ルノー カングー▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が試乗した際のレポートをお届けする

10年で培った知見を存分に生かした新型アクア

初代が発売されて10年。その間の様々な蓄積を携え、満を持して発表した2代目 アクア。

スタイリングは、パッと見た瞬間にキープコンセプトが強いことが理解できた。先代の造形を踏襲しているのだ。

2代目が登場するにもかかわらず、先代アクアの販売は良好だったということから、10年経過しても古さを感じさせない雰囲気なのだろう。

しかし新型は、初代ほど際立ったデザインではない。ボディ面をラウンドさせた塊感がありながら、良質の雰囲気を醸し出すことに成功している。

レンズ類も質感を向上させ、古さを見せない工夫が先代以上に込められている。

新型のデザインは、先代よりも落ち着いた年齢層をターゲットに入れているような印象も見られ、アクアが幅広い層に支持されていることを強調しているように感じた。
 

トヨタ アクア

文句なしの静けさが上質なコンパクトカーらしさを感じさせる

乗り込んでみると、先代は頭をぶつけてしまった場面もあったが、今回はそのあたりがなく乗りやすくなった。

ドアを閉めた瞬間も、以前よりもしっかりとした剛性が感じ取れる。

パワーボタンを押し、起動するのを待ち、発進だ。

シフトレバーはセンターコンソールよりもクラスター近くまで上がっているので、目の位置を大きく移さずにセレクトできるのが良い。

しかも、ハイブリッドらしいバイワイヤー式であるため、小さな動きでもセレクトが可能だ。

意外なのは足踏み式のパーキングブレーキだが、これはコストを考えたのだろうか。
 

トヨタ アクア

都心中心部と市街地を試乗したのでバッテリーのみの走行であったが、走り出して感じるのは、静粛性を一段と向上させていることだ。

エンジンの振動やノイズがあれば静粛性の一部分はスポイルできる面もあるが、モーターのみの走行はピュアな自動車の静粛性が問われるのだ。
 

トヨタ アクア

その点からしても、新型アクアはダンピングとシャシー剛性との折り合いをうまく調整していることが一般道のアスファルトを走るだけでも良くわかる。

さらに首都高速に入り、グッと深く踏んでエンジンを始動させる。先代とは比べものにならない静粛性が実感できる瞬間だ。
 

トヨタ アクア

デザインはキープコンセプトだが、路面のアンジュレーションのさばき方など、乗り味は先代に比べると優しい。うまくワンランク上のコンパクトカーに仕立てている。

また、乗り心地もさることながら、中速から高速の安定感が高い。

以前は後方クオーターパネル下部からの音が気になった面もあったが、今回はプラットフォームの恩恵もあってか、ばっちり対策してある。

カーブでもキビキビというよりも、安定感を重んじている印象だ。

雨天時の高速にも乗ったが、空力の良さによって、雨粒の流れ方が先代アクアよりもフロントに付着しにくいように思えた。

目に見える質感の高さもさることながら、目に見えない部分こそ、質感を向上させた印象が強い。

時代の流れを感じ取れる質の高い走りは十分に理解できただけに、足踏みのパーキングブレーキだけが逆行しているイメージだ。

しかし、これは多くのユーザーを抱えたため、迷った末の選択だったのだろうか。
 

文/松本英雄、写真/尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】
●1.5 Z

型式 6AA-MXPK11 最小回転半径 5.2m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.05m×1.7m×1.49m
ドア数 5 ホイールベース 2.6m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.48m/1.48m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.83m×1.43m×1.19m
4WS - 車両重量 1130kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 1405kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 0.14m
マニュアルモード -
標準色

シルバーメタリック、ブラックマイカ、クリアベージュメタリック、ブラスゴールドメタリック、アーバンカーキ、ダークブルーマイカメタリック

オプション色

プラチナホワイトパールマイカ、エモーショナルレッドII

掲載コメント

-

型式 6AA-MXPK11
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 シルバーメタリック、ブラックマイカ、クリアベージュメタリック、ブラスゴールドメタリック、アーバンカーキ、ダークブルーマイカメタリック
オプション色 プラチナホワイトパールマイカ、エモーショナルレッドII
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.2m
全長×全幅×
全高
4.05m×1.7m×1.49m
ホイール
ベース
2.6m
前トレッド/
後トレッド
1.48m/1.48m
室内(全長×全幅×全高) 1.83m×1.43m×1.19m
車両重量 1130kg
最大積載量 -kg
車両総重量 1405kg
最低地上高 0.14m
掲載用コメント -
エンジン型式 M15A-FXE 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 36リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1490cc 燃費(WLTCモード) 33.6km/L
└市街地:33.8km/L
└郊外:36km/L
└高速:32km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準
達成車
最高出力 91ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
120(12.2)/4800
エンジン型式 M15A-FXE
種類 直列4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1490cc
最高出力 91ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
120(12.2)/4800
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 36リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 33.6km/L
└市街地:33.8km/L
└郊外: 36km/L
└高速: 32km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準 達成車
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。