気モーター
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 -cc
最高出力 203ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
266(27.1)/-
環境対策エンジン -
使用燃料 電気
燃料タンク容量 -リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -

【試乗車 諸元・スペック表】
●スバル ソルテラ ET-HS 4WD

型式 ZAA-YEAM15X 最小回転半径 5.6m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.69m×1.86m×1.65m
ドア数 5 ホイールベース 2.85m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.6m/1.61m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.94m×1.52m×1.16m
4WS - 車両重量 2030kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 2305kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.21m
マニュアルモード -
標準色

ブラック、ダークブルーマイカ

オプション色

プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスメタル、エモーショナルレッドII、ハーバーミストグレーパール、ブラック/プラチナホワイトPマイカ、ブラック/プレシャスメタル、ブラック/エモーショナルレッドII、ブラック/ハーバーミストグレーP、ブラック/ダークブルーマイカ

掲載コメント

※交流電力量消費率(WLTCモード)148Wh/km
※一充電走行距離(WLTCモード)487km

エンジン型式 1XM 環境対策エンジン -
種類 その他 使用燃料 電気
過給器 - 燃料タンク容量 -リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 -cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 218ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
338(34.4)/4535
型式 ZAA-YEAM15X
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ブラック、ダークブルーマイカ
オプション色 プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスメタル、エモーショナルレッドII、ハーバーミストグレーパール、ブラック/プラチナホワイトPマイカ、ブラック/プレシャスメタル、ブラック/エモーショナルレッドII、ブラック/ハーバーミストグレーP、ブラック/ダークブルーマイカ
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.6m
全長×全幅×
全高
4.69m×1.86m×1.65m
ホイール
ベース
2.85m
前トレッド/
後トレッド
1.6m/1.61m
室内(全長×全幅×全高) 1.94m×1.52m×1.16m
車両重量 2030kg
最大積載量 -kg
車両総重量 2305kg
最低地上高 0.21m
掲載用コメント ※交流電力量消費率(WLTCモード)148Wh/km
※一充電走行距離(WLTCモード)487km
エンジン型式 1XM
種類 その他
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 -cc
最高出力 218ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
338(34.4)/4535
環境対策エンジン -
使用燃料 電気
燃料タンク容量 -リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。